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ツグミのように思いをめぐらす日々

 他人の備忘録とか、徒然なるままに書いた記事が好き。
 
 個人的な出来事や日常や背景、考えって、自分とは似ていたり違ったり。自分とは別の暮らしを垣間見るのは、私にとっては面白い。
 そんなの読むのは時間の無駄って人がいるけど、私には全然無駄じゃない。オチがあってもなくても、気分が落ち着く。一枚の写真だって。色合いの好きな絵だって。心を癒される。セロトニンが増えている気がする! どうか、みんなつれづれなるままに好きに書いてほしい! 無駄どころじゃなく、私のその時間を奪わないで!! とすら思う。
 刺激的な記事や批判精神あふれた優れた記事は、むしろそのことで頭をいっぱいにしてしまうから、私には疲れる。

 みんなで増やそうセロトニン。

 私はそれからじゃないと、自分の気持ちが安定して書けない。整理のために落ち着くために書いているところもあるけど、疲れていると気分がとにかく重たいので。

 前置き長くなったけど、言い訳をしたいのだ。
 どうしても書きたい、どうでも良いこと。


 野鳥のツグミってのがいる。
 とりのなん子さんの「とりぱん」にも描かれているように、ツグミは非常に愛嬌のある鳥。(ヘッダーの写真、「ツグミ」で検索して借りました。ピッタリのがあって嬉しかった。ありがとうございます。)
 茶色くて、ヒヨドリ大。ヒヨドリを知らないのであれば、スズメとカラスの間くらいと、ざっくりそのサイズを思い浮かべて下さい。
 パッと見は地味。でも日本では冬の鳥なので夏には見られず、今の季節によく見られ、「あっツグミだ!」ってちょっとした発見で嬉しい。

 で、そのツグミがどう愛嬌あるかと言えば、ちょっと間抜けなのだ。
 広い芝生に、何羽も点々といたりする。群れている感じではない。ソーシャルディスタンスを保っているかのように一羽一羽。
 何をしているのかと言えば、ボーッとしている。
 顔を上げて、宙を見ている。ただ立っている。

 何やってるんだろう。
 
 近づくと、当然逃げる。でもその逃げ方も他の鳥とはちょっと様子が違って。すんごい驚かれたように、突然バサバサって飛んで逃げる。臆病らしいのだ。
 臆病らしいのに、近づくまで逃げないのは、やっぱり気が付いていないからなんじゃないだろうか。彼ら彼女らは、本当にボーッと考え事でもしているんじゃないだろうか。
 と憶測したくなるほど「わああっビックリしたやんかあ!!」みたいにボンヤリからの、突然の羽ばたきなのだ。
 忍びの恰好をして忍び薬でも飲んで、本気でそーっと近づけば、ツグミはアッサリ捕まえられそうな気がする。

 彼らのボンヤリさに、この前さらに驚いたのが、二羽がどうやらケンカしていて。縄張り争いなのだろうか。ケンカに夢中過ぎて、思い切り車道に飛び出てきたのだ。
 二羽して車道でバタバタ取っ組み合い。
 なにやってんだ。
 呆れて車を止めた。田舎なので後続車がいたわけでもなく、気の良い私はちょっと見守ることに。するとケンカに夢中だった二羽が、私の車に気づいたみたいで「わああっビックリしたやんかあ!!」って飛んで逃げた。そしてちょっと奥で、ケンカし直してた。

 「……ツグミね」

 そうよね。なるほどね。と思いながら通り過ぎた。

 ちなみに冬の鳥と書いたし、渡り鳥なのだけど、中でもボンヤリさが秀でた者は、ゴールデンウィークくらいまで見られる。きっと帰るのを忘れてうっかり取り残されたに違いない。

 今日は、生活クラブの注文書や卵ケース、ビニール袋を回収する近所のご家庭に、思い切りキジのメスがうろついていてビックリした。息子が近くにいたので「うわあ! 見て、メスのキジだよ~!」と呼んでから、注文書などを出しに近づいたら、山の方に飛んで逃げていった。私に気づいてから、私が近づくまで、木陰に逃げて隠れた気になっていたのが可愛かった。見えてるって。

 ねえ。

 こんな記事の日だから書くけどさ。
 今募集しているタグ、自分にとって大切なことって……。
 多すぎない?
 仕事はしていなくても、過去にしていた時に仕事を通じてわかった本当に大切なこと、に思いを馳せる日もある。
 それに加えて、ふだん大切にしている考えや行動、今の自分がつくられたきっかけ、自分の軸がぶれないよう、守っていることなんて山のようにある。それで自分を保っているわけで。
 お題が出た時に「面白そう!」と思ったそばから「どれをテーマに書こう」と、私は自分を形作るたくさんの出来事や日々の考えの多さに、ちょっと右往左往している。
 その中から何を選び、どう書くかなんだよなあ。

 そんな風に思いを馳せている私は、傍から見るとツグミみたいなんだろうなあ。

 なんて、無理やり話をくっつけてみた。


#エッセイ #野鳥 #ツグミ #キジ #何でもない

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。