見出し画像

【かるた】ち/近い

【ち】
近くても 小さい チンアナゴ

〈心の距離の近さについて思い出した話〉
小さい人が小さい頃(たぶん2歳くらいの頃)、一部の方を除きあまり人見知りをしなかったと言うより、非常に心の距離の近い子供だった。母と違って。だから助けられたことあるし、心配した事もある。

一番衝撃的だったことは、ある日の車で1時間程の少し遠い大きな公園に遊びに行った時のこと。
車から降りてすぐ、はじめての遊具もたくさんあって、「どれから回ろうか?」と小さい人をふと見ると、母と繋いでる手と反対の手をそろりそろりと伸ばして

見知らぬ女性の手を後ろからそっと握った。

母である私も「!」と驚いたが、握られた女性も「え!?」となった。
そりゃ、突然我が子でもない幼児のしっとりと温かい小さな手に掴まれたら驚くと思う。
そして「お母さんと間違えちゃったのかな?」と戸惑いながらもやさしく小さい人を見ると、

にっこり天使の微笑みをして
「あっちに行こ!」とものすごくハッキリ声をかけて誘っているのだ。
うっかり間違えたわけではなく、まぎれもなく新手のタチの悪い「ナンパ」である。

もう、「すみません、ごめんなさい、申し訳ない、さー手を離して」なんて引き剥がそうとしても
(こんなに優しそうで綺麗な人を誘ってなぜいけないの?ぼくは一緒に遊びたいだけなのに!)とまあるい真っ直ぐな瞳で母を見てくる。

「貴方の母さんはここ。こちらの方は他所のママ。知らない人を誘うときにはまず「一緒に遊ぼ」と声を掛けて「いいよ」と言われないとダメだよ、、はいはいその手を離して」

やさしい他所のママは
「大丈夫ですよー、でも今はうちの子と一緒に遊んでるから一緒には行けないなー、ごめんねー」なんて微笑んで許してくれる。

ただ、他所のママの反対の手に繋がれた5歳くらいの女の子の警戒と軽蔑の視線が今も忘れられない。
、、あの時はごめんなさい、大切なママを連れて行こうとしたわけじゃ無いのですよ!(しようとしてたけど、、)

小さい人のナンパは、その後も何度か絶対に怒らないやさしい人にだけ発動され、
ほとんど人見知りしない小さい人に、人見知りの母は振り回される事になった。

でも、その慧眼(けいがん)は確かでみんなやさしく対応してくれて母は助けられたのだった。
〈他所の方の優しさがありがたかった話〉

*****

慧眼:仏語。五眼(ごげん)の一。二乗(にじょう)の人がもつ、一切の事物を空であると見通す智慧(ちえ)の目。
物事の本質を鋭く見抜く力。炯眼(けいがん)。「慧眼の士」→慧眼(えげん)

鑑識眼:〘名〙 物事の性質、善悪、真贋、美醜などを見分けることのできる能力。鑑識力。眼力。眼識。

審美眼:美を的確に見極める能力。

「コトバンク」より

へーーー

この記事が参加している募集

育児日記

よろしければサポートをお願いします。恩返しに雀の御殿か竜宮城にご案内します^^