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【13】モロアキドミチ (商人の道)97~104首

モロアキドミチ(諸商人道)

目にはみえない直観のコトワリ(物理)であるが

すべての物質に正反の端があるように、すべてのものには天候や環境の違いによって、充分に足りている状態と不足の状態の場所がある。
このように正反の状態がおこると、その両端の間には循環が繰り返しおこるようになる。それによって求めるものと望むものが存在するところに流れが生じる。これが商人と呼ばれる人の知るべき道であり、正反対向発生の天然の現測と同じ相似象である。
物の多い地と少ない地があった場合、それを交換するのが一番無駄無理がない。その流れを読み、時期を計り一番良い時期に交換することが好ましい。

終わりのない食料の求めに応じる商いをするには、山野で狩ってくるもの(鳥や獣や山菜など)耕作によって田で育成するもの(こくもつ、果物野さいなど)と海からの狩りもの(魚貝海草)などがある。
その他食料以外には、制作材料や加工築造の材料や暮らしに使うもの(日常生活の衣服、用具等)があるが、それらはすべて生産や消耗の循環であり交換されるのが一番物としての効率がよい。

それ以外にはまた、人間の感性によって流行と変遷のあるものもある。
どんどん新しく生れてくる品々は、人の心によって姿形をかえることが頻繁にあり、使う時期にも限界があり、同じものがずっと売れ続けるわけではないので、商人はその根本存在予測を知って商うのが道である。

そして食材以外を商うときは、耐久性を確かめ、品傷みのものを除き、お客様の好みにあったものを多量に寄せ集め、常に備えておく必要がある。
また人の世のあらゆるもの(八百万)は、共に支え合うことによって成りたっている。

そのように需要と供給を考えてみると、他のものからその品がどれだけ頼られているかに基いて作られる事すなわち価値である。
この原理原則が本来の商人の道であり、宇宙の心の正反対向発生の天然則と同じ相似象である。ここに心をとめ誠実な商いをする限り、目にはみえないコトワリ(物理)であるが、人間の生活を幸せにする天然則に従った相似象の道に従ったものである。
そして商人として生産ではなく流通によって人からの頼り、すなわち信用を培うためには需要者と供給者の両方の要求に奉仕する心をもって睦み(親和)をますます増加させることを忘(わす)れず八重(多くの人に)奉仕することが本来の商人の道であり、天然則の基本である。

註 この文献によってカムナガラの道を読み解くと、すでに交換経済があり商いが行われていたことは明らかである。またそのころ、新がたあたり宝飾品が北海道で出土することなどから、美意識もしっかりしていて、より美しいものを作り求める社会性が6000年前氷河期もすでに終了しているが、重要な産物が海をわたって交換されていたことを立証される。さまざまなものがあることから、航海技術も相当に発達していたと想像される。

第97首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【アマネフタハシ】     

すべてのものに
  アマネ

正反2つのはしがあるように
      フタ ハシ

【ミチタリヌ】       

すべてのものは充足した状態と
       ミチ

不足な状態がある
タリヌ


【アオアカヤコト】     

正  反  の極限の間には循環が
アカ アオ  ヤ

繰り返し起こる
コト


【マギナガレ】       

それによって希求(求め望む)の
       マギ

流れが生じる
ナガレ

【モロアキドミチ】     

諸々の商人の 知るべき道である
モロアキド     ミチ

【ムカヒナリ】       

正反対向発生の
ムカヒ

天然則と同じ相似象である
ナリ


第98首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【オオチスクナチ】     

物の多い地と 少ない地との
  オオチ  スクナチ


【トコロカヘ】       

交換(所を変える)であり
トコロカヘ

【ナガレシホドキ】     

流れの 潮 時期を
ナガレ シホドキ

【ハカリカヘ】       

計り  交換する ことである
ハカリ カヘ


【モロアキドミチ】     

諸々の商人の 知るべき道である
モロアキド     ミチ

【ムカヒナリ】       

正反対向発生の
 ムカヒ

天然則と同じ相似象である
ナリ


第99首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ


【ハテヌハミシロ】     

終わりのない 食料の求めに応じる
ハテヌ   ハミ

商いには
シロ


【ヤカリモノ】       

山野で狩ってくるもの
ヤ カリ   モノ

(鳥や獣、山菜など)

【タガラモノ】       

田からのもの(穀物、果物、野菜など)
タガラ モノ

【ウカリモノ】       

海からの狩りのもの(魚、貝、海草など)
ウ   カリ モノ

【モロアキドミチ】     

諸々の商人はこれを交換するのが
モロアキド

道である
ミチ


【ムカヒナリ】       

正反対向発生の
ムカヒ

天然則と同じ相似象である
ナリ


第100首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【ツクリツキシロ】     

製作材料や 加工築造の材料や
ツクリ    ツキシロ

【クラシモノ】       

暮らしに使うもの
クラシ   モノ
(日常生活の衣服、用具など)は

【マワリテメグル】     

生産と消耗の循環であり
マワリテメグル


【ウツリモノ】       

変遷(移る)しなければならない
ウツリ

ものであり
モノ


【モロアキドミチ】     

諸々の商人の 商売の対象物であるのが
モロアキド

道である
ミチ

【ムカヒナリ】       

正反対向発生の
ムカヒ

天然則と同じ相似象である
ナリ


第101首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【ハヤリウツリミ】     

流行  変遷のある
ハヤリ ウツリミ

【アラタモノ】       

新 生 品 は
アラタモノ

【カクレカギリミ】     

姿を消す 限界のあるものであり
カクレ  カギリミ


【ウツロモノ】       

空虚な ものである
ウツロ モノ

【モロアキドミチ】     

諸々の商人はそれを知って商うのが
モロアキド

道である
ミチ

【ムカヒナリ】       

正反対向発生の
  ムカヒ

天然則と同じ相似象である
ナリ


第102首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【タタヘタシカメ】     

耐久性を 確かめ
タタヘ  タシカメ

【クダレノケ】       

品傷みのものを 除き
クダレ     ノケ

【コノミサワヨセ】     

客の好みに合ったものを 多量に
  コノミ       サワ

寄せ集め
ヨセ


【ツネソナヘ】       

常に 備えておく必要がある
ツネ ソナヘ

【モロアキドミチ】     

これは諸々の商人の
モロアキド

知っておくべき道である
                    ミチ

【ムカヒナリ】       

正反対向発生の
  ムカヒ

天然則と同じ相似象である
ナリ



第103首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ


【ヒトヨヤホロツ】     

人間社会(人の世)の
ヒトヨ

あらゆる(八百万)ものは
          ヤホロツ

【トモササエ】
共に ささえ合うことによって 
トモ ササエ

成り立っている


【アタイサツカリ】     

値段は 他から与えられるものであり
アタイ    サツカリ

【タヨリサチ】       

他からの頼りに基づく 幸である
    タヨリ    サチ


【モロアキドミチ】     

これが諸々の商人の道であり
モロアキド   ミチ

【ムカヒナリ】       

正反対向発生の
  ムカヒ

天然則と同じ相似象である
ナリ


第104首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【タヨリツチカヒ】     

頼りを 培うためには
タヨリ ツチカヒ

【マギツカヘ】       

需要者と供給者両方の要求に
   マギ

奉仕して
ツカヘ

【ムツミイヤマヒ】     

睦み(親和)をますます
ムツミ     イヤ

増加させることを忘れず
マヒ


【ヤヘツカヘ】       

八重に(多くに) 奉仕することが
ヤヘ       ツカヘ

【モロアキドミチ】     

諸々の商人の道であり
モロアキド ミチ

【ムカヒナリ】       

正反対向発生の
  ムカヒ

天然則と同じ相似象である
ナリ




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