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幸運なギバーと浮かばれないギバー

ギバー(Giver), テイカー(Taker), マッチャー(Matcher)
大成功する人にはギバーが多い。大成功する人は、人から何かをいただくよりも前に、最初に人にたくさん与える。そうすると人望も人気も上がる。人がついてくる。大成功する。ふむふむ納得できる。
それに対してテイカーは、人から搾取するばかり。うまいことやっているうちは良い。お得感満載だ。でも、搾取するばかりで、人に何も与えてなければ、そのうち信頼も人望も失い、人は離れていく。だからテイカーは成功できない。幸せにもなれない。これも納得できる。聞いていて、生き方がせこいし、カッコ悪いから、誰もが自分はテイカーではないし、テイカーにはなるまいと思う。
ところが、不幸な人の中を見ると、ギバーが最も多いらしい。お人好しで、頼めば断らないから、人に与えてばかりだ。いつも都合よく人に使われる。見返りもなく、使われるばかりだ。貧乏くじを引きつづけている。
そんな、貧乏くじを引き続けてるなんてまっぴらだ。与えた分だけ、ちゃんと見返りはいただきたい。結局みんなマッチャーとなる

どうすれば浮かばれないギバーではなく、幸運なギバーになれるのか?を考えてみた。

鳥の目を鍛える

幸運なギバーになるためには、ずばり最近書いた鳥の目を鍛えること。
何を、どのようにギブすべきかが見えてくる。

本質的でインパクトのあることをギブできる

例えば、ある地域の農家を手伝うとする。浮かばれないギバーは、頼まれた畑仕事を、言われるがままに手伝ってギブする。ある時は、ぶどう畑でぶどうの収穫。ある時は、りんご畑で消毒散布。ある時はほうれん草畑で雑草刈り。ある時は、野生動物の侵入を防ぐための柵作り。もし、本人が鳥の目で見て、これらの農作業の経験を積むことにより自分の成長を体系的に計画しながら、やっているのなら話は全く違う。そうではなく、ただただ何も考えずに頼まれたことに、自分の労働を切り売りして与えているだけなら、使われるだけの浮かばれないギバーだ。
一方、幸運なギバーは、もっと本質的でインパクトのあることをギブする。例えば農法の革新を考え、ギブする。有機農法で品質を向上させる。収穫量をあげる、安定的に収穫できるなど効率を上げる方法をギブする。収入を増やす新たな流通方法を提案してギブするかもしれない。これらのギブは本質的でインパクトがあるから、結果がついてくる。結果は貴重なフィードバックとして翌年、翌々年の成長・経験の蓄積につながる。すなわち、ギブしていると、自然にそれ以上の極上のテイクがいただける。

仕事のプロジェクトの場合でも同じだ。時間に追われ、目先の仕事に、言われるがままにギブしていたら、浮かばれない使われっぱなしのギバーで終わる。そうではなくて、鳥の目で空高くに舞い上がって、全体像を見渡し、本質的でインパクトのあることを見つけ、そこでギブすることが大切だ。

相手のことを考えているか?

何かを頼まれた時、あるいは、自分から率先して誰かを手伝う時、本当に相手が欲しい物、本当に相手のためになるものを、自分は与えようとしているのか?超真剣に考えるべきだ。
上司がAについて調べてほしいと頼んできたとする。頼んできたということは、他の仕事で余裕がなくて、切羽詰まって深く考えないまま、漠然とAについて調べてほしいと頼んだのかもしれない。実際には、AとBとの関連、AとCとの関連、さらにはBとCとの関連でAがどのような影響を受けるか?などと体系づけて調べないと真理が見えてこない調べ物かもしれない。そこまで考えてギブができると幸運なギバーになれる。信頼度が上がる。上司にとって欠かせない存在となれる。仲間からも信頼される。頼りにされる。

言われるがままにAだけ調べて、自分は「任務を果たした」「上司を助けた」などと満足していたら、おめでたい浮かばれないギバーで終わってしまう。言ったことを言ったようにやるだけの使われるだけのギバーとして扱われてしまう。

計り知れないメリットの実体験を蓄積する

何の見返りも当てにすることなく、まずは人にたくさんを与える。大成功者にふさわしい器の大きな人間に聞こえて、かっこいい。でも、実際の人間は、そんなに格好よくない。自分が苦労して作り上げたものを人に与え、その人が「はい、ありがとう」とだけ言って、それを持ち去り、それ以上の見返りが何もなかったら、その後、笑顔でいることは難しい。笑顔でいられないどころか、腹が立って眉間にしわができているかもしれない。僕も本来は自分が苦労して蓄えた知識や経験は独り占めしておきたいと思う器の小さな、超せこい気質だ。

ただ、ここでも、虫の目だけで一つ一つのギブ・テイクの事象だけを見るのではなく、鳥の目・魚の目を使って大きく、しかも、長期的な視点で見ることが大切だ。そうすると、とんでもなく大きな見返りが見えてくる。長い目で大きな視点で振り返ると、ギバーを意識して続ければ、必ず信頼度も、人望もあがる。得られた信頼・人望は、とんでもなく大きな見返りだ。長い目で大きな視点で振り返れば、ギブだけで終わることはありえない。直接的な形ではないかもしれないが、回りから計り知れない貴重な情報・経験・結果がテイクとして自然と入ってくる。

この実体験を蓄積すればするほど、器の小さな僕でも、まずは見返りを何も求めずともギブするという目の前のミッションが、受け入れやすくなる。幸運なギバーに一歩近づけるのだ。






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