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先祖代々受け継がれる便利な接続詞「して」

レコ発ツアーいわき編、郡山編が無事に終わり、半日を実家で過ごした昨日、父の話は大体「して」または「そして」から始まることにふと気づいた。

そして、という順接の接続詞は文語では何か前置きがある場合に使われるものだが、我が家では主に口語でしか登場せず、話題の転換時に使われることが多い。「して」というのはおそらく先人が会話のテンポを重視して「そして」の頭を省略したもので、うちでは「そういえば」と同じ用法で使われている。標準語でも、頭の中で自分が考えていることをタイムリーに発信しようとすると説明を省きすぎて「たしかに」や「でも」など、何がたしかなの?と思いながら私見をつらつら話してしまうことがあるが、父がいう「そして」もそういうことだ。

うちの親戚だけかもしれないが、郡山人が「そして」と話し出す時は内心めちゃくちゃ気になっているけどタイミングを逃して聞けなかったこと、物事の核心をついてしまうために何かのついでを装ってマイルドに尋ねたいというクッションの意味合いが強いことも特筆すべき点である。

あと、相手の話が中途半端に着地し、結果どうなったのかを確認するときには「して?」から発言を促す用法もある。つまり、相手に「して?」と言われた時には、自分が説明を端折りすぎている可能性が高いので、前後の関係を再度整理して伝えた方がよい。

みなさんが郡山人と接する機会があれば、ぜひ接続詞「そして」に隠れた意図を深読みしてほしい。意味があることもないこともあるだろう。それも込みでコミュニケーションを楽しんでくれたら幸いだ。そして、に続く文章が聞き取れればの話だが。

大好きなリンツのチョコレート「マンゴー&クリーム」で明日の元気をチャージします。