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【脊椎圧迫骨折】油断するな!脊椎圧迫骨折の評価3選

脊椎圧迫骨折とは

脊椎圧迫骨折とは、椎体に軸方法の圧縮力が加わることで圧潰変型が生じる骨折です。

脊椎圧迫骨折は急性疼痛や続発する姿勢変化などによる慢性疼痛、遅発性神経障害による筋力低下などを引き起こすため、日常生活活動(ADL)能力や生活の質(QOL)を低下させます。

また、骨粗鬆症を有する高齢者は極めて軽微な外力で脊椎圧迫骨折を生じることがあり、超高齢化社会に突入した我が国での脊椎圧迫骨折の有病者数は増加の一途を辿っています

。好発部位は、胸腰椎移行部であり、急性期の典型的な特徴としては体動時の激しい激痛、骨折椎体突起に一致した強い叩打痛などが挙げられます。

しかし、明らかな症状はなく、本人も自覚していないこともあるので注意が必要です。

外来や自由診療場面でも既往歴や治療中などで遭遇することがあると思います。
過去のこういった障害が現在の痛みにつながっている人も多くいるので、しっかりと病態を理解した上で対応にあたられた方が患者様も安心できますよね。

こういった過去のものを軽視せずに全力で患者の治療を行うセラピストになりたいと思っている方がこのnoteを読んでいると思うので、しっかりインプットしていきましょう!


それでは、本編を続けます。


脊椎圧迫骨折の予後

的確な保存療法が行われれば予後は比較的良好とされていますが、少しずつ椎体の圧潰変形が進み、遷延治癒偽関節、脊柱後弯による慢性腰背部痛遅発性神経障害が生じる場合もあります。

疼痛や姿勢異常の遺残はADLやQOLを低下させるため、脊椎圧迫骨折は要支援・要介護状態を招く主な疾患の一つとなっています。
また、高度な脊柱後弯変形内臓機能を低下させたり、生命予後にも負の影響を与えると言われています。

よって、疼痛が改善すれば可能な限り早期から身体活動を促して長期臥床を避けることが推奨されています。
一方で、損傷自体の安定性確保に努め、脊柱後弯変形を抑制する必要があります。

保存療法が行われた骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折患者において、6ヶ月を経過しても骨癒合が得られない症例が13〜20%存在するという報告があります。
別の報告では、3ヶ月で骨癒合が62.5%と報告されていますが、逆に言えば37.5%は骨癒合していないということを意味します。
また、圧潰の進行に関しては36.6%と報告されていますが、判定基準や椎体損傷の分類にも左右されるため、ばらつきも大きいです。
偽関節も13.9%に生じたと言われており、保存療法では留意する必要があります。
なので、現場的にはリスクとしてはあり得るものと思って対応するのが望ましいと思います。


脊椎圧迫骨折の疫学

有病率は、男性3.2~26.3%女性9.5~19.6%と報告されています。
ばらつきはありますが、一致しているのは高齢になるにつれて有病率は高いと言われています。

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