私は三十年遅れて「ああ、その台詞とその動きならその歌だわ」とわかったぞ三十年経過してやっと追いついた。三十年遅れであなたらと同じ楽しさを味わえたぞうれしい
1990年、「劇団 善人会議」所属。NHKで当時放送された『フォーティンブラス』(初演版)。
演劇のことをまるでよくしらないし、シェイクスピアの戯曲も高校で物語版の英語購読でやったことしかないそんな私にもとても面白く最後まで観られた。きっと今でもあの再放送があれば楽しく観られるだろう。私はたまたまそれをビデオ録画していた。面白いので何度も繰り返して観た。私の部屋に来た友人にも見せて感想をきいた。そのぐらい面白かった。おおむね好評だった。
似たようなものに『爆裂都市』『ゆきゆきて神軍」もあったのだけど、友人らからはとてつもなく不評だった。私もいまなら不評だと理解できる特に『爆裂都市』はひどい出来だ。奥崎映画の方がところどころ面白さがある。
「劇団 善人会議」『フォーティンブラス』(初演版)、他の役者はまるでわからなかったがその中でただ一人、私好みの俳優がいた。後にそれが六角精児さんであることがわかった。28歳の六角精児をみながら「こいついい味だしてるなあ」と思った。後にとんでもなく有名になった。
彼がその舞台でその時代からみればかなりアナクロな大昔の前衛劇の真似をし、歌を歌う。その歌はなんだろうとずっと思っていた。このまま、私は老人になって老衰で(←ここ重要)死ぬまでわからないままなのか、と思っていたが、インターネット最高!その歌は寺山修司の『田園に死す』のラストの曲「人々はどこへ」だとわかった。その場面のツイートをしてくれた方ありがとう。調べたぞすぐ題名もわかったぞ。
このような「いまだに不明なもの」が私の頭の中にまだいろいろある。全部解決しないまま老衰で(←ここ大事、せんせい、大事なことなので二回言いました)この世から去るんだろうが、なるべく、いろいろ知っておきたい。
道理で六角精児はかなり誇張した前衛劇を茶化しながらあの歌を歌ったのか、そしてあの舞台を観に来るような方々の基礎教養には『田園に死す』が入っていてそれも楽しめたのか。
私は三十年遅れて「ああ、その台詞とその動きならその歌だわ」とわかったぞ三十年経過してやっと追いついた。三十年遅れであなたらと同じ楽しさを味わえたぞうれしい。
今、午前二時過ぎ。すでに服薬してる。寝ればいいのに。夜更かしはいかん。きっとあとで追い眠剤をかます。
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