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【利便性の裏に】興味・関心のバリア「フィルターバブル」乗り越えるには

訪問いただき、ありがとうございます。
前回の記事では、フェイクニュースを見破る5か条を、 ご紹介しました。

合言葉は「価値もない情報に注意」
「か・ち・も・な・い」から始まる5つのポイントに注意しましょう。

今回取り上げるのは「フィルターバブル」です。「フェイクニュース」ほど知られていませんが、デジタル情報社会が抱える大きな課題です。

その意味するところと、 私たち一人ひとりがどのように向き合えば良いのか、記したいと思います。


「フィルターバブル」ってなに??

そもそも、「フィルターバブル」とは何でしょうか?

それぞれの言葉が使われる場面

「フィルター」は、何かを通さなくするもの。
「バブル」は、泡のようなもの。

では、その2つの言葉を組み合わせた「フィルターバブル」
何を意味するのでしょうか。

誰もが簡単に情報を発信・受信することができる今、情報量が爆発的に増え、 個人が処理できるレベルをはるかに超えています。

すべて目を通すことはできない

一方で、 私たちは日々の暮らしの中で、SNSやニュースサイトなどを通じて、 自分の興味関心に沿ったニュースを受け取っています。

スマホで便利に情報アクセス

赤い服を着たAさんには、 Aさんの興味・関心に沿った情報が届き、
青い服を着たBさんには、 Bさんの興味・関心に沿った情報が届くのです。

「個別最適」な情報が届くことで、その取捨選択について、多くの方はあまり意識・苦労していないのが現実かもしれません。

情報の「個別最適化」がもたらす負の側面

こうした状況は、とても便利で「豊かな情報空間」とも言える反面、「情報の分断」も発生していることに注意する必要があります。

興味・関心のバリアが跳ね返してしまう

Aさんの興味関心に合う情報(赤い矢印)は、Bさんには届かず、
Bさんの興味関心に合う情報(青い矢印)は、Aさんには届いていません。

さらに、AさんBさん、いずれの興味関心にも合わない情報(黒い矢印)は、AさんにもBさんにも届いていないのです。

同じ時代、近い場所で生きていても、1人1人が接している情報は、それぞれ大いに異なるのです。

この現象のことを「フィルターバブル」と言います。
つまり、 個人の価値観がバブル(泡)のようにその人を包み込み、1人1人は、その中に孤立してしまっている、という課題です。

報道機関の役割・重要性が増している

価値観が多様化し、 個々人の興味関心に沿った「豊かな情報生活」を送ることができる、 そのこと自体はもちろん良いことです。

ただ、社会を構成する1人1人が異なる情報空間に生きている、その程度が大きくなっていけば、共通の情報体験が欠如してしまう。民主主義の基盤がゆらぎかねません。

だからこそ、社会で共有する課題設定(アジェンダセッティング)や一定の情報共有が重要性を増しているともいえ、報道機関の役割がいっそう大切になっていると感じます。

個人にできること:自覚と実践

では、こうした課題を認識した上で、 個人のレベルでは何ができるのでしょうか?

自覚と実践

まず大切なのは、「自分は偏った情報に囲まれがちである」ということを認識することだと思います。

その上で、 自分の価値観のバブル(泡)の外側に、時には出てみる。
普段の生活の中では触れないような価値観、 あまり興味がない情報に、時には意識的にアクセスしてみる。

例えば、 書店や図書館を散策してみる。
そこに並んでいる本は、 この社会の誰かが興味関心を持っているために存在しています。

例えば、 新聞を読み比べてみる。
同じニュースでも、 新聞社によって伝え方や主張意見が異なる事は珍しくありません。
※ちなみに私は、主要紙の社説を読み比べることを日課にしています

忙しい日々の中で、こうした実践をする事はややハードルがあると思いますが、スキマ時間に少しだけでも、取り組んでみてはいかがでしょうか。

今回も、最後までお読み頂き、ありがとうございます。
次回は、情報を検索するコツをご紹介したいと思います。

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