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アフターデジタル2/藤井保文

アフターデジタル化している社会の今後の姿と、先に進んでいる他国(主に中国)の事例。そこからアフターデジタル社会のあるべき姿の紹介。

■アフターデジタル化する社会

そもそもアフターデジタルとは。そしてビフォアデジタルとは。

○ビフォアデジタル
リアルを中心として、リアルの補完的役割、おまけ的にデジタルを付加価値として追加する考え方。

○アフターデジタル
デジタルの中にリアルが内在する。要素の一つになる。

この転換で二つの主従関係が逆転する。
そして、この転換により産業構造が大きく変わることとなる。

○アフターデジタル型産業構造
決済プラットフォーマー
サービサー
メーカー
この3つの位置関係が構築されていくことになる。

デジタル化する中では、顧客と企業の接点が非常に多くなる。
これまでは、製品の販売という点にのみ接点が発生していた。
(バリューチェーン)

アフターデジタルでは、製品販売はあくまでも1つの要素となる。
購買以外にも、デジタル、リアルを問わず多くの点でつながりが発生する。
(バリュージャーニー)

■アフターデジタル型産業構造


○決済プラットフォーマー
決済という単一の動きになりがちな中で、成長した企業は企業ミッションと元来のケイパビリティ(能力と方法論)を生かして普及させた。
例)アリババとテンセントの違い

○メーカー
ペインポイントの解決、ライフスタイルへの新しい意味付けをするサービスを拡大し、顧客との定常的な接点を持つバリュージャーニーへ変化
=メーカーのサービサー化
例)NIO(中国自動車メーカー)

これにより購入という行動がバリュージャーニーの一部に埋め込まれる。
=コマースの遍在化

■OMO

OMOとは
OMO(Online Merges with Offline)
アフターデジタル化社会への対応の中で、オンラインとオフラインを分けて考えず、一体のジャーニーとして捉える考え方。

流通革命としてのOMO
オンラインでの当たり前をオフラインに応用
例)タクシー配車、デリバリーフード

接点革命としてのOMO
デジタル接点を軸にリアル接点ツール的に扱う。
例)NIO、ズールー


■ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチ

○ハイタッチ
1対1での接点 個別
○ロータッチ
1対多数 ワークショップ
○テックタッチ
1対無限 オンラインコンテンツ、メール

*ハイタッチはダニエルピンク氏の著書(ハイコンセプト)に詳しく記載されている。
豊かさ、アジア、オートメーションのより、右脳タイプの時代がやってくると記されている。


アフターデジタルでは、テックタッチとハイタッチ/ロータッチをつなぎ合わせ、シナジー効果を発揮させると良い。


DXとは、
デジタルとリアル融合→行動データ→体験提供型=バリュージャーニー作成

という流れを考える活動。


■UXインテリジェンス

精神
テクノロジとUXによって人の行動を変える「アーキテクチャー」を設計していることを自覚する。
悪用することは、社会発展を止めることになる。
データはUXに還元し、信頼関係を築く。
新しい世界観(コンセプト)を持ってサービスを構築する。

能力
アフターデジタルに対応する能力は、「バリュージャーニーを設計するUX企画力」。
そのために、ユーザーの置かれた状況を理解する。

■まとめ

アフターデジタルとは、デジタルとリアルの主従関係が逆転すること。
ここが一番の発見であった。
そのため、発想の転換が必要。
バリューチェーン(商品販売)からバリュージャーニーへ
ここから産業構造も変わってくる。
これを意図的に行うことが、DXの要諦である。

デジタルを用いた継続的な関係=バリュージャーニーと言うことを理解したが、これはサブスクリプションなど身近にある状況であると実感した。

先進的な中国から学ぶことは多い。
しかしながら、状況、環境は異なるため完全には当てはめることはできない。

バリュージャーニーを設計する際は、世界観(ビジョン)が重要な点も心に留めたい。






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