Art Outbound Digest 2023 April / ピックアップ・アーティスト「古吉弘」
古吉弘 Hiroshi Furuyoshi
学位 京都芸術短大
1959年、広島市出身
展示会歴不明(CV未整備による)
公式サイト
今回は非常に面白い人を見つけてきました。
画壇系の画家さんです。作風はフォトリアリズムと言って良いかな。そのちょっと手前くらいの塩梅ですかね。
なんでこの方をご紹介するのか。
理由は一つ。
画壇系なのにアウトバウンドで大成功しているからです。
いやほんと。最初はなんかのチート技でアウトバウンド成功に見せかけているだけなのかなと思って、わりと念入りに裏を取りました。
この段階でほとんどのケースは見抜けます。私はね。あーこれは貸画廊使っただけだなとか、アンブッシュマーケティングでメジャーな固有名詞に便乗しやがったなとか、バックにいるスポンサーが値段吊り上げて落札したなとか。
(誰のことかわかってもコメント欄に書くんじゃないぞ)
日本画や画壇洋画で外国で売れたとかNYやロンドンで個展やったってのは例外無くそんなやつだったんで、古吉弘もそうじゃないかと思ったら、違った。
このオークションリザルツ見てください。
去年の3月にサザビーズのNYで開催されたセール「コンテンポラリー・ディスカバリーズ」で出た作品が35280USD。500万円弱。
画壇洋画がNYで500万円? ありえねー。
例えば安井曾太郎のオークションリザルツ。
まず、外国のオークションにかからない。国内で売れても500万円なんてつかない。
梅原龍三郎。
2020年7月にサザビーズ香港に出たけど不落札。
2018年のクリスティーズ香港では1件が不落札。もう1件が13638USD相当での落札。150万円ちょっとか? 2016年5月のクリスティーズ香港でやっとそれらしいお値段出ましたね。25万香港ドル。430万円くらい? しかし梅原龍三郎、香港では不落札の嵐っすね。2000年にクリスティーズNYで16万ドル、2000万円くらい? で売れてますが。
でもこの価格帯って現代アートの若手でもメガギャラリーに所属しているような人だとあっさり越えていく線で、お、来たかとなるのはミリオンダラー、1億3000万円。その辺りからですから。
画壇洋画というのはそういうもんです。世界の中ではローカル文化で、そこまで値が付くもんじゃあない。
なのに、この古吉さん、2014年から2018年にかけて、クリスティーズロンドンで1000万円級の値段で落札されてるんですよ。一番値段ついたのがこの2016年の「アデレード」という作品。£80,500。1300万円?
すげえ。
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