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図太くなろうと頑張らなくて良い~仲間の繊細さんたち(HSP)へ、そうでない人たちへも~

 「図太い」って、最近は誉め言葉で使う。「繊細」は対義語みたいに、少し否定的な意味が含まれる。だから「繊細じゃなくて図太い方が良い」といった風にその言葉を使う。私もそれが自分をラクにする方法で良いのだろうなあと思ってきていた。
 自分を図太くて精神力が強いと思いたいから、そうでもないんじゃないかと気づいた瞬間があると、「そんなはずはない!」と抵抗したくなる。繊細な部分や揺れやすい部分があると知ってから、それもそれで良いと思えるまでずいぶん時間がかかった。

 ここnoteには、繊細な人や気持ちの揺れやすい人がたくさんいる。もちろんそうでない人もいるのだけど、心の内を書く機会が多いからか、身近な知り合いより割合が多い気がする。
 身近にいる友人でも特別に繊細なタイプがいる。でもそうでない人たちを大好きなように、特別に繊細な人たちも私にとっては愛おしい。友人の彼女については、私以上に不安になりやすく、私よりずっと気遣いがあって、疲れるだろうと思うのだけど、「その部分を変えてほしい」「変われば良いのに」とは思っていない。あくまでも私との比較だし、彼女はアドバイスを欲しがっているわけではないので。私にも不安になりやすい部分があって、人への気の遣い方が過剰になる瞬間が多々ある。ただ私は過剰過ぎると自覚があるので、そこを抑え、出さないようにする。気を使われていると知ると、遠慮してあえて気づいていないフリをするのだ。本当に気づいていない時もあるけど。
 それにしてもずいぶんややこしい作業を無意識に行って繰り返しているのだなあと、書いてみると少しだけ呆れる。振り返ると呆れるけど、そんなに苦痛でもないし、その時はほぼ無意識だ。
 自分のそういった部分は、私より細やかな気遣いを存分に発揮する彼女の前だと、強がらずに済むし、遠慮しないでそのままの自分でいやすい。

 彼女にそういう部分を変えなくて良いと思うのは、私にとってメリットがあるだけでなく、私より強調されている部分を見ていると、単純に「彼女らしくて可愛いな」と思ってしまうところから。

 疲れるだろうと想像しているであろう人は、多分あまりそういう部分を自分の中に多く持っていないからだろう。繊細で揺れやすいのは確かに疲れてしんどい時もある。でももっと疲れるのは、それを「直さなきゃ」と思う時。
 そういう部分を「直せ」「変われ」と言われるのは、私の場合は傷つく。今の自分じゃダメなんだと思う。子供の頃はそうやって周りに言われて、自己否定と、変わらなきゃという焦燥感とを繰り返してきた。そして結果、変われずに自己否定だけが残る

 変われない。
 でも直した方が良いと言われる。

 そんなにいけないことだろうか。繊細な部分や揺れやすい感情。繰り返す思い。

 疲れたら、休み方や逃げる場所、休むタイミングを知れば良い。それが私たちにとって身につけなければならないこと。

 図太いと自分で思える人は、それを大変な利点だと実感できているから、人に勧めるのだろう。きっと心配もしてくれているのだろう。気持ちはすごくありがたいのだけど!!

 それほど強く感じないでスパスパと言えたら。
 物事を深刻に捉えないで流せたら。
 人の心に翻弄されずに自分の好きにできたら。
 自分を傷つけないようにして結果、人を傷つけてしまうことに、もう少し鈍感でいられたら。

 どんなにラクだろうと思うけれど、図太い人が強いのだろうか? 繊細で揺れやすい人の中にも心の強い人はいる。コレで良いと納得づくの人もたくさんいるし、そうやって考えのハッキリしている人もたくさんいる。もっと言えば、私たちは図太い人の存在のありがたさもよく知っている。そういう人たちに励まされ、元気をもらえる。だから自分と似たタイプだけじゃなく、そういったタイプの人とだって付き合えるし、近くにいてほしい。
 ただ同じようにした方がラクなはずだと、どうか私たちに求めないでほしい。そうはできない人たちを見下さないでほしい。私たちは、そういった人たちと共に歩んでいきたいと願っている。何も一方的に存在しているわけではない。互いに補い合う部分がある。

 繊細な部分は、変えようと頑張っても変えられるものではない。変えられたらとっくの昔に変わっている。

 その人にとって何十年も付き合って来た愛らしい部分、魅力的な部分、宝なのだ。だってだからその人がいるのだから。そしてその視線で周りを見られるのだから。
 変えなくて良い。
 図太くなろうと努力しなくたって良い。
 どうかアナタの魅力はそのままに。


#エッセイ #図太さ #繊細さ #どちらのタイプも尊重される #そのままで #変える方がストレス #HSP

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。