見出し画像

1991年プチてっちゃんユーレイル旅08

【まとめ】ひとりブリュッセルの二日目。宿替えをしてから終日王立美術館にひたる。
ベルギー滞在最後の夜は豪華な?ひとり飯。

11月12日 (火)

7時過ぎに起きる。いい天気だー! 窓から見える建物がいいねぃ。

かたことの日本語をあやつるおじさんが、朝食を部屋まで持ってきてくれる。申し訳なさそうに言うには、ホテルにレストランがないらしい。でも朝食運んでくれるなんてすごくないか?ありがとうございます。
「きょわ、てんき、わるぃですね」
いやいやいや、晴れてるって。

宿をチェックアウトしてすぐに次の宿にチェックイン。
前の宿のフロントはショーン・コネリーをほうふつとさせるじい様だったが、今度はちょっぴり、シルベルター・スタローン。
Hotel Des Eperonniers

実際の部屋の写真

今朝気づいたんだが、何かの本に
「ルクセンブルクではベルギーの金が使えるが、ベルギーではルクセンブルクの金が使えない」
とあったのだが、釣り銭でルクセンブルクの硬貨が返ってくることが多い。まるでババ抜きみたいに気づかれないよう渡しているのでは? とまで疑ったのだが、実際公衆電話ではルクセンブルク硬貨が使えたんだよー。
だからそこまでピリピリしなくて良いのかも。

朝から、銀行に行ったり手紙を出すのに郵便局に行ったり次のホテルで手続きしたり、テキパキしているぜ。
途中、グランプラスを探しているという女子に出会う。ちょうど近くの銀行に行こうと思っていたので一緒に行く。
チェコスロバキアから、フランス語の勉強で来たんだって。ロシア語もしゃべれるけど、実際に使ったことはないのだと。
パリってステキですよねー! と力強く言われ、ああ……デスヨネー、と知った風で相槌をうつ。

グラン・プラス。この近くで両替した

楽器屋さんのウィンドウに、小さなバイオリン、ギター、フルート、トランペットなどみかける。どれも15~20センチくらいで精密な作り。
日本円に直しても4000円~5000円。安くないか??
でも買えなかったけどね! えーん。

今日のメインは王立美術館。結局10:30~16:00まで。昼も中のカフェで。
珈琲とサクランボのタルトで40F。
この金額は「キャトワ」とか「カトフラ」とよく耳にする。

美術館のピカいちは、Paul DelvauxとRene Magritte。
どちらも一部屋ずつあてがわれ、その世界にどっぷりと浸かることができた。

ポール・デルボーの部屋
ルネ・マグリットの部屋

デルボーはアールヌーボーとシュールリアリズムのどちらをも感じる。大作とともにスケッチも置いてあり、じっくり見入ってしまった。
マグリットは、まさに予想した通り、と言えば聞こえは良くないのだが、「ようやくここで巡り合えた」という思いになった。

他にも、ダリの悪魔の誘いを受ける聖人の絵が印象的。その横にタンギーもあって、震える。
怖かったのが、Minneという人の磔のキリスト。目が邪ま!
他にも、Davidの「マーラーの死」、Joseph Coosemansの夕焼けの沼地の風景、Ensorが20代に描いたというフツーの(?)人物画、静物画。

その他、ナム・ジュン・パイク、アルマン、Gentik(?)、特設展はViera da Silva(じぶんには、あまり響かず残念)。
シャガールがやはり、色が奇麗であたたかい。
Nunqueがまたあった。青をあやつる人、というイメージ。ムード作りが巧み。

サルバドール・ダリ『聖アントニウスの誘惑』青が吸い込まれそう

聖ミカエル大聖堂にもあったMichiel Coxcieの作品がやっぱり良かった。

しかし古典というのならば、やはりルーベンスが圧巻だった。
日本で見た展覧会ではあまり感銘は受けなかったのだが、大作が並んでいると、いやでも力量のものすごさがうかがえる。動きの捉え方が素晴らしい。まさにドラマ(動)。レンブラントを見た時は「静」のドラマ、という感じがしてやはり好きだと思ったが。
でもルーベンスもここでようやく見直した(と、偉そうに)。

他にも吸い寄せられて凝視だけでなく写真もけっこう撮っていた。

ルーカス・クラナッハ(父)『アダムとイブ』
身体のクネクネ感が好き
ハンス・メムリンク『モリール夫妻』
(ハンス・ホルバイン『エラスムス』とずっと思っていたが検索にかからない…)
睨みをきかせた知的なオジサマ感が良かった
コルネリウス・デ・ヴォス『芸術家家族の肖像』
レースとか服とか肌の質感が!

古典と現代とにエリアが分かれ、休憩(休館)が1時間ずつあったが、ずらしてくれているのでどちらかには居られてよかった。

あー面白かった、と外に出ればまたもや霧雨。でもすっかり平気になっていた。雨にも慣れたし(悔しいけどね)。
みんな傘をささないのは、歩いているうちに降っているのかいないのかいちいち頭の中で切り替えできない程、雨の降り方が小刻みだからなのでは? と思い至る。

夕飯はすっかり気に入ってしまった前夜の店でまたまたシーフードサンド、グリンピースとパセリのスープ、パン(バター付き)、エビのピンクマヨネーズ和え、カシスソーダ。360F。量もすごく、パンとエビマヨを部屋に持ち帰る。

水道水は、昨日の宿より飲める、気がする。
さていよいよ明日からドイツに入るぞー!!

※ えび茶が泊れなかった宿、イビス。青いのが泊った宿の場所。
2019年現在では検索できなかったので、廃業したのかもしれない。

← 1991年プチてっちゃんユーレイル旅 07
1991年プチてっちゃんユーレイル旅 09 →

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?