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【見破る5か条】フェイクニュース「かちもない」情報に注意!

訪問いただきありがとうございます、教育探求家・ビデオグラファーの加藤聡です(元・日本テレビアナウンサー/報道キャスター)。

2月より、兵庫県・姫路市の「総合教育監」に就任いたします。報道が先行しましたが、 姫路市からも先日、公表されました。その業務に関わることは、しかるべき時期・場で発信していきます。

前回の記事では、 SNSで情報発信する際に心がけたい5ステップ「さしすせそ」 をご提案しました。何かをざっくり知ったら、複数の情報・ 視点にも触れた上で、誠実な態度で発信することが大切です。

一方で、真偽不明の情報が世の中に溢れています。自分が触れている情報を信じてよいのか、判断に困ることも多いのではないでしょうか。

今回は、いわゆるフェイクニュースを見破る5か条を、 ご紹介いたします。


近年のフェイクニュース事例

はじめに、近年話題になったフェイクニュースの事例をいくつかご紹介します。

報道記者がこのツイート主に問い合わせる事態も

こちらの画像は2015年8月、相模原市のアメリカ軍施設で火災が発生した際に、Twitter上に投稿されたものです。よく見ると、画像の真ん中にゴジラの影が写っています。

投稿者がどんな意図でツイートしたのか分かりませんが、冷静に画像を見れば、 多くの方がゴジラに気付けたのではないかと思います。

写真そのものに不自然な点はないので見極めが難しい・・・

この投稿は2018年6月、大阪で地震が発生したときのツイートです。
「シマウマ脱走」と言う文言と共に写真が投稿されました。

この写真は、このときの地震とは関係がないことがわかっています。先程のゴジラとは異なり、写真を見ただけでは見抜くことができません。

不正確な情報が拡散する事態は「インフォデミック」とも言われます

新型コロナウイルスに関しても、不正確な情報が飛び交いました。
ファクトチェック団体が真偽を確認・注意喚起も行っていますが、チェックが追いつかないのも現実です。

ChatGPTも一緒に、あいうえお作文

こうした中で、多くの情報に触れる1人1人は、どのように「フェイクニュースも含む情報の海」に向き合えばよいのでしょうか。

私が担当してきたゼミ等では、 フェイクニュースを見破るために注意したい観点について、 参加者みんなで考えるワークショップを行ってきました。

SNSの情報発信について留意点を「さしすせそ」で表現したように、 フェイクニュースの注意点については「かちもない(価値もない)」 の頭文字で あいうえお作文を行います。

ゼミで使用したスライド

ちなみに、生成AI「ChatGPT」にも同じお題を出して、人間と一緒に考えてもらいました。

2023年7月15日時点でのChatGPTの回答は「あいうえお作文」として成立せず

フェイクニュースを見破る合言葉 「価値もない情報に注意」

さあ、前置きが長くなりました。
フェイクニュースを見破る合言葉は、「価値もない情報に注意」です。

5つのポイント「かちもない」は、以下の通りです。

なお、このアイデアは私のオリジナルではありません。「いなかもち」という合言葉で解説されてきた内容を、頭文字を並び替えたものです。
大学教授らが医療情報に関するリテラシーについて発信している、こちらのサイトがきっかけで知りました。是非ご参照ください。

「か」書いたのは誰か?
その情報を発信している主体は誰なのか?その主体(団体や個人)は、 信頼して問題なさそうか?

「ち」違う情報はないか?
同じ出来事であっても、 別の情報・異なる視点から発信されている情報はないでしょうか?

「も」元ネタ(根拠)は何か?
その情報を裏付ける事実やデータは存在するのか?個人の意見や解釈であれば、注意が必要です。

「な」何のための情報か?
公的機関や有識者、報道機関などが発信している公益目的の情報なのか? 注目を集めることが目的の投稿であれば、注意が必要かもしれません。

「い」いつの情報か?
時間の経過とともに、 その情報・状況が更新され、 現時点では正しくない情報になっている可能性もあります。

こうした5つのポイントに照らしたときに、はっきりしない部分があれば、特に気をつけた方が良いでしょう。

上述のように、同じ内容を「いなかもち」という合言葉でも表現されてきました。「田舎のおもち」より「価値もない」の方が趣旨に合致するので、私は「かちもない」を推しています。

この「かちもない」を頭の片隅において、自分が見聞きした情報に注意すべき点がないか、気をつけて接することをオススメします(自戒も込めて)。

今回は、 フェイクニュースを見るポイントについてご紹介いたしました。

次回は、フェイクニュースと並んで、 最近のデジタル情報空間における大きな課題となっている「 フィルターバブル」 について考えていきたいと思います。

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