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シンスプリントを徹底理解!

今回は過去のシンスプリントの記事をもとに、シンスプリントを評価から治療、筋膜的アプローチまで一気通貫で解説します!

マラソン大会も増えてきて、シンスプリントで悩む方が増える時期なので、今回のnoteが参考になれば嬉しいです!

シンスプリントとは

■疼痛
運動時,運動後に脛骨中1/3〜下1/3の内側縁に疼痛を生じる疾患である。

動作時痛だけでなく、圧痛があるのも特徴。
■有病率
下腿のスポーツ障害で最も多く、ランナーやダンサーに多い。
特に中長距離選手に多いとされていて、最近僕が見た症例は中長距離の陸上選手だけでなく
100mハードル
アイススケート
バレリーナ
などが様々な競技の選手を施術しました。
■類似疾患

このラインより上のエリアが無料で表示されます。
シンスプリントの類似疾患としては、下腿コンパートメント症候群疲労骨折がある。

下腿コンパートメント症候群は、筋区画内の内圧上昇によりしびれや疼痛が出現する疾患である。
コンパートメント症候群は、運動を止めると症状が軽減、消失することが多く、安静時に圧痛がないのが特徴。
シンスプリントと疲労骨折は疼痛部位が似ているが、シンスプリントは圧痛が比較的広範囲(最低でも5cm以上)なのに対して、疲労骨折は2〜3cmに限局される。
圧痛のみで鑑別することは難しく,正確な鑑別には画像診断が必要となる。

疲労骨折をシンスプリントと判断してしまった場合、難渋するだけでなくスポーツ復帰も大きく遅れることがあるため注意が必要です。

自費整体では個々の判別がかなり難しいです。
来店時に経過が長い場合で、病院未受診(接骨院のみ)の場合は、MRIが撮れる病院への受診を進めています。

シンスプリントは脛骨中1/3〜下1/3の内側縁に疼痛を生じる

類似疾患として下腿コンパートメント症候群や疲労骨折

シンスプリントの原因

シンスプリントの発症メカニズムは、①筋腱の牽引損傷によるものと、②脛骨への曲げ(捻じれの)応力が加わるものの2つがあり、後足部のマルアライメントとの関与もある。
■筋腱の牽引損傷
後足部回内タイプでは①筋腱の牽引ストレスが生じやすい。
回内接地に伴う内側縦アーチの低下を防ぐために、後脛骨筋やヒラメ筋が過剰収縮することで骨膜へ牽引が加わり筋・骨膜性の疼痛が生じます。

後脛骨筋の他にも、ヒラメ筋の内側線維は足関節内がえし(回外)作用が強いため、ヒラメ筋の柔軟性の低下があると、足関節外返し(回内)で付着部に大きな牽引力が加わるとも言われてています。
■脛骨への捻じれの応力

後足部回外タイプでは②の脛骨への捻じれ応力が生じやすい。

回外接地によって下腿は外旋します。
大腿部が内旋すると、それに伴い脛骨上部が内旋し、それに伴い脛骨に捻じれ(外捻)のストレスが加わります。

後足部回外タイプのシンスプリントは、捻転ストレスによる限局的な圧痛を認めることが多い印象です。

シンスプリントの原因は2パターンあり①後足部回内による筋腱の牽引ストレス、②後足部回外タイプによる脛骨の捻転ストレス

シンスプリントのステージ分類

ステージ分類を伝えておくと、選手と治療の進捗具体を共有できるのでおすすめです。
■Walsh分類
StageⅠ:運動後にのみ痛み
StageⅡ:運動中に痛みがあるが,パフォーマンスに影響はない
StageⅢ:運動中に痛みがあり,パフォーマンスが低下する
StageⅣ:安静時にも,慢性的な持続する痛み

またFranklynらは下記のように分類している
■Franklyn分類
TypeⅠ:脛骨前内側の疼痛で骨の微細損傷によるもの
TypeⅡ:主として下腿後方筋群の深部筋膜から下腿後内側縁を起始とする筋の疼痛と張り
TypeⅢ:TypeⅠとⅡが組み合わさった,中長距離ランナーに生じるものや骨の未熟や低い骨密度によるもの

臨床ではWalsh分類が使いやすい

シンスプリントの評価3選

シンスプリントの疼痛は圧痛と、動作時痛に分けて評価します。
①圧痛の評価
シンスプリントの圧痛は、回内タイプと回外タイプで異なります。
大雑把にいうと
■回内タイプ 脛骨内側面に広範囲に疼痛
■回外タイプ 脛骨内側面の限局的

▼回内タイプのシンスプリントの疼痛の範囲

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