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アダコテック コーポレート部の紹介

こんにちは、はじめまして。2023年1月から製造業×AIのアダコテックのコーポレート部で部長として働いております河治(カワジ)惇一と申します。

2023年1月よりアダコテックへ入社しましたが、本当に早いもので入社から1年以上が経過しましたので、コーポレート部の紹介とこれまでの歩みを振り返り、また今後の展望について書き連ねておこうと思います。(ちょっと長くなってしまいました・・・。)


これまでの私のキャリア

まず簡単に私の経歴を紹介させていただきます。
最初は銀行からキャリアをスタートし、自己勘定投資部門での投融資業務などに数年従事したあと、たまたまお誘いがあり国内中小企業向けの再生ファンドへ転職しました。

投資・バリューアップ担当として3年半で13社の投資実行と5社のエグジットを経験しましたが、企業支援におけるファイナンスの限界も同時に痛感し、事業会社やスタートアップで力を付けたいという欲求が徐々に芽生えていたため、思い切って障害者の就労支援を行うスタートアップであるmanabyに参画。取締役CFO・経営管理部長として約3年間かけて管理部門をゼロから立ち上げつつIPO準備を行い、2022/4に東証TPMへの上場を果たしました。

manabyでの仕事に一定の区切りがついたことから、テックベンチャーでの新たな成長機会を得るため2023/1よりアダコテックに入社し、現在に至っております。

コーポレート部長として大切にしていること

こんな感じでアダコテックに入社しましたが、ここからは私がmanaby時代含めコーポレートや管理部門として大切にしていることについて書きたいと思います。

スタートアップは事業成長がすべて

アーリーなスタートアップにおいては事業成長がすべてであり、成長できなければいずれ資金が底をつき会社は消滅してしまいます。コーポレートにおいてもこの点は強く意識しており、目的無く単純に内部統制を強めたり費用を抑えることは避けるべきだと考えています。ちょっとした支出判断や制度設計などあらゆる場面において、事業成長に資するため、スピードを落とさないためにはどうあるべきかという観点での意思決定を常に心がけています。

例えばアダコテックは全社的にコスト意識の高い集団ですが、一方でPCや周辺機器の選択購入が可能だったり懇親会費用を補助したりフレキシブルなワークスタイルを推奨していたりと、働く環境に関する支出・制度についてはチームのパフォーマンスを最大化する目的で柔軟に運用しています。また決裁権限はなるべく単純かつ明確にするとともに権限移譲を進め、意思決定のスピードを落とさないよう注意を払っています。

経営メンバーとの対話を重視し, ビジョンを実現する

コーポレートを運営するにあたって経営メンバーとの対話は最も重要だと考えています。信頼関係の構築という観点では言わずもがなですが、それ以上に大切なのは経営メンバーのアカウンティングやコンプラへの意識、価値観、判断基準などを把握し、経営方針の言語化しづらい部分の解像度を上げ、コーポレートのアクションをこれらに合わせて調整し、経営メンバーの方針やビジョンを実現するための仕組みづくりを日ごろから行っていくことです。

正直、各種業務フロー、内部統制、採用、ワークスタイル、評価・報酬制度、決裁権限、情報アクセス権などは世の中一般に普及している「べき論」だけで構築することも可能です。小規模組織ではそれでも大きな問題は生じないと思いますが、規模が大きくなってきた際に全体感の無さやビジョンとの不整合が際立ってきますし、不可逆的にもなります。よってできるだけ小規模のうちから無理のない範囲で実行していくことが重要だと考えています。

この点、アダコテックではCXOと部長クラスの定例MTGが週一で設定されており、また経営メンバーとの1on1が気軽に行えるため、コーポレートとしてはとてもやりやすい環境が揃っています。

必要な情報を提供し, 全社最適の視点での意思決定を促す

経営の本来的な機能はリソースの調達と配分を行うことですが、それを全社最適の視点で促し、また決まった方針を具体化・仕組み化するのはコーポレートの重要な役割の一つです。ここでいうリソースとは人・モノ・金・情報といったあらゆるものを指しています。

全社最適な視点での意思決定を促すためにはチームに対する数字やファクトの共有が欠かせません。再生ファンドでの経験上、中長期で沈んでいく会社においてほぼ100%共通しているのがファクトの軽視です。逆に生命力の強い会社は代表や幹部の頭に網羅的に情報が入っており、それが経営判断に活かされている傾向にあります。

コーポレートの役職者はその業務特性上、広範な情報アクセス権が付与されている場合が多いため、守秘義務は堅持しつつこれを活用し、全社視点で経営メンバーやミドルマネジメントへ情報を共有していくことが求められます。これを果たすことを考えれば、例えば漫然とルーティン化しがちな経理業務も単に財務会計と税務の観点をクリアすればいいという発想にはならず、細部にも意志が込められるはずです。

入社後の主な取組み

アダコテックではコーポレート部長として、財務経理、労務、コーポレートIT、総務、法務、人事、広報まで管掌しており、これらを私と出塚杏沙さんの2名で対応しております。ここからは足もとの取り組みについてお話ししたいと思います。

バックオフィスの再構築

アダコテックではもともと経理・労務をフリーランスの方に外注しておりましたが、私の入社と同時に解約となり業務が宙に浮いてしまい、また社内的にもバックオフィスへの課題感が表面化していました。加えて入社直後に税務調査、ISMS取得審査、インボイス制度開始が予定されていたため、まずは自分で直接手を動かしつつバックオフィスの再構築に取り組みました。

自ら手を動かしながらお金周りや労務手続きを通じて会社を理解し、また業務フローを整えていくことができた点においてこのプロセスは良かったと思いますが、一方で部長職が定常業務に追われる状態が続いてしまうのはその役割を果たせているとは言えず・・・。派遣社員を1名追加するほどの予算はなく、かといってアウトソーシングを利用したとしてもそのアウトプットを社内でチェックしなければならないため工数削減にはさほどつながりません。社内的には平静を装いながらも「うーん、どうしたものか・・・」と悩んでいたところ出塚さんから「私がやりましょうか?」と神の一声が・・・!!

出塚さんはもともと採用・広報担当としてアダコテックに入社した方でバックオフィスは担当外かつ未経験でしたがこれを機に受け持ってくださることになり、個人的にも会社としても本当に助かりました。出塚さんは全くの未経験ながら驚くべきスピードで業務をキャッチアップし、今ではアダコテックの屋台骨として経理を含むバックオフィス全般、ISMS、採用、広報までをこなすなどハイスペックぶりを日々発揮して下さっています。

アダコテックにおけるバックオフィスのシステム連携図は以下の画像のとおりです。マネーフォワードクラウド(会計・経費・給与・年末調整・社会保険)、invox受取請求書、boardのルールベースでの自動仕訳機能を最大限活用し経理工数を削減したりと、現時点においては十分な、効率的でシームレスな業務フローが構築できていると思います。電帳法(ペーパレス化)やインボイス制度にも対応済みです。また、属人化防止とPDCAを回しやすくする観点からNotionによる経理・労務・総務・IT・ISMS運用等の業務フローのドキュメント化も進め、概ね完了させることができました。

基本的な経営管理体制の構築

バックオフィスの整理と同時並行で取り組んだのが事業計画に対する予実・進捗を可視化する経営管理の取り組みでした。中期及び年度単位での経営目標やそのためのKGI・KPI・人員計画を設定し、財務モデルを回しながらこれらの実績をモニタリングしていくことは、正直なところアーリーなスタートアップでは大して重要ではありません。しかし、これらの経営管理の基本動作を組織に定着させ、計画策定のプロセスにより横断的なコミュニケーションがなされ、実績との差異を把握し将来予測の精度を少しづつ高めていくことは、中期的にはとても大切なケイパになります。

アダコテックの経営メンバーは経営管理の知識も豊富な方ばかりであるため、ここ1年で予実管理を含むマネジメントシステムの構築を優先的に進めてくださいました。具体的には中期のシミュレーションを意識した積み上げ方式の財務モデルの策定、HubSpotでの案件管理による売上やKPIの元となるデータの蓄積と出力、これらに合わせた会計科目・補助科目の設定、取締役会とのコミュニケーション、決裁権限の明確化などです。

この領域についてはコーポレートとしてまだ初歩的なことしかできていないため、経営メンバーへ有益な示唆出しができるよう事業進捗に応じてレベルアップしていきたいと考えています。

時間軸を意識してこれからのアクションをイメージする

バックオフィスや経営管理体制を整えつつ同時並行で思案していたのは、コーポレートの中期的な方針決めでした。
事業計画とその進捗を見ながら各領域において①1-2年以内、②PMF直前まで、③IPO N-2期首までの時間軸で状態目標を設定し、そのための人的リソースや予算の現実的な確保をいつどうやって行うかをイメージしておくことで、①のアクションを②③のto-beからの逆算で決めることができます。一部は完了しておりますが、アダコテックのコーポレートとしては②PMF直前までに以下の状態にまでもっていきたいと考えております。(ファイナンス領域は除いております。)

  1. バックオフィスのコア人材が確保され、事業スケールやIPO準備にも耐えられ、一定の内部統制が機能しており、必要なデータが整然と蓄積・共有されている状態。

  2. 事業計画と整合したマネジメントシステム(全社/部署計画・予実管理・会議体・諸制度)とこれに紐づく人事制度が構築され、情報共有、フィードバック、タイムリーな意思決定ができている状態。

  3. 採用計画を踏まえ素早く母集団形成に入ることができ、採用からオンボーディングまで期限通りに円滑に実施できる状態。

  4. 構築したいパーセプションを定義し、キーメッセージとともに社名やプロダクトを採用候補者やその他のターゲットに認知してもらえている状態。

なお、時間軸を意識するということは「今この瞬間はやらないこと」を決めることでもあり、これはコーポレートを運営する上で最も重要なポイントの一つだと考えています。やらないことを決めるということ≒リスクを取ることでもあるので、コーポレートとしてのリスクテイクの腕の見せ所でもあります。

やるべきこと・やったほうがいいことは常に無限にありますが、コーポレート業務の優先順位は事業進捗や組織状況に大きく影響を受けることから、それらをどのタイミング・順番でどのように解決するのか、解くための前提条件は何なのか、社内の状況を踏まえ常に考えておく必要があります。

戦略を立てるスキルは3つの要素で形成される。
①現時点で本当に重要なのはどれで、後回しにしてよいのはどれかを見きわめる能力。
②その重要な問題の解決は手持ちのリソースで現実的に解決可能なのかを判断する能力。
③リソースを集中して投入する決断を下す能力、逆に言えば、貴重なリソースを小出しにしたり、一度にいろいろなことに手を出したりする愚を犯さない能力。

書籍「戦略の要諦」より

これから取り組んでいきたいこと

採用強化やファイナンス領域へ

直近1年で取り組んできたバックオフィスの再構築や経営管理の整備により、コーポレートのチーム力の底上げと足場固めを概ね終えられました。これによって採用人事、広報、ファイナンスといったより抽象度の高い、アダコテックの事業やビジョンを一定理解した後でないとできない領域に対してアプローチする余力を作ることができました。

経営メンバーのコーポレートのに対する役割期待は、いわゆるBSCの4つの視点(弊社COOの村井さんから教えていただきました。)のうち「財務の視点」と「学習と成長の視点」での方針決めとアクションを行うことです。上記状態目標1~4は基本的にこの視点で考えております。(ファイナンス領域は含めていませんが、エクイティストーリーやPMF後の財務戦略については実質的にCFOを兼任している河邑CEOや経営メンバーと協議しながら別軸で動いていこうと思っています。)

今後はこれらに向けてアクションすることでより能動的に事業へ貢献していきたいのと、特に採用においてはアダコテックの強みや良い点を潜在的な求職者含め、もっとたくさんの人に知ってもらえたら嬉しいなと思っております。


アダコテックでは一緒に働いてくださる方を絶賛募集しておりますので、少しでもご興味があればぜひ採用ページを覗いてみてください!


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