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【ひきこもり・不登校#6】不登校の中2、Bさん②「家出」

前回からの続編です。間があいてしまってすみません。

ひきこもりや不登校の問題は本人だけの問題ではありません。家族や親戚、周囲の人も巻き込んでいきます。
そしてその結果、関係が崩れてしまうこともあります。
今日はそんな事例を紹介していきます。

家出したBさん

昨年の10月頃、Bさんは家出しました。
きっかけはお母さんとのけんか。一日中家にいるのに何もせずゴロゴロしている娘に、お母さんはとうとう我慢の限界を迎えたのです。
食べた後のお皿も片付けない。「洗濯物干しといてね」と言ったのにしない。一日中ゴロゴロしてYouTubeばかり見ている。
かと思うと夜中はゴソゴソ動き出して、家族が寝るのを邪魔する。
不登校になった当初はまだ、皿洗いや洗濯物干しもしてくれていたのに、だんだんダメになっている気がする。
「このままじゃダメだ。何とかしないと」
お母さんはそう思ったのでしょう。
そしてある日とうとう腹に据えかねて、
「いいかげんにしなさい!いつまでそうやってるの!お母さんや弟もみんな我慢してるのよ!」
と、これまで言わずに溜めてきた思いを一気に吐き出したのです。
するとBさんは、
「私がいないほうがいいんだね。じゃあ出ていく!」
と言って家を出てしまいました。

と言ってもBさんはまじめな子なので街を徘徊したりはしません。行先はそんなに遠くない祖父母の家でした。

実母との関係がくずれる

Bさんは家出して祖父母の家へ行きました。お母さんの実の両親のところです。
おばあちゃんは家出してきた孫を見て「かわいそう」だと思いました。そして実の娘に対して「こんなに追い込まなくてもいいのに。Bのことをわかってあげられていない」と思いました。
おばあちゃんはお母さん(娘)に、
「もう少しBの気持ちに寄り添ったらどうなの?」
「今、Bに必要なのはすべて受け入れて、ゆっくり休ませることよ」
とアドバイスをしました。
それに対して お母さんは、
「最大限理解しようとしているし、寄り添おうともしている。でも、何でもかんでも娘の言うことやわがまま放題を受け入れることが娘のためになるとは思わない」
と自分の考えを伝えました。

でも、それがおばあちゃんには伝わらず、妹まで巻き込んでどんどん関係が悪化していきました。
「あんなに仲良かったのに、娘の不登校がきっかけでこんなことになるなんて…」
お母さんは涙を流しながら僕にこう話してくれました。

僕も同じような経験を・・

実は僕も同じような経験があります。
僕のウツ・ひきこもりがきっかけで、妻と僕の実母や兄弟との関係が悪化してしまったのです。
そしてそれは今でも回復できていません。

ウツやひきこもり、不登校の問題は得てして親族との関係に亀裂が生じやすくなります。
なぜならみんな、その子(人)に特別な思い入れがあり、「何とかしてあげたい」と思うからです。
当事者意識があるからこそ、"こじれる"、"くずれる"。
ウツ・ひきこもり・不登校の家族の支援は、もしかしたら親族などの当事者意識をもった人ではなく、感情が入りすぎない第3者に支援してもらうのがよいのかもしれません。
かと言って、あまりに他人事だとそれもまた救われないと思うので、そこが難しいところでもあります。


今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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