見出し画像

店の名は?

普段、慣れ親しんだ店の名前を気に留めることは少ない。
しかし、その名前の由来に思いを致すと、創業者の思想や事業のコンセプトに気付くことがある。

「無印良品」は、過剰な機能や品質、マーケティング費、広告費が価格転嫁された「ブランド」へのアンチテーゼ。
「ファミリーマート」には、コンビニと個人商店は敵でなく、FC展開で共存共栄できる「家族」だという思いが込められている。

無駄を削ぎ落とした商品と暮らす幸せを提案する、店舗の創意工夫を尊重して地域の消費文化を守る――セゾングループ総帥だった堤清二は、このように事業を通じて消費者の自由を保障し、「自立した消費者」たる市民を育てようとした。

M&Aが日常茶飯事となった流通業界にあって、セゾングループも例外ではなかった。
もう元に戻ることはないだろうし、同じグループだっだことすら世間に忘れ去られつつある。
ただ、創業時の思い、DNAは、いまだその店の名に宿されている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?