ranko's diary 0016

今日は、ショックを受けた。

水川が、遠い目をして呟いたのだ。

「あ~あ、昔はよかったねえ。ガキに戻りたいねえ」

インテリの千代子までもが、それを聞き、大きく頷いたのだ。

夕陽が射し込む、放課後の静かな教室。

私たちの間を、五臓六腑を突き上げる感傷的な風が吹き抜けたような気がした 。

ガキに戻りたい?

私は、そんなこと考えたこともない。

インテリの千代子まで、そんなこと考えてるなんて。

私は驚きだよ。

「絶対に戻れないのに、そんなこと考えるの無意味じゃん」

「絶対に戻れないってわかってるから、考えるのよ」

え? え? え? え?。それって、全然わからない。

だって意味がない。

不可解な顔をしていたら、二人から軽蔑のまなざしを受けた。

「ロマンとか想像力とかが、欠如しているのよね」

え? え? え? え?。

無意味なことを考えるのが、ロマンだったの?

そんなの知らなかった。

でも、いま知ったからって理解できない。

だって無意味じゃない。

え? それって、もしかして、ポスト・モダン?

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