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中国茶大全集(中国茶の全てを置いてきた)


お茶の起源


日本でも私たちは何も考えずにお茶を飲みますよね。
我々が飲むのって大抵コンビニで売ってる、ペットボトルに入った烏龍茶だったり、緑茶だったり、夏はスーパーで買ってきた麦茶をやかんで沸かして冷やして飲んだりします。

少し考えていただきたいのですが、
そもそもお茶の起源ってどこだと思いますか?

意外と知らない方が多いのですが、中国ですね。

中国の四川だと言われています。

考古学的考証はされていないのですが、伝承では「神農」が茶道の始祖とされています。

その神農が書いたとされる書物《神農本草経》の中で、百種類の草を食べてみたら、72回あたったとあり、それを解消するためにお茶を薬として服用したとあります。つまり、元々お茶というのは飲むものではなく、食べる服用するといった方が良いものだったわけです。

なんでもそうなのですが、古代の人々は自身で色々食べてみることで、食べれるものなのかそうでないものなのかを身をもって調べていたんですね。

唐代の有名なお茶師「陸羽」(茶聖:お茶の神様と呼ばれてます)も《神農食経》という書物にお茶を服用すると、スッキリする効果があると書いてあり、茶道の起源は神農にありと記述しています。

神農という人が実際に存在したのかは考古学的考証がなされていないので、なんとも言えませんが、ただ実際にお茶を飲むのではなく、解毒の薬として服用し始めた人がかつて存在したというのは紛れもない事実でしょう。

ちなみに、神農氏が生きた時代というのは夏王朝以前の母系社会から父系社会への変革時期にあたり、彼がお茶の始祖だとするとお茶の歴史自体が5,000年ほど前から始まっていることになります。すごい話ですね。


神農


また、現代では「茶」という字が使われていますが、古代中国では「荼」(現代中国語でtúと発音)という漢字が使われていました。

「荼」というのは苦いものという意味で、これをもって解毒したことから薬用で使われるものだったということが伺えます。「荼」以外では「苦荼」とも呼ばれておりまさに苦いものそのものになりますね。

*現在お茶に含まれる成分は500種類はあると言われています。

では、いつから「茶」という文字が使われるようになったのでしょうか。7世紀の唐の時代(中国では時代的に中唐と呼ぶ)になってやっと「荼」ではなく、「茶」が使われるようになったと言われています。


お茶の各国での呼び方「C」か「T」で分かる伝播経路


まず最初に、お茶がどのような呼ばれ方をしているのかみてみましょう。

【古代中国語「古漢語」の音、Cで始まるいわゆるチャ(イ)と発音する地域】

日本語:cha
中国語(マンダリン):cha
広東語:cha
朝鮮語(韓国語): cha
ポルトガル語:chá
タイ語:ชา chā
ベトナム語:chè
ネパール語:ciyā
ヒンディー語・トルコ語:cha(i)
モンゴル語:chai
バルト三国:chai
ロシア:chai

これらの発音をする国や地域は基本中国から陸路でお茶が伝わった地域です。シルクロードなどはまさにそうですね。日本は陸路ではないですが、朝鮮半島から伝わってきたことからチャの発音になっているのではと推測されます。

【閩南語の「テェー」由来となるTで発音する地域】

元々、古代中国では漢字で「茶」と書かずに、「荼」(と)という漢字が用いられていたことは上述の通りです。「荼」というのは、本来キク科の野草を指す言葉ですが、漢王朝の時代に現在のお茶を意味する「茶」が使われるようになり、喫茶習慣が劇的に広まった唐王朝の時代に「茶」が広く使われるようになったと言われています。(但し、庶民も広くお茶を飲むようになるのは明王朝以降で、古代では皇帝や貴族、社会の支配層などの上流階級の嗜好品でした)

コラム:喫茶?

上記で喫茶と書きましたが、これ実は現代の中国語の各地にある方言にも残る言い方として残っています。喫は食べる・飲む・吸うの意味で使われており、上海(qie)・江蘇省(qie)・浙江省(qie)・湖南(qia)・江西(qia)などで使われています(なのでこの発音をする地方の人は、標準語で喋る時に、吃烟とか吃茶とか言ってしまう時があります)。喫茶というのはお茶を飲むという意味なんですね。まさか日本でこの言い方が残ってるとは(笑)閩南語なんかもjiaと発音しますが、呉語方言と福建の土着言語が融合してできた言葉なので、本来は江蘇省の音と近かったのではないかと思われます。

Tで始まる言葉で発音される地域というのは、主に中国の福建省から海路で伝わった地域とされています。ざっと見ただけでも西ヨーロッパが多いイメージです。

イギリス・アメリカ等英語圏:Tea
閩南語:Tehウーロン茶は「オーリョンテェー」と発音します
スペイン語:tè
フランス語:thé
イタリア語:tè
オランダ語:thee
ドイツ語:tee
インドネシア語・マレー語:teh

先にも述べたように、中国はお茶の木(樹)を発見し、それを利用することでお茶を飲み物として育て上げました。お茶の栽培方法や製造方法は中国から世界各地へ直接もしくは間接的に伝わっていきました。

日本にお茶が伝わったのは平安時代(805 年頃)に僧である最澄が中国からお茶を持ち帰り滋賀で植えて育てたことが始まりです。その後朝鮮半島、インド、スリランカにお茶の樹や栽培、製造方法ともに伝わっていきました。ヨーロッパにはあくまで製品として輸出されていきました。

*栄西は、当時の鎌倉幕府3代将軍の源実朝に、自身が栽培したお茶と著作《喫茶養生記》という本を献上しており、覚醒作用だとか、身体にどんな良い効果があるかなどが書かれています。ほら、喫茶って書いてるでしょ?


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