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週刊KENNY中国通信12月3日第7号


ども、KENNYです。Youtube始めました。まだご覧になってない方は是非ご覧ください。また、高評価とチャンネル登録もお願いします。

▼目次
0:34 久保田さんってどんなことされてる方なの?
3:08 中国の大学生に人気な企業とは?
8:52 中国の大学生が企業に求めているものとは?
15:53 中国の日系企業が求める人材とは?
22:56 日系企業が採るべき人材採用戦略とは?
31:59 日系企業への応援メッセージ

▼お知らせ
久保田さんが講師を務めるセミナーが12月13日に行われます。
上海在住のビジネスマンの方は是非参加をご検討ください。
《職場で使い回せる「問題発見・解決力向上」》
https://www.ciicshjp-hrm.com/jigyo_katsudo/salon/20211213salon_pr.html


▼久保田さんのNoteはこちら
https://note.com/emofac_kubota

▼今回のお話の元になったNoteはこちら
https://note.com/emofac_kubota/n/n74f2b0821fb7

▼久保田さんのTwitter
https://twitter.com/MEmofac


さあ、今週も内容盛りだくさんでいきますよ。

== 中国ニューストピックス
== 中国ビジネス
== 中国語トピック
== 今週のNOTE
== 舌尖上的中国美食(中国グルメ)
== Q&A
== 他


== 中国ニューストピックス


■80年前、日本は瀋陽に高規格の地下鉄網を作ろうとしていた=中国メディア
https://news.biglobe.ne.jp/international/1129/scn_211129_3613105814.html

==Kennyの一言
竣工から6年で開通予定だったというのもなかなかのスピード感。

■パジャマで子どもを迎える中国の母親、化粧までする日本の母親
https://news.biglobe.ne.jp/international/1128/scn_211128_0445874922.html

==Kennyの一言
言いたいことは分かるのだが、日本の場合は化粧が濃すぎるし、場合によっては親同士のマウントの取り合いとかもあってそれはそれでどうなんだと考えてしまう。流石にパジャマはあり得ないと思うが。

■テスラが上海工場の生産能力拡大、最大214億円投じ—中国メディア
https://news.biglobe.ne.jp/international/1128/rec_211128_2169053223.html

==Kennyの一言
凄いな。本気で中国市場で生き残るために全力尽くしてる感ある。

■野村周平 母は中国出身 「中国の血が入ってることをすごい誇りに思ってる」
https://news.yahoo.co.jp/articles/577c06a8fb19de6519eb0fb1cae66af47c89e005

==Kennyの一言
うちの子供達も彼のように胸を張って「メイドインチャイナ」であることを誇りに思ってもらいたい。

■分かったぞ! 日本人が信号を無視しない理由=中国報道
https://news.biglobe.ne.jp/international/1128/scn_211128_4088030401.html

==Kennyの一言
「みんなで渡れば恐くない」はパワーワード。

■環境保護と言いながら、なぜ自動車始動用バッテリーの環境問題に注目しないのか—中国メディア
https://news.biglobe.ne.jp/international/1129/rec_211129_1606844202.html

==Kennyの一言
消費者は結構知っていると思うけどな。

■中国ピンドゥオドゥオ、第3四半期売上予想下回る 研究開発強化へ
https://nordot.app/837833539475685376?c=110564226228225532

==Kennyの一言
基本安物買い(子供用のおもちゃ)かフルーツを買うとかでしか使わないな。

■韶关丹霞机场通航,广东新增一民用机场
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_15596222

==Kennyの一言
韶关に空港か…どこまで需要あるのだろうか。

■一杯热咖啡值百万美元?老太惹出美国历史性大案
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_15580171

==Kennyの一言
如何にもアメリカな感じの訴訟事件。たかだか100円そこそこのコーヒーでやけどしたから100万ドルって…

■古書を再生して半世紀 中国の文化遺産を守る修復師
https://news.yahoo.co.jp/articles/006cbea641384ede88e7df808406e14949b94338

==Kennyの一言
素晴らしいな。

■上海市で出産・育児関連条例が改正、働く女性は最長で158日の休暇取得可能に—中国
https://news.biglobe.ne.jp/international/1129/rec_211129_7898657370.html

==Kennyの一言
働く女性にとっては朗報、会社にとってはひょえーという話か。

■中国小米、北京にEV工場建設へ 年間生産能力30万台=地元当局
https://nordot.app/837920769623916544?c=110564226228225532

==Kennyの一言
EV競争はどんどん過熱していくな。

■レジャー化水準トップ5はこの5都市—中国
https://news.biglobe.ne.jp/international/1130/rec_211130_8265687157.html

==Kennyの一言
旅行で行くならこの5都市の中ではダントツで重慶が面白いと思うな。あんな街はちょっと他では思いつかない。食べ物にいつも困るが(笑)

■日本が全世界から外国人の入国停止へ=中国ネット「イスラエルに続き日本まで」「中国もそうすべき」
https://news.biglobe.ne.jp/international/1129/rec_211129_2311108435.html

==Kennyの一言
今の所中国も居留許可証を持っている人間の再入国は可能なのだが、2020年3月末のように全面禁止となると厳しい。春節前後を境に完全鎖国とならないことを願う。

■世界級プロジェクトの金沙江拉哇水力発電所、水流のせき止めに成功—中国
https://news.biglobe.ne.jp/international/1130/rec_211130_7922370852.html

==Kennyの一言
色々なエネルギー開発プロジェクトがどんどん進む中国。この規模はすごい。

■冷え込み続ける40都市の賃貸市場、コロナ前より家賃低下が6割—中国
https://news.biglobe.ne.jp/international/1130/rec_211130_9518608564.html

==Kennyの一言
ハルビン、鄭州、大連、蘭州の冷え込みが激しく、低下幅が30%を超え、11月の家賃が約3年ぶり同期の最低を更新した9都市は、深セン、成都、仏山、寧波、天津、鄭州、蘭州、石家荘、太原だったとのこと。上海は下がってるイメージないな。

■韓国と比較することで見えた、「日本という国の強さ」=中国
https://news.biglobe.ne.jp/international/1201/scn_211201_2772235083.html

==Kennyの一言
「日韓はともに米国の影響力が大きく、正常な国とは言えない」いや、笑ったわ。

■日本人の防災用品は、知恵の塊だった=中国メディア
https://news.biglobe.ne.jp/international/1201/scn_211201_8961719865.html

==Kennyの一言
分析を改めて見ると日本の防災国家としての経験値が非常に高いなと思う。

■中国人同士でもバラバラ、団地ではいらだつこともあるけれど…多様性の鍵は「ゆるやかな共生」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211127-OYT1T50099/

==Kennyの一言
色々大変だなこりゃ。

■中国で大ヒットした姿勢補正ベルト「背背佳」 医療機器メーカーが買収
https://news.yahoo.co.jp/articles/be6a8cc0fb28ae61b28d78d371c35fb17985dc21

==Kennyの一言
負債だらけの会社買収して立て直すことが出来るか、経営手腕が問われる。

■ブランド名を供えるだけで巨万の利益 中国で広がる「貼牌」ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/9b18f8d270950aae9b07cff8c967929ea4af04fc

==Kennyの一言
「贴牌」ブランドと言うとあと漢方薬の「云南白药」も近年同じようなビジネスを展開している。今やなんでもやってるイメージ。

■世界で最も裕福な10人の「農民」、5人が中国人—ドイツメディア
https://news.biglobe.ne.jp/international/1202/rec_211202_2730068995.html

==Kennyの一言
へえ〜これは知らなかった。

■中国から日本に伝わったはずの「醤油」、味わいが全然違う理由=中国
https://news.biglobe.ne.jp/international/1202/scn_211202_3616344162.html

==Kennyの一言
私は中国と日本の醤油どちらも好きだが、日本の刺身醤油は本当に旨い。

■中国は本当に民主国家なのか?NZジャーナリストが解説—中国メディア
https://news.biglobe.ne.jp/international/1202/rec_211202_0724024532.html

==Kennyの一言
まあ、他国がどうのこうの言う必要はないわな。価値観を押し付けるのはよくない。

■噂の「中国製50万円EV」の秘密を徹底解剖、あの価格で販売できる“4つの理由”
https://www.sbbit.jp/article/cont1/74866

==Kennyの一言
最近確かに街中でもたまに見かけるようになったな。ただ事故があった時のことを考えると怖くて乗れない。

■中国新興EV「小鵬汽車」、22年にロボタクシー事業開拓へ
https://www.excite.co.jp/news/article/36kr_162534/

==Kennyの一言
小鵬のロゴは個人的にカッコいいと思っているのだが、中国では創業者の名前を企業名にするなんてダサいとか叩かれている(笑)

■《めてみみ》上海の空間体験
https://senken.co.jp/posts/mete-211201

==Kennyの一言
ここは一度行ってみないといけないな。


== 中国ビジネス


■日本人に迫る「中国」の脅威 岸田首相が会見で触れなかったキーワード「CBDC」と
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6f0ca897f375a6d4552b86c91d93050f77bf421?page=1

世の中の仕組みを根底から変革
デジタル人民元の利用を中国政府が積極的に推し進め、「人民元通貨圏」を作ろうとする可能性もある〈マネーの世界に大きな変化が起ころうとしている。われわれがこれまで日常的に用いていた日銀券や銀行の口座振替、あるいはクレジットカードや電子マネーが、「デジタル通貨」と呼ばれるものに変わる可能性がある。これが実現すれば、日常の買い物も、遠隔地への送金も、あるいはウエブサイトへの送金も、スマートフォンの操作だけで簡単にできるようになる。場合によっては、海外への送金も国内送金と同じように簡単にできる。これは、われわれの生活を便利にし、経済活動の生産性を大きく向上させる。それだけでなく、社会の基本構造を根底から変革することになるだろう。〉

これを読んで正直「デジタル人民元」の狙いはそこにあったのかと衝撃を受けた。なので即野口氏の著書を購入し勉強することにした。学んだ内容についてはまたNOTEにまとめたいと思う。

 野口氏が〈ただし、よいことばかりではない。場合によっては、銀行がなくなるほどの大きな変化が起こりうる。誰もがこの巨大な変化から逃れることはできない。〉と指摘するように、あることが当然と思っている「銀行」すらなくなる可能性があるのだ

私が一番衝撃を受けたのはここである。銀行すら存在理由がなくなってしまうということである。これがデジタル通貨の衝撃である。

〈仮に(外国企業にデジタル人民元の)無制限の取引を認めるとすると、国際的な決済に極めて大きな変化が起きる。例えば中国に輸出する日本企業は、代金をデジタル人民元で受け取ることができる。(中国の)四大銀行に口座を持たなくても、多額のデジタル人民元を使えるようになるのである。それは支払いに使える。それを受け取った企業も同様に使える。デジタル人民元には、国境がない。しかも、送金手数料もおそらくゼロに近い。さらに、面倒な手続きなしに、瞬時に送金が完了する。こうした特性は、現存する国際的送金手段に比べて明らかに優れている。そのため多大の影響を与えるだろう〉

中国はその準備を着々と進めている。もうすでに11都市に導入され、2022年の北京オリンピックでさらに脚光を浴びるかもしれない。これはかなり焦燥感に駆られる話ではないだろうか。日本政府も対応が後手後手にならないよう今後の対策を至急に採ってもらいたいものである。

■SDGsとリモートワーク、スタバが上海に実験店舗。「サードプレイス」の進化模索
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf997eae85ce5963d17f1d620d27ac6fb577391c

カフェの競争が激しい上海ではカフェが7,000軒以上にのぼるという。チェーン店であるスタバがカフェ内に一人用のデスクスペースと有料の会議スペースを備えた店舗をスタートさせている。

街中もさることながら、高鐵や空港でこういう店舗が増えると嬉しい。ラウンジに入れない人にとって格好の仕事場となるし、早めに駅や空港にいってPCを使いながら仕事が出来るというのは魅力的。

コーヒー自体ショップが異常なほど乱立している上海。テイクアウト・デリバリー方式のラッキン、MANNERから、スタバやTimsなどの店舗型、個人経営の小さくこじゃれたカフェなどカテゴリーはそれぞれ確立しつつあるが、競争が更に激化するのは間違いない。来年初頭にはブルーボトルが上海に上陸する。当面中国のコーヒー熱は下がりそうにない。


== 中国語トピック


▼お前には関係ねーよ

跟你没关系

中国では人がおしゃべりしているとおかまいなしに話に入ってくる人が一定数いる。これらの人は「爱凑热闹」なのだが、正直非常に煩わしい。なので、この一撃でこの野次馬野郎を撃退する時に使うのがこのフレーズである。え?冷たい?知らんがな。

▼翻訳で分かる一字一句の重み
https://note.com/seeyoutomorrow/n/neb26387ef8b3

中国語学習者にとっては非常に有益な話が書かれている。中国語を一字一句捉えることの重要性は何度も述べているが多くの人がそのことに気づいていない。是非熟読されるべし。



== 今週のNOTE


得到APPの得到头条115 为什么初创公司容易陷入利润纠纷?https://www.dedao.cn/courseArticle/Q8dpgOa54NZMVzm1r0KByzxkwYm2Rl

という記事の2番目に、今の中国ではショッピングモールはコロナ禍の影響もあり、新規出店が大幅減少もしくは、計画がかなり遅れているが、その中でも成功しているモールには理由があるという記事があった。それに関する考察が非常に面白いと思ったので、記事を紹介しつつ、解説していきたいと思う。

存量竞争时代,购物中心怎样才能打出自己的差异化优势呢?我们先把问题搁在这儿,来看一个例子。


淘汰されるスピードが非常に速い時代において、ショッピングモールはどのような差別化を行い優位性を打ち出すのか?という投げかけである。

你可能听说了,在今年十一期间,上海新开了一家超级购物中心——前滩太古里,总建筑面积达12万平方米,有16个足球场那么大。开业之前,有业内人士担心,觉得前滩太古里恐怕不会像北京、成都的太古里一样火爆。一来是因为前面说的存量竞争激烈,二来是因为前滩太古里在上海的位置相对较偏,不像北京、成都太古里那样位于城市的核心商圈。


ここでは、最近上海でオープンした「前滩太古里」というモールについて説明されている。あまりに広大な面積を誇る当モールについては開業前からロケーションの悪さや同業他社(他モール)との激しい生存競争等要因で業界内でも不安視する声があった。

结果没想到,前滩太古里开业之后火爆得不行,到处人山人海。更有意思的是,你要是去前滩太古里,最先注意到的,很可能不是俊男靓女,而是上海的大爷大妈们,上海话叫“阿姨爷叔们”。据说他们用截然不同的打开方式,把前滩太古里玩出了平行时空的新境界。

 
ただ、蓋を開けて見ると上海店は人でごった返すほど人気ぶりであったという。ところが、このモールで目を引くのはイケメン・美女ではなく、上海の年配の方々だという。

早上十点多,太古里户外广场上,已经聚集了来自上海各地的阿姨爷叔们。他们不是来购物的,而是来拍照打卡的。他们三五成群,寻找到有利地形后,开始轮流摆Pose。阿姨们笑得春光明媚,仪态万千,爷叔们鞍前马后帮着拎包拍照。到了中午,阿姨爷叔们就在室外的桌椅上,吃自带的午餐。下午是自由活动时间,两两组合,继续拍个性化照片,丰富朋友圈的九宫格。


彼らは朝10時にモールに集合すると、買い物をするわけでもなく、所謂「映える」スポットを探し、そこでポーズを取って写真撮影を行うのだという。お昼には持参の弁当を広げて皆で和気あいあいと食べ、午後は少人数のグループに分かれて引き続き写真撮影を行い、Wechatのモーメンツに写真を上げるのだという。

你发现没有,阿姨爷叔们看重的不是太古里的购物功能,而是在太古里的社交体验,把购物中心玩儿成了一日游景点。其实不只是他们,年轻人也一样。如果光是吃个饭、买个包,何必专门跑去购物中心?购物中心的核心功能,正在从购物转向社交;消费者正在从购物性消费转向社交性消费。


この事例からも分かるように、彼らはモールに買い物に来ているわけではなく、モールを一つの「社交空間」として活用しているのである。これは若い人達にも同じことが言えるという。モール自体がショッピングの場所から、社交的な活動を行う場所へと変遷しつつあると。

到这儿,我们就可以回答前面的问题了。在存量竞争时代,哪个购物中心能率先在优化顾客的社交体验上发力,谁就能够在竞争中占据先机。比如,如何设计拍照打卡点?如何引入更多高体验性的商业项目?如何高质量地策展?怎么组织持续的主题活动、创意活动?怎么满足年轻人的夜间社交需求?等等。


生き残りをかけた競争が激しい現在において、消費者に良い社交的な体験を提供することが出来るようなモールは競争を勝ち抜くことができるかもしれない。写真映えする場所をどのように設計してしかけるか?また体験型のショップであったりアトラクションなどをどのようにモールに誘致するのか?質の高いサービス、魅力的で真新しいイベントを継続的に行えるか?若者が求める夜の社交ニーズをどのように満たすことが出来るか?等々、考えるべきことはたくさんある。

個人的には、ここ数年で中国の都市は本当に変わったなと思うのが、若者が夜遅くまで友人達とお酒を飲み交わしてワイワイ騒ぎ、街中で酔っぱらってふらふら歩いて大声ではしゃいだり、道端に座ってお酒を飲んで歓談していたりすることが増えているのが目に見えて増えたことである。地下鉄の終電も少しずつであるが、時間が遅くなりつつあるし、節目の大型連休の時には夜12時を過ぎても地下鉄がダイヤ変更で走っていることもある。そういう意味では中国の都市の若者たちも日本の都市とかなり近づいてきた感はある。

甚至,购物中心的空间设计、场景设计和动线设计,也应该以社交逻辑而不是以购物逻辑来重新规划,为消费者打造一个更加丰富、更加有趣、更加人性化的“第三生活空间”


今後のモールの空間設計であったり、風景・景色、動線のしかけというものは、ショッピングを行う場として設計を考えるのではなく、「社交の場」としてのモールの角度から設計すべきで、モールを家と会社以外の第三の生活空間として消費者に場を提供するべきだという。

最近オープンし成功しているモールは全てこの傾向を押さえているなという感じは確かにする。現在多くのモールが閑古鳥が鳴いている状況は、ひとえに消費者に金を使わせる場所として設計されたところが多く、現状どこの都市のモールに行ってもどこも同じチェーン店のショップだらけで何一つ新鮮味がない。また、レストランやカフェなどの飲食店も魅力のあるもの、写真映えがするお店や体験型のショップなどを充実させないと人が来ないというのが中国の小売りの現状である。(それでも人が来ないところもある)今後は更にそれに加えて「社交の場」として消費者に場と体験を提供できるモールが生き残っていけるのかもしれない。

今日はここまで。じゃあの。

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これまでNOTEで色々中国にまつわることを書いてきたが、中国及び中国人を理解する上でこれを読めばおおよそ理解できるという本が2冊ある。中国ビジネスに関わる人々や配偶者が中国人の方は最低でもこの2冊を読んで頂きたい。

一つ目は、
「スッキリ中国論 スジの日本、量の中国」である。

下記NOTEをご参照頂きたい。
https://note.com/kathikun19901990/n/n9326efa1aee5

で、もう1冊が今回紹介する本で、
中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係 (中公新書)」である。

スッキリ中国論が、中国人の思考や行動がどういったものから来るのかを分析した本であったのに対し、この本は「中国と言う国は何を理想とし、何を追い求めているのか」を全体的な視点で分析した本である。つまり、国単位として中国を見た時、中国が何を考えているのかがより深く理解できるような本になっている。


目次
1.中国はわけのわからない存在ではない
2.習近平国家主席は正統派の指導者である
3.中国の世界観と帝国の喪失感


1.中国はわけのわからない存在ではない


この本の最初の方にいきなりでてくるフレーズだ。日本人からすれば隣国は摩訶不思議な国であり、何か胡散臭いというイメージがまとわりついてくるのだが、筆者は中国はそのような存在ではないという。逆にポイントを理解していれば非常に理解しやすい存在だとしている。

中国の息吹に触れることの多い隣国として、日本人が強く戸惑うのは、中国の指導者がある特定の決定を下したとき、中国でなぜそれが社会のおおきなうねりとなり、政府から距離のある人々までがなぜ主体的・積極的に参入していくのか理解できないから


2.習近平国家主席は正統派の指導者である


習近平国家主席が国家主席になる前、江沢民や胡錦涛の時代(特に後者)中国内でも統制がとれていないことがあり、対外的に無茶を行い反感を買い、諸外国との関係が大いに亀裂が入ったことが多々あった。

それを防ぐために習近平国家主席は自分に権力を集中させ、うまくコントロールを行うことでバランスをうまくとり、内外の情勢に対して上手に立ち回れるようにしたのである。

よく毛沢東と比べられる彼だが、ある意味では毛沢東と似たようなことをやっており長期独裁政権をもくろんでいるなど色々言われているが、正直彼が国家主席に就任してから中国という国がかなり「まともな」方向に向かって歩き出し、うまくまとまってきたということは否定できない。そういう意味では、彼は歴代のトップと比べてもかなり優秀な指導者であるということは言えるであろう。

ただ、問題は彼が国家主席から退いた後の「習近平後」である。彼の後は、恐らく相当大きな反動が来ると思われ、中国国内は一時混乱状態に陥るかもしれない。

3.中国の世界観と帝国の喪失感


筆者は、中国の全ての行動の原因をいわゆる中国が世界の中心だとする「中華思想」に求めるのはバランスに欠けると述べる。

強烈な被害者意識、力への信奉、現状に対する不満といった中国の志向性は、歴史的優越性から自動的に導き出されるものではない。
では、どういったものから彼らの行動は導き出されるのであろうか。筆者下記のように指摘する。

中国の世界観は、基本的に現状への恐怖で満ち溢れている。平和で安定した状態は現在ではなく、未来に達成される。この世界観は具体的には三つの要素で三つの要素で構成されている。第一に中華帝国への喪失感、第二に強烈なリアリズム、第三に中国共産党内の組織習慣である。
要は彼らは常に何かに怯え、その不安を解消するために行動し、その不安は未来には解消されると信じていることだ。

第一の中華帝国への喪失感は言うまでもないだろう。元々、東アジアにおいて圧倒的な存在感を放ち、自分達を頂点とする平和な国際的秩序が存在したことに非常に強いプライドをもっており、西側諸国のように近隣国のみならず遥か遠方の国までをも武力侵略したことがなく、中国の近隣国には常に徳をもって接していたと考えているのである。(これはある意味正しいのかもしれない)それゆえに、中国人からすれば、歴史的な影響という点において、元々あった国際秩序を劇的に失った喪失感がすごいのである。

中国にとって内政不干渉は絶対的原則であり、多くの中国人はかつての列強のような行動を諸外国に二度と許してはならない、と固く信じている。
中国は実は国境問題に関しては、

陸上国境を接する14カ国のうち、中国は12カ国とはすでに話し合いで国境問題を解決
している。意外に思われるかもしれないが、中国はこれまで係争地域における半分以上の面積を相手方に譲り、清王朝の最大版図の内340万km2を放棄しており、これは実にインドの面積を上回るのである。

基本中国は話し合いによる問題解決にかなり協力的で、CCTVで報道されるような「うん?本当か」と思うような報道と実はかなりリンクしているのである。ただし、例外はある。国内政治が不安定なときである。そういう時には概ね対外的に武力にまかせた策をとりやすい傾向はある。

中国は小国には大きな譲歩を行い、外交上の見方を増やそうとするが、自国への服従が期待できず、ライバルとみなす隣国には強硬な姿勢で臨む
これを読んで直ぐに思い浮かぶのはアメリカと我が国日本ではないだろうか(アメリカと親しい韓国も入るかもしれない)。ここは非常に大事なポイントである。

とはいえ、いわゆる「中華思想」で片づけがちな日本のメディアが報じる中国はやはり違うと言わざるを得ない。

中国は一般原則として、各国の主権を平等とする近代主権国家体制を受け入れ、それにかなり忠実である。中華思想が現代中国の対外行動の決定的な要因とは、とても言えない。
また、国際的に諸外国が中国を脅威と感じる理由の一つとなっている国防費の増加についてだが、中国人は概ね肯定している。

一般に中国人は権威には力による裏付けが不可欠と認識しており、だからこそ政府による国防費の急拡大を大多数が支持
つまり、国防費が増大しているのも他国を侵略する為ではなく、他国から舐められないように「権威による裏付け」の為であるという点である。

長くなりそうなので、また次のNOTEにて引き続き「中国の行動原理」についてみていきたい。今日はここまで。ぜぇーうぇー(上海語でさようなら)。


前回の話はこちら(1)
https://note.com/kathikun19901990/n/n7e9d88648476


目次
1.強烈なリアリズム
2.中国共産党の組織慣習
3.中国が目指す平和とはどんなものなのか?


1.強烈なリアリズム


中国語ではいわゆる「格局」というものがあるが、中国が特にこだわるのがこれである。言うなればパワーバランスをどう配置するのかということなのだが、西側の諸外国とはかなり違うところに重きが置かれるのが中国である。

国際関係論が理論的な普遍性を追求してきたのに対し、中国のリアリズムははるかに人間的な要素が強く、権謀術数の渦巻く場所として世界を描く傾向にある。
要はサバサバしている西側諸国と比べ、中国のそれは異様に人間臭いものであるということが言えよう。

また、歴史的な観点で中国と言う国を見ると、通史であったり正史には非常に偏った記述がされる傾向が強い。

中国では歴史は通常、勝者によって書かれるものであり、自分は善、敵は悪という前提が強調される傾向が強い。
これは、前回のNOTEにも書いた「常に不安におびえている」というところに通じるものでもあるが、要はいわゆる性悪説に基づいた他人(他国)への異常なほどの警戒心なのである。やるかやられるか、このような世界で生き抜いていく必要のある社会の為、「国」という存在自体が重層的で流動的であるが故に、自国内でも安心するような場所が存在しないのである。

つまり、このような国では、自国を脅かす敵国の存在が必要以上に気になり、その不安を解消するために備えをあつくする必要がある。そして、その脅威がなくなるまで(目の届く範囲内)不安は消えない。

中国人が欧米列強や日本などに食い物にされた苦い経験を重要視するのは、中国が国を閉ざし、内ばかりに注力するあまりに弱体化してしまった為だと考えていることは、中国が考えるリアリズムを理解する上では非常に重要だと考える。

これを理解していないと、何故諸外国から見て中国はそこまでそんな可能性が殆どないような問題に対して、莫大な資金と労力を投入し、ソト(海洋)からの脅威を警戒し続けているのか全く理解できないであろう。

2.中国共産党の組織慣習


他国が中国に対して発する外交メッセージなどを受けて中国のスポークスマンたちは直ちにその内容に対して憤激し、反論をするというのが中国のメディアでは普通に見られるが、そのニュースを見た国民たちが「いいぞいいぞ!祖国万歳!」とやっているのを我々外国人が見ていてピンと来ないことも多い。なぜそこまで躍起になって反論するのかと思ったこともある方もいらっしゃるだろう。ここで中国共産党にとって大事なことは、筆者が示す下記のようなものである。

国際的な圧力に耐えながら、人類の明るい未来のために戦っている中国共産党という英雄的イメージが、中国共産党の執政の維持には論理的に必要
人類の明るい未来のために、というのが重要である。中国という国のためだけに戦っていないということをアピールすることで、国民の支持を得ようとしている。実際にそれで支持を得ているのだから成功と言えば成功だろう。

ただ、実際問題彼らの「ロジック」には往々にして矛盾がはらむことがある。それを指摘されると烈火の如く怒り狂い強硬な手段を使ってでも中国はそんなことは絶対に許さないぞと。

中国人は、自分たちが持つ情報でうまく説明できない事象が生じると、それを他国の陰謀と解釈しがち
中国が他国の「陰謀」を主張するときには、国内に流れる情報の偏りに原因があることが多い。


3.中国が目指す平和とはどんなものなのか?


中国という国が「平和」を主張する際、それはどのようなものであり、どうすれば彼らの心の平安を得ることが出来るのだろうか。この著書では下記のように指摘されている。

かつての朝貢国があるくらいの領域から、「我」を脅かす勢力の除去を望んでいる。これは、中国が近年、制裁行動を打ち出した国の範囲ともほぼ重なる。
中国にとって、自国に対抗しうる勢力が、自国の「周辺」にプレゼンスを持つことは脅威と映る。それが除去されれば、中国にとっての平和は達成されたことになる。
これはまさに隣国である我が国と我が国の各地に点在する米軍基地がもろに当てはまる。つまり、

米国が中国の近隣国との同盟関係を解消して域内から手を引き、日本が弱体化し、ロシアやインドが台頭しないままでいるのが中国にとっての理想
ということになる。現状、台湾問題が絡み更に複雑化している近隣国の中国の周辺を「脅かす」存在が際立っており、彼らとしては居ても立っても居られないのである。故に、彼らはその脅威を除去する為に、あらゆる手段をもって対抗しようとしているのである。

但し、ここで彼らが忘れてはいけないのは、中国が考える中国にとっての「平和」が、今の世界で実現する可能性はまずないということである。ここが中国及び諸外国における決定的な溝となっており、埋まらない溝として存在し、中国脅威論が沸き上がっていることに彼らは気づいているのか気づいていないのか、もしくは気づいているが気づいていないふりをしているのかは正直分からない。

今日はここまで。ぜぇーうぇー(上海語でさようなら)



== 舌尖上的中国美食(中国グルメ)

▼玛利亚餐厅(上海市浙江中路)

久しぶりにウイグル料理(新彊菜)を食べに行ってきた。元々、隣の「貫貫吉」というお店に行く予定だったのだが、店内は酒の提供および持ち込みが宗教上の理由で禁止となっており、急遽お隣のマリアレストランに変更。

ここでは、新彊の地ビールである「乌苏啤酒」が4〜5種類程あり、羊肉串によく合うビールで非常に飲みやすかった。

ここのオーナーは日本に6年在住していたとのことで、非常に流ちょうで綺麗な日本語を話されたのに驚いた。近くにオフィスがある日本人のお客さんもよく来るようで、「日本人は麺が大好きだろ?お前達も絶対炒面,拌面頼んで食べるんだぞ」と推しが強かったので頼んでみたが、普通にうまかった。

店内のお客さんは6割ぐらいが新彊人という感じで、店員さんも殆どが新彊人。ほりの深い顔をした男性女性が多いので異国情緒感がたっぷりあって良い。

▼尚蒸燚蒸汽海鲜(上海仙霞路店)

お店の水槽から食べたいものを選び、蒸気で蒸して食べるお店。シャコ、貝類、アワビ、エビ何を食べても新鮮でおいしかった。特に基围虾と花蛤、最後に食べるお粥が海鮮の汁がたっぷり混ざって絶品だった。

▼Speak Low(上海市黄浦区复兴中路579号(近瑞金二路))

アジアナンバーワンバーという噂の(正確にはカクテルバー2016年1位のお店らしい)バー。一階の入り口は外からここがバーとは分からない外観になっており、中に入って店員にはなしかけて隠し扉の本棚を動かして入ることにある。

店内は外地から来たと思われる若者でごった返しており、狭い店内に所狭しと机と椅子が設けられていて、常に人でいっぱい。モヒートを飲ませてもらったが最近飲んだもののなかでは一番おいしかった。まあ、この手のバーは一度来たらもういいかなという感じ。

▼河南烩面(上海茅台路)

最近私の食堂と化している面館。お勧めは羊肉烩面(汤面/拌面),套餐(葱油拌面+羊肉汤)小でもかなり量が多いので食べきれないことも多々。羊のスープは化学調味料が使われていない感じでこれぞ羊という濃厚なスープが味わえる。


== Q&A

Q1. Youtube見ました!意外とイケメンですね。

A1. ありがとうございます。いや、意外ってどういう意味やねん。だが、それがいい。

Q2. 毎回情報量が非常に多いですが、どうやって時間を確保されているのですか。寝てますか?笑

A2. ありがとうございます。毎日決まった時間に決まったニュースサイトから送られてくる記事を読んで、面白いと思ったものをピックアップして毎日ちょこちょこ記事に追加しています。なので、大して時間は使ってません。ちなみに、毎日7時間は寝てます。

== 他

【お勧め記事】

▼中国の炎上案件を振り返ろう
https://note.com/stwtcpld/n/nf9a3bb6e43f7

▼何度も「やってみせ、言って聞かせて」も、できない人はいる
https://note.com/reigukou/n/n538e36d89d78

ここまでやり方を示せば分かるだろうというバイアスにかかっている自分に気づいてないことは誰にでも起こる話。自分も注意しよう。

▼江蘇省の再生可能エネルギー消費量が1,000憶kWhを突破
https://note.com/osschina/n/ndffb763dbe52

▼「ニッポン塾」で日本語・日本文化に触れる
https://note.com/yuki_c08/n/n76ed98966d38

これはすごい…お母さま方の涙ぐましい努力によって、日中ハーフの子供が血が日本語環境に少しでも触れてもらう機会を作られているのである。素晴らしいの一言。

▼中国、上がり続ける「市民」としてのハードル、そして「共同富裕」
https://note.com/stwtcpld/n/nb6696f291848

中国はなんだかんだ言って政府も民ももがき続けながら解を求め続けている。

▼聖地巡礼記チベットへゆく⑭時を超え 秘密の寺の事を考える
https://note.com/kenichipanda/n/n592066b2a139

けんいちさんの紀行文は本当に読んでいて引き込まれる。チベットに興味が全くない私であったが、彼の紀行文を読んでから行ってみたい場所の一つとなった。

▼日本帰国しましたー!
https://note.com/keiji_ueda/n/ne0647570ef51

ああ、上田さん帰国されたのか。。また中国に来られる日を楽しみにしています。

▼経営者が情報発信するときの10のヒント
https://note.com/take/n/n6bccb810cc36

竹村さんのNOTEは毎回非常に勉強になる。

▼「危機感」をいくら煽っても、怖がらない人には刺さらない
https://note.com/reigukou/n/n1aa55ffcfdcb

▼原油価格の高騰はなぜ起きる❓
https://note.com/rm_sasaki/n/n2036e01431f5

▼上海の越境ECの保税倉庫へ行ってきました!
https://note.com/kembo_china/n/na3a29bcfcfea

▼中国人ビジネスマンはなぜ名刺を交換しないのか
https://note.com/jpcntanken/n/n8862cc97fada

▼外国語を習得するとは別の視点を持つことだと思う理由
https://note.com/kumate2/n/n8af21c0e278e

▼「外国語ができてなんか意味あんの?」について考えたことの記録
https://note.com/stwtcpld/n/n005955e7f63e



【最近買った本】
▼『中国古典「一日一話」———世界が学んだ人生の参考書』著者守屋洋。人間学の真髄に迫った言葉を取り出してわかりやすい解説
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00GMAT4EK/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00GMAT4EK&linkCode=as2&tag=nunoism-22&linkId=159554e4265fabd1703765b1b49c2c3f


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