TES(繊維製品品質管理士)の必要性について

はじめに。今回は某動画投稿サイトでTESについて話されていたので、アパレル関連業界経験者として思った事を書きました。

TES取得については賛否両論だと思います。
繊維と言っても幅広いので、全体的に網羅する必要がある繊維の分析や研究機関等でなければTESの1~100必ずしも必要ではないと思いますし、クレーム対応についても出題されるので、職種、部署で絶対に携わらないような箇所も勉強するべきなのかという疑問があります。
業務する上で携わるフィールドの知識と経験がそぐっていれば問題ないと思います。
アパレル系が主の繊維商社に勤めていたことがありましたが、開発や検査などは専業でやっている専門機関(その道のエキスパートで施設も整っている)に任せるのが間違いないし一番なので、そういった専門機関や業者と連携して業務してましたし、商社の社長がTES持ってましたが、知識としては役立つけど、業務として持っていてもいなくても…別になくても問題ないみたいな話されました。という事は少なくとも、その繊維商社にはたいしてそんなに役に立たないと言う事になります。結局、経験に伴った知識とそれをさらにブラッシュアップするそのフィールドに必要な知識を身に付ければいいという事だと思います。TEST公式テキスト、模試、過去問題を拝見したことありますが、ただ繊維全般というフィールドで、業務に全然関係ない内容も勉強しないといけなかったり、2次は勉強会みたいのに出たり山張らないといけないような内容のようなので、運もあると思います。
検品会社、生産工場にも携わった経験ありますが、アパレルの場合(資材系の防火繊維等、特殊な繊維製品は携わったことがないのでわかりかねます)、本当にTESの内容が全部必要かといわれると、必要ないと思います。
経験とそれに沿った知識をしっかり持っていれば問題ないともいますが、
(資格持っているイコール仕事ができたり必ず役に立つわけではないですし、主に民間や企業資格では持っている意味あるか疑問な資格も沢山あります。)日本特有の資格持ってたら重宝されるみたいな背景があるので仕方ないのかもしれませんが…
知識のない商社担当者等は依頼先にTESが無いといけないみたいな話される方(企業)いらっしゃいますが、そういう人は色々聞いてみると生産の事とか品質管理のこととか何にも知らない人ばかりなので資格の事どうこう言う人は実際どういう経験と知識が必要かわかってない人達だと思います。依頼される側はあくまでお客さんなので、声には出しませんが、やたらTESの資格持ってるかどうかとか資格が必要というような話されたら”あーこの担当者は何も知らないであれこれ言ってるんだなー”と思われます。とはいえビジネスが成り立てばなんでもいいのが本音だと思いますので、商社側も利益がでれば自社担当者の知識のあるなし関係ないというビジネスマインドなのだとは思います。

TESは受講費も結構しますし、教材も結構かかる上に合格率が1割前後という内容で文章の内容も解り辛いという事で難易度も高いというのは何度も受けさせて受講料や教材費をせしめる典型的な資格ビジネスモデルの一つだと思います。
国家資格ではないですし、それが無いと業務できないというものではないので、あったら優遇するぐらいの内容であれば、しっかり業務経験積んで、その業務に沿った知識の蓄積、学習をした方が専門性高くなりますし無駄なことまで非合理に勉強する必要ないと思います。
顧客等にアピールするために目に見える何かが欲しいというのであれば、社内規定で作った試験に合格していて、それをクリアしていれば、何をどこまで知っていてどういう対応が出来ると言う事を明確に相手に伝えることが出来ればそれでいいと思います。根本的に資格の為に勉強するのではなくあくまでビジネスの為にやるならそういった方法を取ればいいかと思います。繊維の分析機関や研究機関等で仕事をしたいなら、TES取っておいた方がいいかもしれませんが、それ以外は業務で必要な経験と知識があればいいともいますし、より高みを目指したいならその専門分野の知識を更に高めたほうがいいと思います。専門性の無いジェネラリストは100あるパイを分割するので全て中途半端になってしまうので、あれもこれもやるよりは専門分野にコミットして周りにより差をつけたほうが合理的だと思います。当たり前の事だと思うのですが、本当に内容全てが自分に役立つかどうかの中身の質を無視した資格というものに惑わされて意外と思考停止されている方々(経営者も含め)が、関連業界にいた頃は販売側には結構多いと感じました。一部上場で引く手あまたの断られたとしても依頼先の代わりがいくらでもある、選ぶ権利があるような企業の場合は依頼先のふるいとして、TESを契約条件に出すことはあるかもしれませんが、本当に資金掛けて儲けているようなところは、ちゃんと本質見抜いているからこそ儲けていると思うので、そういったところはTESの必要性の是非はわかる(無駄なことまで時間や労力を使って取得するものではない)のではないかと推測します。

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