かつエッグ

「かつエッグ」と申します。 「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」「ノベルア…

かつエッグ

「かつエッグ」と申します。 「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」「ノベルアップ+」などのサイトに、かつエッグの名で小説を投稿しています。ジャンルは主に、ファンタジー、ホラー、SFです。  ここでも、作品を公開していきます。読んでやって下さい。

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異世界ファンタジー「アンバランサー・ユウと世界の均衡」第二部「星の船」編 AmazonKDPで発売中!

AmazonKDPより、電子書籍で長編異世界ファンタジー「アンバランサー・ユウと世界の均衡」の第二部「星の船」編を発売しました。  超絶の力を持った存在「アンバランサー」として異世界に転移したユウ。  剣と魔法の世界で、恋人となったエルフの大魔導師ルシア、その弟子の魔法少女ライラ、魔剣イリニスティスを操る獣人少女ジーナとともに、時空を股にかけた大冒険を繰り広げる!  王都を訪れたユウたち一行は、超古代文明の遺産を悪用する盗賊団との戦いに巻き込まれるが、その背後には孤独な禍つ

    • ふるさとに帰ろう

       ピンサロで働くあたし。新しく入店してきたマリカの面倒を見てあげる。マリカは何かに怯えているようだ。あたしは、なんとかマリカの力になりたいと思い、話を聞く。そしてある日、とうとうマリカは——。 「小説家になろう」サイト夏のホラー2023応募作品です。  ズンズンと大音量の音楽が鳴りひびく中、 「今日も、レナちゃんの田舎の話を聞かせてほしいな」  と、タカハシさんが、あたしの耳元に顔を近づけて言う。 「いいよ」  と、あたしもタカハシさんの耳に顔を近づけて答える。

      • 激しい雨が降る

         仕事の帰り、大雨のため電車が緊急停車する。車内で運転再開を待つ私は、今は遠い故郷に思いを巡らす。すべてが消えていく。 藤井佯様主催の「故郷喪失者アンソロジー」に応募したものの、残念ながら採用にならなかった作品です。  列車が、線路の途中で止まった。  次の駅まではまだかなりの距離がある。  窓の外には暗闇があるばかり。  窓ガラスには激しい雨が打ちつけていた。  豪雨のため、危険なので、いったんここで停止しますとの車内アナウンスがあった。  私は、ため息をついて、座席に

        • ガネーシャとヴリトラと

          Kaguya Planet様のマイクロノベル募集に応募したものです(落選しました) カレー、もしくはラーメンを題材に、300字以内の作品を書くというものでした。  昼食に、神保町のカレー屋に入り、一皿に二種類のカレーが載ったセットを選んだ。二種のカレーは皿の上で太極模様を描いていた。  緑のサグカレーを一さじ掬った。口に含む。  黄金象頭の神が現れて言った。我はガネーシャ也。  黄色のチキンカレーを掬った。口に含む。  赤肌蛇身の神が現れて言った。我はヴリトラ也。  二柱の

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        異世界ファンタジー「アンバランサー・ユウと世界の均衡」第二部「星の船」編 AmazonKDPで発売中!

          走れ山田

           ぼくは、登校の途中、必死に自転車を走らせてくる、あこがれの立花さんに会う。立花さんは、お父さんが忘れた書類を、駅まで届けようと急いでいたのだ。転んでしまう立花さん。ぼくは立花さんを助けるが、立花さんは、もう電車に間に合わないと落胆する。そのとき、ぼくの頭に、秘策が閃いた! 小説家になろうサイトの、しいなここみ様の自主企画「砂糖菓子のような甘いラブストーリー」に投稿した作品です。ラブストーリーといえるかどうかはわかりませんが、この作品を「僕の心のヤバいやつ」に捧げます。

          ゆめのきしゃにのろうよ

           ゆめのきしゃにのるほうほうをおしえるよ。青いあめと、のりたいきしゃのえをよういして、ふとんにはいるんだ。じゅんびはできたかな? さあ、きしゃがやってくるよ。きてきがきこえてくるよ。  「小説家になろう」サイト、冬の童話2024 参加作品です。  お子様といっしょに字を見ながら、読み聞かせることを想定しています。  きみが、ゆめのきしゃにのりたいとおもうのなら、じゅんびがひつようだ。  まず、お母さんにたのんで、あめをかってもらおう。  あめは、どんなあじでもいいけれど、

          ゆめのきしゃにのろうよ

          雪の花が咲く

           ——雪山で遭難したぼくの命は、風前の灯だった。死を覚悟したぼくは、自分の過去をふりかえる。悔やまれるのは、恋愛経験をいちどももてなかったことだ。ぼくには、いちどだって。いや、まてよ。思い出せ。そうじゃなくて、ぼくには、あの——。 ホラーです。 「小説家になろう」サイトで、しいなここみさまの自主企画「冬のホラー企画2」参加作品です。  粗末な山小屋の外では、吹雪が吹き荒れている。  強い風が吹きつけ、ぎしり、みしりと小屋が軋む。  隙間からは雪が忍びこみ、小屋の中にも積も

          雪の花が咲く

          雪兎だより

           おさむくん、元気ですか。ぼくの今の暮らしを伝えようと、がんばってお手紙を書きました。君の住むところまでずいぶん遠いけど、ちゃんとこの手紙が届くといいなあ。 SFです。  おさむくん、お元気ですか?  ぼくは、元気です。  だけど、この手紙ほんとうに君に届くのかなあ? ぼくのいるところは、ずいぶん遠いから、ちゃんと届くのか心配です。でも、がんばって書くね。ぼくがどんなふうに毎日過ごしているか、知ってほしいから。  これは昨日の出来事です。  朝、外を見たら、夜中に雪がふ

          滅びの呪文

           幼稚園のころ。泣いているぼくの前に現れたその男は、ぼくに「滅びの呪文」を授けた。世界を滅ぼすというその呪文、それは発音することの難しい呪文だった。ぼくは、再現できないその呪文を支えに生きてきたが、クリスマスが近いある日、悲惨なニュースを目にして——。  小説家になろうサイトの、しいなここみ様の「冬のホラー企画2」参加作品です。  ぼくは、滅びの呪文を知っている。  もう何度も唱えようとした。  でも、うまくはいかなかった。  あれは、幼稚園の頃だったと思う。  仲間は

          同行二人

           ある日、妻が、お遍路さんに行きたいと言い出した。わたしは妻に連れられて、八十八カ所の霊場巡りの旅に出る。だが、旅を続けるにつれて、わたしと妻の回りには——。 (物語の必要上、かならずしも現実のお遍路に即していません。ご了承下さい) 零)  ——お遍路さんに行きたい。  夕食のテーブルで、妻が言った。  その時いつものように、居間のテレビは、定時のニュースを流していた。  戦争や政治の大きな報道。  経済指標の数字。  高速道路での多重衝突のニュース。  横転し炎上し

          異世界ファンタジー「アンバランサー・ユウと世界の均衡」AmazonKDPで販売中

           AmazonKDPから、電子書籍として、異世界ファンタジー「アンバランサー・ユウと世界の均衡」を出版しました。剣と魔法の世界での、居心地の良い冒険譚を目指して書きました。エルフも出ます。獣人も出ます。ダンジョンもあります。禁じられた魔法もあります。超古代文明の遺構もあります。異世界の神々も登場します。  いちぶ試し読みもできますし、KindleUnlimitedを利用中の方は、ぜんぶ読むことができます。覗いてみていただければ嬉しいです。  なお、この作品は、小説家になろう

          異世界ファンタジー「アンバランサー・ユウと世界の均衡」AmazonKDPで販売中

          「神農黄帝食禁」之書

           残業をしていたぼくは、美食家で有名な上司から食事に誘われる。その上司、漆原課長は、仕事の褒美に美味しいトンカツを奢ってくれるというのだ。課長に連れられていった店で、ぼくは至高のトンカツを目にする。  ホラーです、たぶん。  「小説家になろう」サイトで、しいなここみ様が企画された「とんかつ料理企画」参加の一品です。  気楽にお楽しみください。 「さあ、ぞんぶんにお召し上がりください」  ぼくの耳元で、シェフが囁いた。  目の前にあるのは、たった一品の料理。  山盛りの、シ

          「神農黄帝食禁」之書

          夢の中の、青い屋根の離れ

          わたしが夢の中で何度も訪れる、青い屋根の離れ。年末実家に帰省したとき、兄弟で話をしていて、弟も同じ夢をみていることが分かる。いったい、その離れはなんなのか。どこにあるのか。手がかりがないか、母にも聞いてみるが——。 どこにもたどりつかない話です。お楽しみください。  ——夢というものは、記憶の残渣であると思う。  みた夢の内容を思い出しながら検討してみると、その日に経験した出来事や、あるいは読んだ本、目にした映像などが、あるものはそのままに、そしてまた、あるものは変形され

          夢の中の、青い屋根の離れ

          錯綜する故郷

           家業を継いだ弟が実家を売ることになったと聞き、私は長く帰ってなかった故郷を訪れる。かつて住んでいたその家を、もう一度見ておこうと考えたのだ。懐かしい町並みを歩いて行くと、何十年とやりとりのなかった幼なじみが、いまは工務店のあとをつぎ、働いているのを見かける。だが、記憶をたどってみると、ありえない事実に気づき——。  ノスタルジックなホラーです。お楽しみください。 ひらタン)  久しぶりに、帰郷した。  実家を継いだ弟が、家を売るという。  正確には、もう売ったというこ

          錯綜する故郷

          モールス

          ——通信は、来る。   看護師である私は、817号室の入院患者タカムラさんの様子が気になる。術後の回復が思わしくないタカムラさんは静かにベッドに横になっている。そんなタカムラさんが、見慣れない道具を家から届けてもらった。それは—— 「デリリウム」と同系統の作品です。   ——なぜ通信がゆるされないのか     許されてゐる そして私のうけとった通信は(宮沢賢治「青森挽歌」)   「タカムラさん、テレビカードは大丈夫ですか」  37.8℃。  私は、体温計に表示された

          驀進するデロス オデラン狩り2

           どことも知れない異世界。あたしたちは、お母様(ムーザ)に率いられ、お父様(パーザ)の種を狩りに出かける。荒れ地を一直線に走る大きな溝。そこであたしたちの見るものは——。 前作「オデラン狩り」と同一世界の物語です。  お母様に率いられ、あたしたちは村をでた。  あたしたちは、二列になって進む。  森に行くかと思ったら、違った。  森とは反対の方向に歩いていく。  お母様は、「溝」に向かっているのだ。  溝に行くということは——。 「今日は、お父様のタネを拾いに行きます」

          驀進するデロス オデラン狩り2