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#10 台南あちこち散歩

一人旅ではよく歩く。
たぶん、誰かが一緒に歩くとしたら嫌がられるくらい、よく歩く。

歩く理由は、まあ、交通費がかからないというのもあるけれど、それはどちらかというとサブ的要素。

そもそも歩くって、旅の移動手段としては最強だと思っている。

自分のペースで進んで、気になったらすぐに立ち止まれる。
自転車やバイクのように置き場や盗難を気にすることもなく、自分の体を気になるところにさっと連れていける。

行動範囲は限られるけど、その分、乗り物で移動したときには見えない光景に出会える。

近所で話すおばちゃんたちの会話のトーンや笑い声、路地裏で気持ちよさそうに昼寝しているおじさん、物陰からこちらをじっと観察してくる子どもや猫の視線。

それに、ペースが遅いからこそ、乗り物を使うよりキョロキョロ周りを見ながら歩みを進めることができる。

効率よく観光地を巡りたいなら、電車やタクシーを使うのが圧倒的に最適解だと思うけど、私が一人旅で求めるのはそういうんじゃないから。

だから私は、ひたすら歩いて、その土地を巡る。

この歩道はかなり綺麗な方

台湾はある程度の都市部では、大きめの通りにある歩道には屋根がついている。
雨や台風が多い時期があるのに加え、台南では特に暑さがしんどい。
日傘をさしていたって、日陰に入ればひんやりと心地が良かった。

ただし、めちゃくちゃ凸凹で、とても整備されているとは言えないのが現状で、さらにバイクの駐車場も兼ねているので歩くスペースがほとんど無いことも。

人懐っこくはないけど、怖がりもせずカメラ目線

猫と出会って、立ち止まって交流できるのも、歩きならでは。

南の植物があちこちに

路地に入って、お店や民家の前に並べられている鉢植えを眺めるのも一人旅の醍醐味。

お花、というより、植物が好き。
日本でも、よく手入れされた鉢植えや庭木があると気になって、可能な限り、怪しくない程度に眺めてしまう。

私はお世話できるタイプの人間ではないと信じ切っているので、手を掛けられる人たちに対する憧れと尊敬もあるのかな。
台南は暖かいから、あちこちで大好きなプルメリアが見られて幸せだった。

見れば見るほどわからなくなる

偶然見つけた壁アート。
古い建物にペイントしたのかと思いきや、よくみると、レンガが後付けされているようにも見える。
いや、むしろレンガがもともとの建物だろうか?

どこが古い部分なんだろう?もしくはそう見せるアートなのか?正体(というべきかはわからないけど)が気になって、路上でしばらく観察してしまった。

古いけど、しっかり手入れされていて綺麗

台鉄の台南駅。高速鉄道の駅とはうってかわって、レトロな雰囲気。屋根のアーチが可愛い。

でも、現在改修工事中。
本当は外から見た駅舎もレトロで美しいのだけど、シートに覆われて見えず。

おそらくこのホームも新しく生まれ変わるはず。きっと見納め。
惜しいような気もするけど、暮らす人たちにとっては嬉しいことなんだろうね。そういうものだよね。

街中に突如現れる。どれもとても美しい。

これは台湾全土で見られるのだけど、廟(びょう)といわれる日本のお寺や神社のような建物が街のあちこちにある。

どうやら廟は、仏教などの宗教とはまた異なる位置にあり、民間信仰的な部類になるらしい。日本でいうお地蔵さん的な立ち位置なんだろうか?
噂によると街中だけでなく、オフィスビルなどの建物の中にもあるらしい。

そして、見かけるどの廟にも必ずというほどお線香があがっていて、煙をくゆらせている。
バイクで立ち寄って、参拝だけしていく人もよく見かけた。

台湾人の信仰深さを垣間見る。

美味しくて2日連続行った食堂

台湾では、歩道にテーブル席が設置してあるのはかなり普通のこと。
店の中を人が通っているのか、歩道で堂々と食事をしているのか。

でも、歩行者も食事している人も互いを特に気にしない。

私としては、歩道を歩きながら横目で食事客が何を食べているかを見て、食べるお店を決める参考にできていたので楽しかった。

迷い込んだ感がすごい

路地裏を適当に歩いていると行き着いたチャイナシューズ屋さん。
なにかで、わざわざここに靴を買いに来る人がいるというのを見たことがあったけど、これはかなりわかりにくそうな立地だなあ。

私は絶望的にチャイナシューズが似合わないので買わないけど、遠目で見てもとっても可愛かった。この色使い、ザ・チャイナだよなあ~。可愛い。

ロボット感が可愛すぎる

公共施設や大きなショッピングモールなどには、無料の給水スポットがあってめちゃくちゃ便利だということは以前書いたけど、台南ではさらに有料の販売機があちこちに見られた。
台湾一周したけど、印象としては台南が一番多く目に入ったなあ。

デザインはさまざまだけど、その違いを見て歩くだけでも面白かった。

そして、実際に多くの人がタンクを持って水を買いにきていた。
蛇口から飲める水が出るって、本当にありがたいことだよなあと改めて実感する。

飲食店は、歩道を食事スペースに利用していると言ったけど、調理や仕込みも歩道、なんならさらに飛び出し道路脇でしていることも珍しくない。

歩道を歩いていると、丸鶏が中華包丁でダンッダンッと切り分けられたり、足元に野菜がたくさん入ったカゴが並んでいたり。
気を遣いながら歩くのは歩行者の方。

たまに、野菜などを洗ったボウルの水を店内から道路にバッシャーと捨てる人もいるので、運悪くぶっかけられないよう、お気をつけください。笑

猪…飼料…?何屋さんだろう…

台南は、台湾の京都とも言われる古都だけあって、街中ではモダンとレトロがあちこちに見つけられる。
あえてレトロを意識したようなデザインも多い。

また、照明の使い方も、スポット的なものが好まれている印象。
全開のネオンとは異なる明るすぎないデザインも、街全体をふんわりと見せていて、夜は特におとぎ話のような雰囲気を感じられる場所も多い。

歩いていて本当に楽しい街だった。



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