誰かの役に立て

 寝具としてのダウンジャケット(本気)を買うてきて、ストーブも暖房もない二階の寝室で寝た。これ以上寒くなったら私はストーブの一日中炊いてある居間で寝るようになるのだけど、居間だと雑音で起こされてしまうことが多いのと、慣れていない寝床は慣れるまで時間もかかるのでという理由でまだ移行してない。
 なんか携帯端末を寝床にもっていって、寝る前に操作しながら寝落ちする方が多いようだけど、メールその他の着信音が鬱陶しいので、ガラケー時代から、つまり、二十年は寝床に携帯端末を持ち込んでいない。そんな緊急な連絡などこない。緊急な連絡が来たところで、私が困るような緊急じゃなくて、だいたいは向こうが困る系の緊急の連絡だから、私は全然困らないので、と、寝るときに携帯端末の音の聞こえない、はるか遠くで寝ている。緊急連絡してきたやつ、乙。あなたの緊急は私の緊急じゃないんだわ。

 天気予報のサイトを確認すると、今日の最高気温もマイナス2℃だとある。それならば、と、すぐに湯船にお湯をため、ヨガのポーズのようにあおむけで座禅をくむような、そのくらいまでたまってすぐに風呂に移動し、全身くまなく洗い、きれいな身体で出てきた。これを書いているカワイはこの世で一番今の段階ではきれい。

本題

 子どもの頃に爪を噛むクセはなかった。爪ではなく、爪の伸びた先のちょっと硬くなった皮膚をかみちぎるクセがあった。かなりの年齢までそうだった。だから風呂上りの私の手の全部の指はふやけて無残な皮膚になってた。自分でみても「これはキモい指だな」と思っていた。
 先ほど風呂につかり指をしげしげとみると、私はいつからか、まるでそれをしなくなってる。いつしなくなったのかの記憶もない。
 お子さんを持つ親御さん、そういう癖を持つ子供、心配だろうが心配しなくていい、そのうちしなくなる。そして、立派な見事な大人になる。カワイがいい例だ。よかったな、安心できて。誰かの役に立て。でもそんな子供さんを持ってる親御さん割合が全国的に低くて、しかもここまでたどりつくそんな親御さんは皆無に近いだろう。私は今日も虚空に向かって叫ぶ。

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