鏑木

毎度お馴染み鏑木でございます。

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最近の記事

京葉線快速縮小問題を考える⑳各停成東行に乗ってみた/理想的な輸送形態を考える

気が付けば第20回になってしまった今回、ダイヤ検証ではなく「そもそも論」的な話をしてみたい。いつにも増して長文だがお付き合い頂ければ。 自治体アンケートの途中経過 途中経過にも関わらず12,000件超もの回答があり、意見の偏りや集計誤差を加味してもエビデンスとしては十分な意見が寄せられていると推測できる。 興味深い点としては『およそ3割の人が「京葉線から別路線に変更するなど利用を停止」』としている点で、計算すると約3,600人が利用停止としていることになる。E233系10

    • 京葉線快速縮小問題を考える⑲京葉線特急のあるべき姿とは

      京葉線を走る特急列車 京葉線特急といえば内房線さざなみ、外房線わかしおで、元々は総武快速線経由であったところ、成田エクスプレスの運行開始に押し出される形で京葉線をバイパスするルートで運行している。 全盛期はさざなみ1〜2時間ヘッド、わかしお1時間ヘッドで双方合わせて京葉線内30分間隔の時代もあったが、日中のさざなみは全滅して久しく、2024年ダイヤ改正ではわかしおも日中は激減した。2024年改正の背景には特急車両数の削減があるとされ、当初のプレスリリースでは255系は撤退

      • 京葉線快速縮小問題を考える⑱JR新社長コメントの考察/休日ダイヤの想定

        JR東新社長コメントを考察する 鉄道事業には興味がないと話題のJR東の新社長が京葉線に関してコメントしており、新情報もあったので考察してみたい。 記事から拾える社長コメントとその分析をしてみた。 ダイヤ改正の目的は達せられ、現ダイヤがJRにとって理想的と判断しているものと解釈できる。一部報道で「混むようになった」とされる点は、データ採取の区間(報道される利用者は蘇我方、JRの数値は新木場)や時間帯が異なることもあろうし、80%の列車が110%になればそれは混むように感じ

        • 京葉線快速縮小問題を考える⑰夜下りの快速復元ダイヤを考える

          京葉線ダイヤ改正アンケートが実施されている 記事作成時点でダイヤ改正から約半月が経過したところではあるが、千葉県・市をはじめとする沿線自治体、商工会議所等により利用状況に関するアンケートが実施されている。 webアンケートの特性上、沿線外からも回答も可能であり、かつダイヤ改正に反発する層の回答が中心となろうから、必ずしも平等なアンケート結果とはならないであろうが、実施側もそれは織り込み済であろうし、それよりも沿線の関係機関が一致してこうしたアンケートが実施されている事実と

        京葉線快速縮小問題を考える⑳各停成東行に乗ってみた/理想的な輸送形態を考える

        • 京葉線快速縮小問題を考える⑲京葉線特急のあるべき姿とは

        • 京葉線快速縮小問題を考える⑱JR新社長コメントの考察/休日ダイヤの想定

        • 京葉線快速縮小問題を考える⑰夜下りの快速復元ダイヤを考える

          京葉線快速縮小問題を考える⑯朝上り通勤快速の復元ダイヤを考える

          朝上り通勤快速の復元ダイヤを考える 2024年各停ダイヤが始まり、早速メディアでは利用者インタビューがなされるなどセンセーショナルな報道があった。「家を15分早く出ることになった」などの声もあり、通勤利用であれば到着時刻を変えることはできず、所要時間が伸びた分は出発を早めるほかない。一方で、筆者のような子育て世代にとっては子供を預ける保育所開所時間の制約もあり、極めてタイトであることは容易に想像できる。一例を挙げると、蘇我744発だった通勤快速利用者が同時刻に新木場に到達す

          京葉線快速縮小問題を考える⑯朝上り通勤快速の復元ダイヤを考える

          お知らせ

          いつもご覧頂き、ありがとうございます。 当初ここまで連載するつもりはなかったものの、ネタが尽きず週イチペースで掲載してきたところ、PC故障のトラブルに見舞われてしまい今週はお休みします。 頭の中にネタはあるので、少々お待ちください。引き続きよろしくお願いいたします。

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          京葉線快速縮小問題を考える⑮京葉線通勤快速・快速に乗ってみた

          2024年3月のダイヤ改正は予定通り実施され、京葉線の通勤快速廃止・快速縮小は遂にその日を迎えてしまった。各停ダイヤの検証、利用動向など沿線民兼鉄ヲタとしては興味は尽きないが、ダイヤ改正直後ということもあり、今回は旧ダイヤの話題。 縮小前の京葉快速に乗ってみた 「乗ってみた」と書いたが、筆者は沿線民であり、通勤利用でこそないものの、1990年3月10日(たしか)の京葉線全線開業日で快速運行開始日の京葉快速を筆頭に、数え切れないほど乗車している。むしろ、京葉線利用≒京葉快速

          京葉線快速縮小問題を考える⑮京葉線通勤快速・快速に乗ってみた

          京葉線快速縮小問題を考える⑭京葉快速の「区間快速」化を考える

          ややセンセーショナルな見出しをつけてしまったが、京葉快速の停車駅検証については、第4回などで整理した。2024年各停ダイヤの公表を踏まえて、改めて考えてみたい。 上り18時台以降の各停平行ダイヤを検証する 1年前の2023年ダイヤ改正において、上り18時以降が各停ダイヤとなった際、JRは以下のようなコメントをしている。 「京葉線では特定の列車に利用が集中しないようにするため、快速列車の運行時間を縮小することになりました」 快速が混雑するから各停化とする理屈は2024年

          京葉線快速縮小問題を考える⑭京葉快速の「区間快速」化を考える

          京葉線快速縮小問題を考える⑬2024年各停ダイヤの検証

          時刻表が発売され2024年各停ダイヤの全容が判明した。遅ればせながら今回は特に各停格下げの影響が大きそうな部分を中心に分析したい。 平日朝上りダイヤの比較 2023年ダイヤと2024年各停ダイヤを筆者フォーマットで比較。 ピーク後半で京葉線本線と武蔵野線直通が若干入れ替わっている印象を受けたが、これは通勤快速廃止に伴う待避解消に伴う影響で、本数を数え上げてみると通勤快速の各停格下げ分を含めて増減なし。本問題でしばしば「通勤快速を特急に置き換えた」と揶揄されているが、本数

          京葉線快速縮小問題を考える⑬2024年各停ダイヤの検証

          京葉線快速縮小問題を考える⑫西船橋〜蘇我間列車の可能性

          2024年新ダイヤの公表 ダイヤ改正後の時刻表が発売となり、遂に京葉線各停化ダイヤが公表された。筆者も興味津々ではあるが、本稿掲載時点で精査できておらず、その検証は次回以降としたい。 京葉線内における「武蔵野線」の位置づけ 「京葉線の運転区間は」と訊かれれば、多くの人は「東京〜蘇我」と答えると思う。半分正解で、正しくは「東京〜蘇我、市川塩浜〜西船橋、西船橋〜南船橋」となる(厳密には分岐点とかになるのだろうが)。 世間一般でも旅客案内でも「武蔵野線」とされている東京〜西

          京葉線快速縮小問題を考える⑫西船橋〜蘇我間列車の可能性

          京葉線快速縮小問題を考える⑪通勤快速の海浜幕張停車実現可能性

          通勤快速が復元しそうな気配 京葉線通勤快速の復元は自治体から特に強く望まれているところで、筆者としてはその利用状況から各停化やむ無しと考えてきたところ、どうもなんらかの速達列車として復元されそうな気配になってきている。 本稿でも何度か取り上げている通り、従来の通勤快速停車駅そのままでの復元はJRも難色を示しており、なんらかの見直しは不可避と考える。その本命ともいえる案が海浜幕張への追加停車であり、本稿でも既に分析してきた。 しかし、部外者が思い付くようなことを鉄道事業者

          京葉線快速縮小問題を考える⑪通勤快速の海浜幕張停車実現可能性

          京葉線快速縮小問題を考える⑩新木場駅のホーム滞留問題

          最近の話題から 早いもので第10回になってしまった本問題。 事態は逐一動いており、最新のニュースから新情報を整理。 「JR京葉線ダイヤ改正めぐり 千葉市長 “改正後 早期に復元を”」 新しい情報としては、「JR側からは、今後の検討の中で、東京までの利便性について一定の配慮を行うとする発言があったことを明らかにし、『要望への対応について、今後、何らかの説明があると考えている』と述べました」の箇所。『東京までの利便性について一定の配慮』の意味するところは不明ながら、なんらか

          京葉線快速縮小問題を考える⑩新木場駅のホーム滞留問題

          京葉線快速縮小問題を考える⑨もし特急が無かったら

          房総特急を総武快速線経由に戻してはどうか 今回は現実味が低い考察をひとつ。 外房特急わかしお、内房特急さざなみは成田エクスプレス新設後、総武快速線の線路容量の問題から京葉線経由に移された経緯を持つ。その目的の通り、東京から蘇我をバイパスするショートカット路線として来たが、京葉線経由となった時代から房総特急を取り巻く環境は大きく変化した。内房特急さざなみの激減が一番分かりやすいところ。 銚子特急しおさい、外房特急わかしおも減少傾向にあり、2024年ダイヤ改正では(京葉線快

          京葉線快速縮小問題を考える⑨もし特急が無かったら

          京葉線快速縮小問題を考える⑧抜本的な種別再編の検討

          今回は「抜本的な種別再編」を行った場合を検討する。 JR千葉支社長発言からの前提条件 前回からの再掲となる。 ①内房・外房線方面からの速達性や、幕張新都心への利便性を重視 ②既存の通勤快速・快速の継続に拘らず運行体系を検討 ③通勤快速はあり方が適切か含めて検討 前回は既存ダイヤベースでの復元を整理したが、②③の発言は注目に値する。③の通勤快速見直しは多くの在野意見があるところだが、②は抜本的見直しを示唆しており、朝夕の優等運行(復活)に際しなんらかの再編を伴うものと予

          京葉線快速縮小問題を考える⑧抜本的な種別再編の検討

          京葉線快速縮小問題を考える⑦改正見直しを受けて

          異例のダイヤ改正見直しを受けて 早朝の京葉線快速2本の復活、それを受けたJR千葉支社長インタビューを受けて、今後予想される動きや想定される運行体系を検討する。 これを受けての鏑木の見解(X/Twitter引用)再掲 早朝の快速2本が復活した以上、JRが当初想定していた「日中以外の快速廃止」は撤回され、2024年3月のダイヤ改正こそ予定通り実施されるものの、準備が整い次第(2025年3月を待たず)快速復元改正がなされるものと思われる。その前提のもと、想定される展開を検討し

          京葉線快速縮小問題を考える⑦改正見直しを受けて

          京葉線快速縮小問題を考える⑥異例のダイヤ改正の見直し

          異例のダイヤ改正の見直し 第5回までに個人見解をまとめたところで、1月15日にJR千葉支社長と千葉市長が面会、早朝の京葉線快速2本の復活が報じられた。 これは同じ轍を踏むまいとする公式発表の事前説明であったと思われ、翌16日にはプレスリリースとして公式発表された。 こんな記事を書いている鏑木ですら、追ってなんらかの見直しがなされると予想しつつも、ダイヤ改正自体は予定通り実施されると考えており、JR自身が認めているように異例、前代未聞で衝撃的ですらあった。 これを受けて

          京葉線快速縮小問題を考える⑥異例のダイヤ改正の見直し