傘全集

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傘にまつわるトリビアやお役立ち情報を様々な角度から発信している傘全集の編集スタッフのページです。「傘全集」に関して思いついたことを徒然なるままに書いています。日頃何気なく使っている傘について、何か気に留めるきっかけ、になればいいなと思っています。

最近の記事

梅雨に入る前に

梅雨を前にして、雨傘を使うときに一番気になることは何でしょうか? もちろんこれは人によっていろいろ違うわけですが、雨傘のサイズを気にする人は結構多いと思います。というのも傘は携帯性が重要なアイテムですから、本来であれば出来るだけ小さいものが良いのです。長さも短く、重さも軽いほうが良い傘であると考える人は多いかと思います。 ただし、雨傘の使用目的を考えると、雨から身体を守る範囲は大きい方が良いわけですから、必然的に広げたときのサイズは大きい方が良いと考える人も多いのではない

    • 雨傘よりも日傘

      傘と言えば雨を防ぐものというイメージがあるとは思いますが、実は昔から傘よりも日傘の方がよく使用されています。 日本の気候の場合、雨の日よりも晴れている日が多いため、直射日光を避ける目的での使用としては日傘の頻度がかなり高くなります。また、日傘の要素として太陽光の熱から頭部を守るというものがあり、こちらは夏場を中心に1年の3分の1ぐらいは日傘を使いたくなるような高気温の日に使用されます。日傘を使う日は、だいたい1年のうち100日強というところでしょうか。 日本において降水日

      • リユースと雨傘の汚れに関する前回の続きから。

        さて、雨傘は目に見えない汚れによって経年で徐々にダメージを受けていくため、リユースという事を考えていく上では、あまり良い状態で運用されていないという事を前回話していきました。では解決策はという事となりますと、江戸時代の褌のレンタルの話ではないですが、洋服などの布生地を使用した物品のリユースに重要な要素の一つが汚れ落とし、つまり洗濯という事になります。 結局のところ使い捨てビニール傘を使用することの原因の一つに、使い捨てではない傘生地を使う傘の耐久性の問題があるからです。使い

        • 傘を取り巻くエコ環境その4

          これまでは使い捨て傘に関する抑制は可能なのかという観点で話を展開してきたわけですが、傘に関するリユース環境はどうでしょうか? というのも環境負荷の高い使い捨てから離れるためには、そもそもの量を減らすか、再生可能な仕組みを作るか、繰り返し使う環境を整備するかという事になろうかと思います。個人がマイ傘を持ちそれらを繰り返し使う事がリユースの基本ですから、どのようにすれば傘を繰り返し使用することが出来るのか考えてみましょう。 まず、傘の場合、その携帯性から強度を犠牲にしている場

        梅雨に入る前に

          傘を取り巻くエコ環境その3

          使い捨て傘が便利であるポイントの一つに置き忘れてしまっても、盗難されてもいたくないというものがあります。 もっともこの利点は原因と結果が反対である場合も多いです。置き忘れるから使い捨て傘を使用する。使い捨て傘を使用するから置き忘れる。盗難された時の被害を最小にしたいから使い捨て傘を使う。使い捨て傘だから持って行ってしまっても良いだろうと犯罪に手を染める人が出てくる、といった具合ですね。 自分に都合の良いときに、目の前にある傘を使用し、都合が悪くなったらその傘をその場に置い

          傘を取り巻くエコ環境その3

          傘を取り巻くエコ環境その2

          前回述べましたように、傘の環境に対する負荷を軽くするために重要なのは、人々が傘を使い捨てにしたい欲求をどのように封じるかという部分です。どのように考えていけばよいでしょうか?ヒントは日傘にありそうです。 日傘の場合、太陽が出ているときは使いたいが雲に隠れたら捨てたいという人はあまり見かけられません。これは、雲が移動したらすぐに太陽が出てくるからというのもありますが、そもそも翌日も太陽はまた昇りますし、気温も1日程度ではそれほど変化しないので、日傘を使った翌日はまた使う可能性

          傘を取り巻くエコ環境その2

          傘を取り巻くエコ環境その1

          そもそもエコとはどういうことなのかという議論はどこまで行っても終わりがないものです。自動車のEVがエコなのかという問題に世界中が振り回され、結局お金が動くからエコと謳っているだけであることはなんとなく感じられます。小さいところではエコバッグの問題から、大きいところでは原子力発電所の問題まで、さまざまなところに不確定要素が詰まったエコというキーワードが出てくるわけです。 なので、この問題はまだいろいろと定まっていないと考えられますから、今までのように定義づけをするのは、今回難

          傘を取り巻くエコ環境その1

          傘の家庭内在庫

          前回の話で年間輸入量の話を書きましたが、そもそも日本の家庭にはたくさんの傘在庫が眠っていると言われています。その数、一人当たり4本という話ですから、新規に作られる1億本のほかに、ざっくり5億本ほどの傘の在庫があるという感じでしょうか。 こちらに関しては中古の8割が使い捨てビニール傘だとしても、2割の1億本は使い捨てではない傘ということになります。これらに関しては中古とは言え1年以上使い続けることが可能なものがほとんどであると推定できますから、新規の1億本以外にこちらも1~2

          傘の家庭内在庫

          もし万が一、中国という傘の生産拠点がなくなったら

          傘の生産地は、部品製造の事を考えると99%中国であると前回書いたわけですが、これだと困ることがあります。そうです。もしこの生産拠点に何らかの事態が生じて傘をつくることが出来なくなったら大変そうですよね。 もし万が一、中国の傘部品製造がストップしたら一体どうなるのでしょう? 結論から言えば、日本としては2年ぐらいの間はこの問題が大きくなることはないしょう。 もしかしたらもっと長い間、問題なく過ごすことが可能かも知れません。 というのも、ご存じのように一年間に日本に輸入され

          もし万が一、中国という傘の生産拠点がなくなったら

          傘の生産地

          傘の部品の生産地は現在主に中国なのですが、傘生地の生産地は日本を含め色々な場所であり、中国が全てというわけではありません。ちなみに、生地の生産地が傘の生産地になることは非常に多く、日本製という傘はほとんどが日本の生地を使って作られています。 骨やその他パーツは中国で作られたものを日本に輸入して、日本の傘生産者が検品して使っている場合がほとんどです。つまるところ日本の傘が故障しにくいのは、日本人が少量でも丹念に検品しているからであって、部品が日本製だから故障しにくいわけではな

          傘の生産地

          自転車に傘を取り付ける装置

          そもそもの自転車の構造から考えていくと、自転車に傘を取り付けるのはまずいという事が分かるはずではあると思うのですが、未だに危険な道具を自転車に取り付ける人がいるとのことなので一応書いておこうと思います。 自転車が倒れないのは、進んでいる自転車が倒れそうになると前輪の軸が内側に回転し、車輪が曲がることで倒れる方向から復帰する方向に力が移動するから(重心が安定するから)です。そして、人間が両手でハンドルを握ってある程度のスピードで漕いでいるときに最も安定するように設計されていま

          自転車に傘を取り付ける装置

          Wジャンプの骨

          そもそもWジャンプなどという言葉を一般の人は知らない可能性が高いのですが、一応業界では「折畳傘のうちワンタッチで傘が展開し、中棒が伸び、もう一度別アクションをすると傘が閉じるが中棒は戻らないもの」 をWジャンプと呼びます。 言葉とは違い2回ジャンプするわけではなく、ダブルアクションがあるジャンプ傘という事でWジャンプの呼称が業界に定着したのだと私たちなりには理解しています。 ちなみに別の言葉で「自動開閉」という呼び方でこの傘を表現している場合もありますが、一般の方だけでなく

          Wジャンプの骨

          ジャンプ傘の骨

          そもそも一般的な言葉としてはジャンプ傘と言うよりもワンタッチ傘と呼ぶ方がしっくりとくる方も多いかもしれません。傘の業界ではボタン一つで傘が開くタイプの傘をジャンプ傘、その骨をジャンプ骨と称します。 ちなみに、手で開くものはそのまま手開きの傘、手開きの骨と言います。 さて、このジャンプという種類の傘は長傘に用いられ、低価格帯と高価格帯以外の中価格帯の傘の骨として多く用いられています。というのも、低価格帯ですとジャンプ機能を付けることで数百円高くなるために使われないケースが多

          ジャンプ傘の骨

          洋傘の手元

          二連続で話をしてきた洋傘の危険部位というものは要するに傘生地を展開運用したときに出来る傘の出っ張り部分です。傘生地はヨットに帆を張るように複数枚の三角片が張られる形で出来ており、その頂点に露先と石突があります。しかし、それ以外にも傘にはもう一か所、出っ張りの部分があります。中棒から石突とは反対側になる部分、展開した傘を操って雨風日光を効率よく防ぐために持ちやすくしている部分、それが手元です。 言葉の示す通り、手元は傘を持った時に人間の一番近くに来る部品ですから、この部分が危

          洋傘の手元

          傘の危険と言われる部分(石突)

          実のところ前回話を書いた露先に比べて石突による人体に対する危険性は少ないのかも知れません。傘を閉じたときに一番危険な部分に見える石突ですが、実際にこれが人間に刺さったというケースはあまり多くありません。 もちろん意図的にこれでさす人がいる場合は別なのですが、基本的には地面のマンホールのふたに刺さったり、自転車のホイールの隙間に刺さったりすることはあっても、人間に害を加えたというケースはまれです。 意図的なケースは子供同士の遊びで発生する可能性があるため、学童用の傘の石突は非

          傘の危険と言われる部分(石突)

          傘の嫌がられる部分(露先)

          基本的にデジタル情報として製品の良くない部分は扱うべきではないという考え方がメディアでは一般的であるという事は承知していますが、個々ではそのような忖度なしの話も書いていこうかなと思います。 さて、傘と言う製品は人々を雨風から守る良い製品であるとは考えていますが、石突と露先だけはちょっと異論のあるパーツだと思われていると思います。要するに傘にも攻撃性が高い部分もあるのだという事です。 実際に市中で日傘を使われる事を嫌う人々の中には、露先が目に入りそうになった経験があるから日

          傘の嫌がられる部分(露先)