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心静まるものと心躍るもの

先日、九州国立博物館に「オークラコレクション」を見に行った。
展示の目玉、横山大観の「夜桜」は文句なく見事だったが、それ以外の展示品のどれもが素晴らしく一度しか行けなかったのは残念だ。

見に行く数日前、気持ちが落ち込むような出来事があって憂鬱な気分だったが、展示してある作品を見ているといつの間にか心が静まっていた。
絵画でも彫刻でも工芸でも、素晴らしいものを見ると心が静まって落ち着くということはこれまでにもあった。
作品のモチーフか静かだからということではなく、例えば荒々しい仁王像であろうと、金ぴかの派手な屏風であろうと「すごいな」「美しいな」と思うものを見ると、世界にその作品とその作品と対峙している自分だけが存在しているような感覚におそわれる。

これがテレビドラマやアニメやマンガだと、楽しさや喜びで心踊る。
これは芸術と娯楽の違いなんだろうかと思う。
そこの区別は私のような鑑賞する側にいる人間にはあまり関係なくてどちらも必要だし重要だが、片方ばかり接するよりは鑑賞する側の気持ちの違いを感じられるよう両方接していたいと思う。

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