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『さらざんまい(上)(下)』読書感想。

アニメさらざんまいの書き下ろしノベライズ。
好きなアニメだったので、アニメの映像を思い出しながら楽しむ感じで読んでいった。
トリッキーなお話だから仕方ないのだけれど、小説から入ると分かりづらいだろうなーという箇所がちょこちょこある。
アニメと合わせて楽しむと良い小説だと思う。

それぞれ人に言えない悩みを抱えた一稀、燕太、悠の中2男子3人組が河童に変身し、意識を共有することによって、お互いの知られたくない秘密を共有していく。
拒絶と共感。
それぞれの“つながりたいのにつながれない″という思いが、最終的に〝それでもつながろうとすることを諦めない″という所まで到達する。
わかり合いたいという欲望を失った時、人は人であることを諦めてしまうから。

河童やBL、尻の穴など、強烈なモチーフにより巻き起こされる混沌の中、灯台に灯りとして確実にそこにある永久不変の真理。

幾原邦彦作品はどれも好きだけど、さらざんまいは輪るピングドラムの次に好きな作品。

アニメを見返すより、ノベライズの方がささっと読み返しができて、あのときの感動を思い返せるかな。

おすすめです。

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