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ブラック会社と派遣で経験を積む

次こそ就職したい。

バイト一年したし、次こそ就職したい。
希望を持って、求人誌を見たり、職安にも行ってみるものの、なかなかみつからない。

面接にいっても、
「アルバイトやってたんですね」
で、終わり、なかなか進まない。

一年も短いととられたのかもしれない。

そんな中、職安でみつけた印刷会社の求人。
行ってみたら、こちらもすぐに採用が決まった。
こんなに早く??とちょっと気味が悪い気もしたくらい。

入って見たら感じた違和感

社員10人くらいだっただろうか。

入社して入ってみたら、印刷機があるし、スキャナーも大きなものがある。私がアルバイトでいっていた印刷会社の部署とは違う本格的だった。

しかし、ここも暗い会社で、みなさん覇気がない。

偶然、知っている方が会社にいらっしゃったので、少し話をしたら
「ここは、辞めた方がいい」
と言われた。

他の社員さんに声を掛けて、
「何かすることありませんか?」
とたずねても、仕事がない。

手持無沙汰で、本当に困った。何もすることもなく、ぼけーっと
パソコンの前にいるだけ。

トイレに入ったら、
「紙は〇センチまで」
と書いてあった。
そんな細かいことまで?決められてしまうの?とぞっとした。

この会社なんかおかしい。
と気になり、社長と話そうと話をしにいった。

「お仕事もないようですし、辞めたい。」
と正直に言ったら、、、

「女の子は結婚して辞めるもんだ。うちの社員の中から適当に結婚したらいい。」

絶句。。。
仕事できるか、会社の役に立つ人材か?判断して選んだんじゃない。
ただ若い女の子だから。
そんな気持ちで選んでたんだ。

昔の価値観のおじさんだったわけで。
いまなら、きっとモラハラとか言われるだろう。

あまりにもむかついたので、お金も何も請求もせず、そのまま辞めて。
すぐに職安へいって話してきた。

職安側としては注意をうながすくらいで特に何もできないとのこと。
労働基準局へ行った方がいい案があるかも。
といわれ、労働基準局に行ってきた。

「数日で辞めたんでしょ?じゃいいんじゃない?」

というようなことを言われてここでもショック。
私は、もう辞めたからいいけど今後そこに就職した女子たちがまた同じ目にあうじゃないか。
何人も被害が出たらと思って相談に行ってるのに。

その後も説明を受けたけど社員で証拠を集め、何人かで団結しないと難しいらしい。(うろ覚えだし、20年近く前の話なので法律も変わっているかも)

自分のことは自分で決めて動かないといけない。
そのことを思い知った出来事だった。

もっと職務経験を積む派遣へ

その後も仕事を探してみたけれどやはり、社員はなかなか見つからない。
お金もつきてきたし、とにかく働いて、デザインの職歴を増やすことが早い気がしてきた。

そこで、派遣社員を探してみることにした。

派遣会社はさまざまあった。CMで流れている有名な会社もいったし、クリエイティブ職専門とうたっている派遣会社も行った。
しかし、なかなか仕事が来ない。

待っててもだめだ。
派遣登録した会社に仕事はないですか?と電話営業を開始。
数回、電話してたら、登録した一社から仕事の紹介があった。

当時の派遣の時給は1350円程度。
交通費込みだった。

数日で完了の単発派遣業務へ

紹介されていったのは、地図を作っている会社。
地図専用ソフトを使って作っているそうで、私がするのは川の地図を専用ソフトでトレースする仕事だった。

illustratorほどの精巧なものではなく、点をポツポツと打って線をひいていく。ベジェ曲線はひけず、点を数打つ仕事で、最初は緊張していたけど数時間で飽きてきた。
これを毎日仕事としている人を尊敬するやと思いながら、最初の契約3日間で仕事終了。

その次もたまたま、仕事があるよとご紹介いただき、印刷会社へ3か月働きに行った。

はじめての1000ページ規模のカタログ

次の派遣は三人同じ派遣会社から行った。

派遣先での仕事は工具ねじのカタログ。1000P以上あるものだった。
もちろんそれをとりまとめるのは、出向先の印刷会社の社員さん。
40歳超えた女性の方で当時隆盛をほこっていたQuarkXPressを使ってほしいとの要望だった。

QuarkXPressは、高いソフトだったしページ数が多いものに使うソフトだったので私も経験なし。一緒に派遣された1人も経験なし。

3人中2人が使えないなんて!と目を丸くして驚かれた。
一瞬悩まれていたけれど、
しかたない、illustratorでいきましょう。という話になった。


一緒に作るためにルールを明確にすることの大切さ

そこで、社員さんがルールをillustrator用に書き起こしてくれた。

カタログに使う写真は印刷会社の写真担当部署の方が色補正、切り抜きを全部してくれる。
ページに、配置だけを私たちがする。

見出しフォントのサイズ、フォント、行送り、スペースは何mm
まとめるパターン
罫線の太さ、長さ、間隔、色など。

ねじ部品カタログだから、数字等の表も多くて、表を作るのもQuarkなら楽にできるらしいのだけれど、illustratorは線、文字と別で作って行かないといけない。
どうしたら早くできるか。
それも書面にまとめて私達派遣にレクチャーして下さった。

1人でやってると気づかなかったけど厳密に細かく数値で決めておかないと
その人の判断にゆだねられて、まとまるとバラバラしたものができあがる。

おかげで、表も早く作れるようになり、写真以外の文字要素を毎日ひたすら組んでいった。1日多くて10ページくらいだっただろうか。
数字やきいたことない専門用語の羅列の入力は神経を使い、毎日疲れ切った。

3か月行ってまだ、全ページは終わらなかったのだけども予算の兼ね合いで私たちは期間満了で終わった。
派遣でいると関わった仕事も最後まで見ることが出来ないんだ。
派遣のデメリットを感じて、悲しくなった。

↑ こんな感じのカタログ作りでした。
今も使われているのか、どうなんだろう。

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