【かつらのお話:下貼り】
襟の簑付け穴もあけ、組み立ても終わった地金に下貼りをしていきます。
こんにちは。京都時代劇かつらです。
下貼りには、木綿裂、薄染した羽二重を貼っていきます。
刳のチュールを貼る箇所の下貼りは前回の御家人と同じく羽二重です。
そしてぐるりは黒の木綿裂を貼っていきます。
木綿裂は生地屋さんで購入した鐘毛斯の黒を使います。これは木綿100%で、晒しより目が細かく詰まっているので、耐久性が大変よいです。
また必要以上に張りがなく、とても綺麗に貼れるのが特徴です。
目が粗い木綿裂は、とても柔らかく貼りやすい特徴がありますが、汗や鬢付け油がまわると直ぐに劣化しボロボロになってしまいます。
逆に、ポリやテトロンなど化学繊維や交織の物は糊がキレイにまわらず剥がれやすい特徴がありましす。
耐久性があり尚且つ貼りやすい、この木綿100%の鐘毛斯は、鬘作りにはなくてはならない、縁の下の力持ちといったところでしょうか。
さて、前回の御家人の今回の中剃の鬘、下貼りをすると明らかに違いが出てきました。
どうも襟回りがスッキリしています。
これからどんな変化があるのか。
次回もどうぞお楽しみに。
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