脳内将棋盤は灰色の脳細胞なのか?

“”ワタシの灰色の脳細胞が活動をはじめた。“”
名探偵ポアロが劇中たけなわで放つお約束のフレーズ。

さて、ここ10年ほどで、「脳内将棋盤」、という言い回しがすっかり市民権を得た。


脳内将棋盤あるんですか?


というバカっぽい質問に辟易しているプロ棋士も多いと推察。

またかよう、、と思いながらも商売柄ニコニコとして、、、もちろんありますとも、、、ってファンに微笑んでみせる姿は、サービス業の鑑ザ・エンターテイナー

そもそも脳内将棋盤とはナンなのか、からしてよく解らない。
ワタシの場合は中2の時に完成をみたといっても、外からはさっぱり解らない。
今日はこのぬえのような存在である、“”脳内将棋盤“”について徒然とつづってみよう。



天才の脳細胞は玉虫色

頭のいい人は、モノゴトを簡単には割り切らない。
ややもすると、白か黒かですぐに決着をつけたがるが、それはサンシタ三流以下のやり方。

何故ならば、世の中は白とも黒ともつかないもののショッピングモールだからだ。

二者択一やら二項対立といった単純なモノではとても表現できない。

つまり、世の中はどこまでいっても灰色であり、それを映す脳細胞もタマムシ色でなければならない。

だが、人は易きに流されていく生き物だ。
だから多くの人は、世界のアンニュイさに耐え兼ね、
白か黒かで世界を割って、その切れ目から凡才に堕ちていく。



脳内将棋盤とは思考領域

誰にだって脳内将棋盤はある。
生物学的人類には、必ず思考領域というものがあるからだ。

“”人間は考える葦“”、とパスカルがいったように、
思考こそが、人類を人類たらしめている。
この思考を行うのが「思考領域」であり、人類ならば必ず思考領域がある。

思考領域で将棋の読みを進める、この時に灰色の脳内将棋盤がうごめく。 

いや、違う、そうじゃない、
うごめくはず、きっと、たぶん、そう、なのかもしれない。

割り切らないって、たぶん難しい。



灰色の脳内将棋盤をもつ人類

将棋のアレコレを考える時、最後まで割り切らないヤツが勝つ。

例えばある局面で、相手に「金」をワタスと詰まされる。
だから「金」は渡せない、脳にそうスリコミが入った。

だが、局面は時々刻々と変化していく。
なのに一度、金を渡せないと割り切ったアタマは簡単には戻らない。
だから、「金」を渡せないというミスリードのもと思考を組み立てて敗れる。

これが敗北の方程式だ。

逆に、
どこまでも割り切らないヤツってのは強い。
時々刻々と変化する局面におうじて、条件を捉え直す。
だから「金」は渡せない、そういうスリコミを否定できる。
過去の自分を、アッサリと否定してみせる。

白であれ黒であれ、局面を簡単には割り切らない。
灰色の脳内将棋盤をもつ人類、それがプロ棋士なのだ。

いや、違う、そうじゃない、
プロ棋士なのではないか、たぶん、きっと、そう、なのではないか。

割り切らないって、きっと難しい。


天使と悪魔が戦っている 

ものごとを簡単にしてしまえ、、はやく楽になろうぜ、、、と囁いてくる悪魔。
ものごとを簡単には割り切らないで、、きっと、たぶん、いいコトあるから、、、と励ましてくれる天使。

両者が角逐して、シロかクロか、あるいは玉虫色かが決まる。
シロかクロが出ればワタシの勝ち、玉虫色が出ればキミの負け。

将棋を指すとき、脳内では天使と悪魔がたたかっている。

その決戦の舞台が脳内将棋盤なのだ。

いや、違う、そうじゃない、
脳内将棋盤なのではないか、たぶん、きっと、そう、なのではないか。

割り切らないって、たぶん、きっと難しい。





ワタシの灰色の脳内将棋盤が蠢き始めた




今時、そんなヤツおるか(笑)






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