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尺八吹きの羅漢さま☆川越喜多院へ

日本三大羅漢の一つと言われる川越の喜多院にある五百羅漢の中に、尺八を吹いている羅漢さまがおられるとのこと。

塚本虚堂集『古典尺八及び三曲に関する小論集』に「珍しい石造の羅漢尺八吹奏像」として昭和46年の記事が掲載されています。

尺八研究家の神田可遊師に案内していただきました。


川越は小江戸と呼ばれ、江戸の情緒を今に残し、古き良き街並みがある観光客でいつでも賑わっている街。西武新宿線、JR線、東武東上線と三つの路線があり、大変便利です。


まずは、川越喜多院の南側にある、

仙波せんば東照宮

徳川初代将軍家康公を祀る、日本三大東照宮のひとつである神社。寛永17年に完成した現在の社殿の本殿は国指定重要文化財である。


三つ葉葵の御紋が眩しい...。



そのすぐ南側に、

川越大師 喜多院


創建は、僧侶として尺八を日本にもたらしたあの慈覚大師円仁です。
詳しくはこちら↓


まずは、
三代将軍徳川家光公誕生の間・春日局化粧の間を拝観。

入口です。
ここから本堂の中へお参りもできます。


中庭。
建物内は撮影禁止。


境内にある多宝塔


だるま販売所



そしてメインイベント、

市指定史跡 五百羅漢


羅漢(らかん)とは?

阿羅漢。略称して羅漢という。漢訳は応供おうぐ。尊敬や施しを受けるに相応しい聖者という意味です。


神田可遊師のご案内


わりとあっさり、見つかりました笑

塚本虚堂師曰く、

一寸京都の旧の明暗寺本尊であった虚竹禅師吹嘯像を彷彿させる所もあるが、坐奏の格好、衣のヒダの工合、それに吹奏の慈顔、実に名作で、全く見飽きのせない名作である、或はこの像の作者に尺八の心得があった故かも知れない。

塚本虚堂集『古典尺八及び三曲に関する小論集』


確かに、本当に今にも音色が聞えそうな。

尺八の上部が破損して、修復部分がありますが、これは上記の記事が書かれた昭和46年の富森虚山師が撮影した時から、補修されているようです。ちょっと破損が進んでいるようですが。

天明2年(1782)から文政8年(1825)の約50年間にわたり建立されたものということで、約200年前から尺八ずっと吹きつづけてる羅漢さまがここにいると思うと愛おしいですね。

神田師と羅漢さまの前で「調子」を献奏させていただきました。

羅漢さま、お疲れさまです。


そして、
尺八だけじゃない、


鐸を振る普化禅師の羅漢さま!

躍動感すごい。

この羅漢さま造った人、絶対普化禅師をモデルにしてる〜!



そんなわけで、

神田師と一緒に楽器を持っている羅漢さま探し。


太鼓
こちらも太鼓。楽しそう。




左が妙鉢(シンバルのようなもの)
右も何か叩いているっぽい。



魚鼓(ぎょく)

魚の形に木を彫って作った板。禅寺などで、時刻の合図などにたたいたもの。


木魚(かな?)


梵鐘

重そう…。


拍子木

宗派によっては、音木(おんぎ・おぎ)戒尺(かいしゃく)、激柝(げき)と呼ばれるそうです。

舞台で使うものだと思っておりました...。


叩く系の楽器多しです。

楽器というよりはお寺にある音のする道具が大半ですね。

ということは、吹奏楽器は尺八のみ。
貴重な尺八を吹く羅漢さまにお会いすることができました🙏



では、ここらで一杯🍶

おっとっと


ぐ〜〜〜💤

一休み一休み...。

いろんな羅漢さんに癒やされました🙏


参考文献
塚本虚堂集『古典尺八及び三曲に関する小論集』



古典本曲普及の為に、日々尺八史探究と地道な虚無僧活動をしております。サポートしていただけたら嬉しいです🙇