かし

ゆるゆるオタク大学院生です。 日常で思ったことや趣味についてとっても語ります。 イラス…

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ゆるゆるオタク大学院生です。 日常で思ったことや趣味についてとっても語ります。 イラストは自前です。 感想、思ったこと、コメントなどくださると喜びます。

マガジン

  • 文学に関するエンタメ語り

    文学を原作とした映画、ドラマ、諸々のエンタメについて大きな声でこそこそ語ります

  • 暇な大学生の思考たち

    エッセイです。記憶と思考のメモです。

  • 私の本棚で文豪は生きる

    好きな作家についてオタクがとっても語ったシリーズをまとめているものです。 近代文学多めです。

最近の記事

映画「蜜のあわれ」の芥川が忘れられないんや……

ごきげんよう。 映画「蜜のあわれ」について語らせろください。 例のごとく、これだけ語ってネタバレはほぼない。ほんと奇妙だよな。安心しな。 室生犀星の小説「蜜のあわれ」を原作とした映画だ。 (個人的には室生犀星の他の作品の香りもするが。) これの目玉は高良健吾が演じる芥川だ。 ほんとうにとんでもない。いいかげんにしてほしい。好き。 室生犀星の晩年の葛藤や機微を元に描いたといわれる本小説。 室生犀星がどちらかというと大器晩成型であったこと、先に評価された芥川とは作

    • ゆるゆる大学院生の「電車で『何読んでいるんですか』と話しかけられた話」

      ごきげんよう。久しぶりですね。 私は気がついたら大学院生になり元気でやっています。 あなたも元気なら、何より。 先日電車で本を読んでいたら声をかけられた。 「何を読んでいるんですか」 とおどおどと声をかけてきた男性は自分よりおそらくいくらか年下の大学生のようだった。 自分はその時、久生十蘭の「あなたも私も」を読んでいた。 「昔の本が好きなんですか」 と彼の声色が嬉しそうに変わった。 そこから彼はひたすら文学について話しだした。 彼はぼそぼそと話すやつで何とも聞き取りづらく

      • 暇な大学生の「睡眠は短い死である」

        (このエッセイは、1年半ほど前の自粛期間に書いたもので現在書いたものではないのですが、 当時の気持ちの記録として投稿をします。 こんなに陰鬱としていたんですねえ、私。) 睡眠は短い死であるとよく言う。 コロナ自粛に伴いそれを痛感している。 友人とLINEをしていて共通の感覚が「毎日がつまらない」「将来へのぼんやりとした不安」。バイトもない。遊びにもいけない。そもそもそんな金ももうない。将来は大金持ちになってやると思っても就職さえも危うい。気晴らしのゼミもない。授業もない。

        • 暇な大学生の「母がくれたブラジャーの話」

          少し前に実家に帰省した際に、母が「あげる」といって私にブラジャーをいくつかくれた。 デザインが特段若いわけでもなく、母らしいシンプルかつ着けごこちの良さそうなものばかり。 しかし今の母には合わないのだ。 母は去年、乳ガンになった。幸い早期に発見することができたが、右の乳房を全て摘出した。 「元々胸があるほうじゃないから変わらないわよ」 「あなたたちをもう育てたから役目は果たしたの」 と病気がわかってから母はたびたび言っていた。 私はただ「そうね」としか言えなかった。

        映画「蜜のあわれ」の芥川が忘れられないんや……

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        記事

          暇な大学生の「読書好きマイノリティ」

          私は読書が好きです。 まあ自己紹介などでもよく聞く。 実際私も使う。 しかし私は大概「趣味は読書」という人に自分から「私も読書が好きなんです!!」と話しかけることはまずない。 それは、なぜか。 私の読書好きはおそらく少数派だからだ。 ここから話すことは完全に様々な意見があるだろう。 それを踏まえて私の話をきいてくれ。 怒っているのではなく、悲しんでいるんだ。 まず読書好きという人の多くは現代小説が好きな人が多い。わかりやすく言えば村上春樹だとか、東野圭吾だとか、住野よ

          暇な大学生の「読書好きマイノリティ」

          暇な大学生の「読書と妹」

          私は本屋にいくと判断力はなくなるわ気は大きくなるわで財布が滅びかねないため迂闊に行かないようにしている。 しかし先日、本を読まない妹が珍しく本屋に寄ろうというので寄ってしまい、早々に私は2冊手にとって買うことを決めた。まったく阿呆である。一方、現在中学生である我が妹は本をほとんど読まない。私と妹の読書量を足して2で割れば最も勤勉で最適な量になるだろう。妹は本を読まなすぎるため不勉強であるし私は本に傾倒しすぎて他が不勉強である。姉妹というものはアンバランスだ。 本屋での妹はただ

          暇な大学生の「読書と妹」

          暇だし雨月物語「菊花の約」読も。

          こんにちは。みなさまいかがお過ごしでしょう。この前「御法度」を見て大騒ぎした私でございます。 「御法度」の最後の辺りで雨月物語の「菊花の約(ちぎり)」について話すシーンがあった。そのときなんだか気になる点があり久しぶりに雨月物語を読み直した。それでもわからんのだ。 「軽薄の人」って何のこと? 「菊花の約」を簡潔に書くとこう 導入:軽薄の人と交わりを結ぶべからず 左門という質素で控えめな学者がいた 近所の人「死にそうな人助けたんだけど感染とかこわいしどうしよ」 左門「

          暇だし雨月物語「菊花の約」読も。

          「御法度」の松田龍平はやばい。

          安心してくれ、これだけ書いているのに大したネタバレはない。ただ外観的な要素を語っているだけだ。存分に見てくれ。 たまたまテレビで松田龍平のデビューについて触れていて、そのデビュー作である「御法度」のポスターが表示されたときに「なんて綺麗な絵なんだ」と思った。気になって調べてみると話もかなりおもしろそう。しかもどの画像も美しい。これは見たい!と思い深夜の1時にレンタルして見た。 どんな話か簡単に話すと新撰組内に加納惣三郎という美男子が加入したことで隊内で様々なことが起こると

          「御法度」の松田龍平はやばい。

          織田作之助はいいぞ!!!

          事前にいう。私の中のオタクが抑えられず今回は少し長くなった。頑張ってくれ。 皆さん織田作之助をご存知か。 ご存知ない方はそのまま読み続け、ご存知の方はこれを読んでニヤニヤしてくれ。 織田作之助はいいぞ!!!! 織田作之助は簡単にいうと大阪出身生粋の関西人小説家のスーパーナイスなお兄さん。代表作は「夫婦善哉」。私のおすすめは「競馬」「ひとりすまう」。 織田作之助は太宰治や坂口安吾らと並んで「無頼派」と呼ばれて当時人気のあった作家なのだが今や太宰や安吾に比べて知名度がな

          織田作之助はいいぞ!!!

          尾崎紅葉、お前さては天才か?

          まずこの文章を読むためのお約束だ。 「金色」とでたら「こんじき」と読め。 「きんいろ」と読んだやつから蹴り払ってやる。 覚悟しい。 尾崎紅葉というと「金色夜叉」だ。 ご存知だろうか。熱海に銅像があったりなんかする。 どんな話かというと金にとらわれた男とそいつにフラれた元祖メンヘラの話だ。え、自分の話かと思った?あらやだそんなことまで聞いてないわよもう。 大変面白い話なのだが残念ながら未完の作品だ。 完成させていると見せているが、実際は作者が病の悪化で無理矢理ああやって終わ

          尾崎紅葉、お前さては天才か?

          暇な大学生の「死と人生」

          最近死に関するものを目にする機会が多い。ドラマで私と年齢の近い登場人物があと3年の命を言い渡されたり、好きな作家が書いた小説の半数は死ぬまでの1年半の間に書かれたものであったり、その作家が病を患ったのも今の私ほどの年齢であったり。 ドラマの登場人物は、自分に残された年数を知り、本当は何年後でもいいから達成したいと思っていたことに向かって、今から取り組むことを決めていた。(ちなみにドラマとはスカーレット) 実際私も今、あと3年などと言われたらきっと自分の中にある話を全部書き

          暇な大学生の「死と人生」