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あなたの虹はどんな虹? 発達障害グレーゾーン

「虹の7色って、なに色って、全部知ってる?」



娘が、学校で聞いてきたらしいです。

赤、青、黄色、と、その間の、橙、緑、紫。

私は、その6色しか答えられませんでした。

⭐⭐⭐


 よく聴くラジオ番組にレギュラー出演されている漫才師さん、漫才の時は流暢なのに、フリートークや初見の原稿を読む時に必ずと言っていいほど『噛む』方がおられます。

 番組ではその、『噛む』のが当たり前になっていて、他の出演者の愛のある?突っ込みで、楽しい笑いに仕上がっています。

リスナーも、その方が『噛む』のを期待して、『カミ様』のしゃべりを楽しみにしています。
 ちょっと間違えたらイジメの原因になりかねない『滑舌の悪さ』を、ちゃんと楽しい『笑い』に持っていける関西風の合理的配慮には、回りの人たちの理解というか、『愛』が必要なのかもしれません。
 
 また、関西出身の人気フリーアナウンサーで、『スキップがぎこちない』方が、おられます。
 でも、その方のクレバーなしゃべりと『スキップがぎこちない』どんくささのギャップが親しみを呼んで、その方の『スキップ』は、その方にとって大変プラスに作用しています。
 

 滑舌が悪い、スキップができない、落ち着きがない、片付けができない、忘れ物が多い、蝶結びができない、友達ができない、学校へ行けない…

 『発達障害』とか『グレーゾーン』をよく耳にするようになりました。

 曖昧だから と枠組み、ゾーン分けしてしまうのはとても日本的で、『』のラベルを貼って分けても、呼ばれる方たちにとってプラスは無いでしょう。

 『障害者枠』と健常者の境界線が、検査等によって色濃く引かれている現実がありますので、少しでもその境界線を滲ませて、なにがしかの支援を得るには 仕方ないことなのかもしれませんが、


 白➡️グレー➡️黒

の グラデーションも、そのうち複雑な『階層』ができてしまうような気がします。


 現実における大きな問題として『障害者枠』に入っていないと『グレー』なだけでは、まともな合理的配慮や支援がなかなか受けられない状況があります。

 例えば、教育現場では、療育手帳等の手形が有ると無いとでは大違い、まだ障がいが有るのかもわからない段階や、そんな手形が受けられなかった場合の、支援や配慮を受けるに至るまでの道のりは暗澹としています。

 教員経験の長い方でさえ

『合理的配慮』とは、検査、診断を受けて『障害者』と認められた子に対してだけ行うもの

と認識している方も多いようです。

⭐⭐⭐


 保護者(お母さん)が、

 なんかうちの子だけ違う、手がかかる、どしたらエエねん?
問題児? 誰に相談したら?
どうすればエエんやろ?…


みたいな時期で一番不安な頃、なのに 

 オレの子が障害者なんてありえん!
 お前の血筋ちゃう?


とかいう夫がいたり

 親の教育が悪いんちゃう?

とか言う姑がいたり

 発達障害?根性が曲がっとんのとちゃう?

とか言う舅がいたり

 放っといたら、なんとかなるんちゃう?

 なんていう近所のおばさんもいたりして、

でも、そんな中でも

やっぱり診断受けさせてあげんと、アカンのとちゃうやろか?…

なんて思いに至って、やっとの思いで検査申し込んでも何ヵ月も待たなアカンって言われて、

 そうこうしてるうちに、担任の先生からは毎日のように苦情の電話かかってくるし、当の本人は、

学校行きたいねんけど、行ことすると、しんどなんねん…

なんて訳のわからんこと言い出すし、家では荒れるし…

で、ようやっと、スクールカウンセラーと名乗る人がやって来て…

なんて頃にはもう、本人だけでなくて、お母さんのメンタルはボロボロ…

(注・フィクションです)

というような悲惨な現実が、ゴロゴロしてそうです。


⭐⭐⭐

 とにかく『障害者』のレッテルが貼られているかどうか?が最も重要視されていて、

本来は、

それぞれにどんな支援や配慮が必要か?

ということの方が重要なはずなのに、


それは『障害』か?

何という名の『障害』なんや?

ASD? ADHD? LD?…


 診断して、名付けて、区別して、別枠へ入れようと、やっきになっているようです。


 問題はdisorderを『障害』と訳したことにより、明らかに誤解や不都合が生じているのに、いまだにそのままになっていることです。

…中略…

『精神障害』や『発達障害』という言葉に使われている『障害』の意味するdisorderはそれ(身体障害者の『障害』disability)とはまったく異なる概念です。
それらを混同すると、発達障害は一生改善不能だという誤ったイメージが作られることになります。

…中略…

disorderは疾患(disease)ではありません。


引用…『発達障害のウソ』より by:米田倫康氏


 「障害者」「発達障害グレーゾーン」と、レッテルを貼るだけの区分けではなくて、どうせゾーニングするのなら

『支援、合理的配慮が必要かどうか』

という視点で、『必要』と『要らん』の二つに、大きく分けてみてはどうかと。

(色んな特性が引っくるめて『障害』と呼ばれていることに対抗して、下記以降、『支援・合理的配慮』を引っくるめて『』と記します)

 で、勝手に『愛』が必要なゾーンを『レインボーゾーン』と名付けてしまいます。


 例えば、『左利き』
  
左利き』は障害なんかやあらへんで!

と、お怒りになる方もおられるかもしれませんが、『レインボーゾーン』へのゾーニングという見方ということでご容赦いただきます。

 で、紙工作するなら『左利き用のハサミ』、野球するなら『左利き用のグローブ』を用意するといった『』が欲しいところです。

 日本なら『私の彼は左利き』とか『サウスポー』とか、歌になるくらい憧れの的になったりすることもありますが(古くてごめんなさい)もし、宗教的に左手が不浄とされている地域では『』の形も大きく変わります。


 で、『』が必要な事を、そのまんま『レインボー』と名付けます。

 LGBTQ(セクシャルマイノリティ)は障害ではありませんが、学校等の集団行動では、様々な場面で『』が必要な『レインボー』ではないかと。

 他にも、食物アレルギー、閉所恐怖症、高所恐怖症、聴覚過敏、花粉症、色弱、コンタクトレンズ、喘息、方向音痴、犬怖い…

 『』が必要な『レインボー』は人それぞれ、『』の形も様々です。

 で、結局は、ほとんどの人が『』が必要な『レインボー』が何かしらあって、そして、ほとんどの人が『レインボーゾーン』となるのではないかと。
 きっと『』が必要でない、ゾーン外の人なんて、ごくわずかで珍しい存在、それとて一時的なこと、いつ大きな『』が必要になるかなんてわかりません。

人間だもの by 相田みつを


 今のあなたの『レインボー』はどんな『レインボー』?
 今のあなたに、どんな『愛』が必要か一緒に考えましょう。


 なんていう個人懇談が、随時当たり前に行われるようになると良いな、と、夢のようなことを考えています。

♪人はみな、ひとりでは、生きてゆけないものだから by中村雅俊氏



 発達障害グレーゾーンと呼ばれている『』が必要な特性も、人それぞれ、色々です。

 当然、『愛』の形も様々です。

 その『愛』がハマれば、その特性が輝く個性に化けることだって、往々にして起こっています。

 特性には、様々な色があります。

 言葉遊びと叱られるかもしれませんが、まずは今この『グレーゾーン』と呼ばれている『グレー』を、『レインボー』と呼び替えてみてはどうでしょう?



『グレーゾーン』より『レインボーゾーン』



 そして『レインボーゾーン』がどんどん拡がってくれて、行く行くは、そんなゾーニングなんて無意味になってしまうよう願っています。

⭐⭐⭐

私が知らなかった虹の最後の1色を、娘が教えてくれました。

その色はなんと、『あい』(藍色)

虹には、愛がありました。

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