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対話の可視化の可能性を探るワークショップ

かなり時間が空いてしまいましたが、昨年12月に、
「サービスデザインクエスト - 対話の可視化の可能性を探る」
というワークショップを実施しました。
参加された方、また自分の中でも学びが深い場であったので、あらためて振り返ってみたいと想います。

きっかけ

以前からグラフィックレコーディング(グラレコ)が、たんなる記録としてのツールという認識で完結してしまうシーンがあることに違和感を持っていました。自分自身が対話の場における可視化されたグラフィックによってさらに対話が深まることを実感していたこともあり、それを他の場でも実践できないかと考えていたところに以下のブログ記事を目にしました。

これは実際に試してみたい!と思って、ミミクリデザインの坂間さんに連絡を取って、どのように実施したかをやり取りさせていただいた上で今回のワークショップを企画しました。

どうプログラムする?どんな問いを対話する?

「対話の可視化の可能性を探る」というテーマは決まったものの、ワークショップをどうプログラムする?というところで浮かんできたのが「ワールド・カフェ」でした。
「ワールド・カフェ」のテーブルに一人ずつグラフィッカーをアサインし、そのテーブルで話されることを可視化し、可視化された内容をグラフィッカーとともにテーブルごとに向き合う時間を持つことを考えました。
実際のプログラムは以下になります。

1. オープニング
2. グループ毎に自己紹介
3. 導入セッション(対話、ワールド・カフェについて)
4. ラウンド1(1つ目の問い)
5. ラウンド2(2つ目の問い)
6. ラウンド3(3つ目の問い)
7. ハーベスト(全体共有)
8. クロージング

ワールド・カフェで対話する3つの問いは以下のように設定しました。

1. あなたが入りたいと思うチームは?
2. そのチームがつまづくとしたらどんなことで?
3. そのチームのために、自分はどうありたい?

この3つの問いを順番に対話し、「チーム」について考え、「対話を通して気がついたこと」をハーベストで全体共有しました。

グラフィッカーのアサイン、お願いしたこと

今回、5つのテーブルに分かれてワールド・カフェを行うため、グラレコを担当するグラフィッカーも5人必要でした。
各所で知り合った方々がそれぞれグラレコを実践されている方々(実務やイベント等で数回の経験がある方々)であったので、お声がけさせていただきました。

そしてグラフィッカーの皆さんにお願いしたことは「テーブルの中で話されたことについて自分の中での違和感を可視化してほしい」ということでした。それ以外はグラフィッカーの皆さんに委ねることにしました。

そして実施!

当日はこのように5つのテーブル、5つのホワイトボード、そして10枚のバタフライボードを使用していました。
直前の思いつきで導入したバタフライボードですが、テーブルの上で対話しながら描いて、それをホワイトボードにそのまま貼ることもできるので、使用してよかったです。
ホワイトボードだけだと、テーブルメンバーと距離が生まれてしまうのですが、バタフライボードであればテーブルで対話しながら描くことができることができるので、その距離が生まれることを回避することができました。

FDLでふりかえってみる

最終的な全体共有の場では「この時間でこのアウトプットが!」というくらいの内容が各テーブルから出てきていました。
テーブルごとに差違はあれ、対話の可視化が対話を深めることに繋がったことは確認できたのではないかと思っています。もちろん、今回の場は「対話の可視化の可能性を探る」ということでしたので、これは可能性の一つにしか過ぎなく、もっともっと可能性を秘めていると考えています。
今回のワークショップをFDL(Fun, Done/Deliver, Learn)でふりかえってみます。

楽しい(Fun)
・テーブルごとにグラフィッカーが参加することで、対話の可視化が進む
・テーブルメンバーの可視化も進んだ!

やった、届けた(Done/Deliver)
・テーブルごとの対話を可視化した
・自分たちの対話がどのように可視化されるのかを理解する

学んだ(Learn)
グラフィッカーが可視化したする内容はリアルタイムに共有するのではなく、テーブルでの対話とグラフィッカーが可視化した内容は分けた方が変化が確認できそう

対話の場をつくり、深めていくこと

「対話の場」の必要性は各所で論じられてはいるものの、ではそれをどのように実現し、その場から何を得ることができるのかはまだ理解されていないことが多いと思っています。
そのために各所で様々な対話の場をつくることができればと考えていますので、ご興味あればお声がけいただければと思います。


コーヒーを飲みながら書いていることが多いので、サポートいただけたらコーヒー代として使わせていただきます!