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【詩】冬陽

よりあざやかに
よりまぶしく
凍えた風を 突きぬけて
木々のみどりも 川面のたいらも
あかい実りも あせた枯れ木も
はるかな放射に 剥き出しで
かがやく海に 沈んでいる

浴びせかける 光のつぶて
雲を滾らせ ながめを揺らし
休みない 烈しい波動に
あらがうもなく 背中をやいて
風のはざ間で ざわめきたつ

歓喜も悲哀も もろともに
照らし出された 大地のほとり
果てなく 切なく交錯する
ひなたとひかげの 水ぎわで
裏腹に まばゆく刻んだ輪郭が
是非もなく 見上げている

©2024  Hiroshi Kasumi

お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。