カヤックが入社式に退職届を読ませる理由

カヤック人事部の柴田です。面白法人カヤックの入社式では、新入社員が退職届を読みあげます。

理由1:「カヤックで何を成し遂げたいのか」を最初に考えてほしいから

アライアンスという書籍に書かれていた内容がヒントになっています。定年まで働くことを前提とはしない会社において、「どこまでなしとげたらカヤックを卒業するのか」を入社したタイミングで考えることが目的です。逆に会社側としては、「その社員が成し遂げたいこと」を支援するために何ができるかを考える必要があります。これでやっと対等な関係で、働き続けてもらうことができます。

新人が今後何を目指しているかを毎年聞けるのは、気が引き締まるので先輩社員にとってもプラスです。

1年後に退職届を見直したほうがよい。新入社員だけじゃなくて、全社員が書いた方が良い。

これは今年の新入社員から出てきたアイデアです。1年後に退職届を見直す、書き直すことをやったほうがいいということでした。確かにこれはいいですね。もしかしたら全員、カヤックで何を成し遂げたいのか、を考えてもよさそうです。しかし、「全社員で退職届を書く」は実施しないでしょう。なぜか。

理由2:「入社式で退職届を読む」に「面白法人らしさ」があるから

「面白法人的らしさ」とは何か。「入社してすぐに退職届を読み上げる」というちょっとした、「会社制度をコンテンツとして楽しめる要素」がありつつも、かつ、その目的が「理にかなっている」ということです。単に「全社員が将来のことを考えて退職届を書く制度」では、ちょっと弱い。

人事的な目的から考えた施策に加えて、その会社の「らしさ」も反映されている制度だからやってみた、ということかもしれません。以下似たようなことをツイートしたときの図です。

理由3:社内向けにやりたいことを言いふらすことで、希望に似たプロジェクトがあったら誘いがかかるから

カヤックでは常に複数のプロジェクトが動いています。面白法人をつまく使いこなしている人は、自分のやりたいことと、社内で動いているプロジェクトをすりあわせて、いい感じに「社内の仕事でやりたいことをやる」を実現しています。新入社員が書いた退職届は全社に公開されています。誰が何をやりたいのか、各社員の頭の中に少しだけでも残れば、本人の希望することに近いプロジェクトが発生したときには、声がかかるかもしれません。


今年の入社式でよまれた退職届を紹介します

2019年の4月に入社した村上くんが、5年後に退職することを想定して書かれた退職届です。

-----退職届ここから-----

みなさま、おはようございます。むらまさです。

わたしは、入社時には進撃の巨人タクティクスで企画部として、入社させていただきました。全然違う畑の出身なものですから、最初は見習いとして働かせていただいておりましたが、それから5年が経ち、既に退職された方含め、皆さまのおかげで成長させていただき、ゲキタクをはじめプロデューサーとしていくつかの案件に携わらせていただくことができました。カヤックで学ぶべき事柄は概ね学べたものと判断いたしまして、本日をもって、カヤックを退職いたしたく存じます。

日本では憲法25条で健康で文化的な最低限度の生活は保証されていますが、とはいえ私にとっては、現代の日本という経済社会で幸福感に満ちた生活を送るには、やはり仕事をしてお金を稼いで行く必要があります。仕事は不可避だとおもっています。

一方で、わたしは素敵な妻との時間を大切にしたいし、可愛い子供たちとの時間も大事にしたいんです。彼らといっぱい思い出をっていきたい。わたしの価値観において非常に大切なことです。けれども、カヤックに関わらず一般的な働き方だと、なかなか思い通りには時間をつかえず、家庭と仕事が分離してしまいます。

だから、すでに一部進んでいるところもあるのですが、これからは妻といっしょに仕事を創っていきたいと思っています。家庭と仕事が分離しない生き方をしていきたい。これは入社の頃から変わらない夢のひとつです。

カヤックという選択はその夢を確かなものにするための第一歩でした。プロデューサーのお仕事を通じて、ビジネスをローンチするところから、スケールして、保守運用のところまで、どのようにプランニング・マネジメントするのかということ。どうやってチームのメンバーに、生産性が高く、かつ人として気持ちよく働いてもらうか。

また、会社の個性豊かなメンバーから盗める能力は盗ませていただき、社内外の人脈も豊かにしていくことができました。いっときは研究者もしていたものですから、ロジカルな物事に携わることが多かったですが、そこでは不足していたクリエイティブとアーティスティックの素養も伸ばすことができたと実感しております。

カヤックで成し遂げられたことは会社の資本があってこそだったので、これまでの経験にない小規模な体制でビジネスをつくっていくことに不安もありますが、「今日もなんだか楽しいぞ!」のメンタリティでやっていくつもりです。

あらためまして、皆様大変お世話になりまして、ありがとうございました。
今後は、同僚としてではなく、一個人としてのむらまさと、また仲良くしてやってくだされれば幸いです。

村上 雅哉

-----退職届ここまで-----


サンプルで書いた人事部柴田の退職届ものせておきます。

わたくし、柴田史郎は、2021年 3月 31日をもって、カヤックを卒業します。10年ぐらい働いた。新入社員として入社したとき、面白法人なんだから、なんか面白いことやればいいのかな、という気軽な気持ちで入社を決めていました。しかし、まさかこんなに人事のことをきちんと勉強することになるとは、おもいもよりませんでした。おかげさまで、人事のセオリーの基本はみについたかなと考えています。

入社後、最も印象に残っている仕事は、何かあったと思いますが、もう忘れてしまいました。いつも目の前の仕事が大変だった気がしますが、終わるとすぐに忘れてしまうので、記憶がありません。ちなみに、私は嫌いな食べ物はありません。しかし、嫌いな食べ物がないというのが面倒くさいので、らっきょうがきらいと嘘をついています。

よって、一番大変だった仕事も、以前の自分だったら、適当なエピソードを説明してごまかしていたでしょうが、カヤックで働くことで「思ったことをそのまま言えばいい」ということを学びました。でも書きながら思い出しましたが、月に1回ぐらいは、「いつまでこの仕事続けるんだ」と考えていた気がします。新しいチャレンジが山ほどできるので、元気があるときは楽しいのですが、疲れると「もうやりたくない」となります。だから月に1回ぐらいは、「もうやりたくない」となっていました。

面接で辞めたくなったときはありますか?と聞かれたときも、「月に1回ぐらいありますね」と答えています。別にそれでひいてしまうような人は、カヤックに来ない方がいいのです。ここから、「なんでもホントのことを話してくれるんだな」ということを感じ取る人が、カヤックに入社すべき人なのです。ありのままなのです。

私は今後、コメダ珈琲が好きなので、自分で店長になりたいと考えています。コメダ珈琲は個人でフランチャイズを募集しています。なので、私も店長になれるのです。しかし、コメダ珈琲の横に住めばいいのではないか、自分で運営する必要はないのでは、というところが悩みどころです。面接をたくさんしてきましたが、コメダ珈琲の店員は、人柄的にカヤック基準で合格になるケースが多い気がしています。なぜなのでしょうか。もう人事をやりすぎて、誰と話していても、「カヤック基準でこの人は、合格か不合格か」を無意識に見極める体になってしまいました。

カヤック基準で合格のひとは、人柄的にはいい人が多いはずなのです!細かいことは人事的な知識でも説明できるのですが、省きます。なので、私がカヤック面接基準でスクリーニングした独身男女をマッチングさせる会をすると、出会いが少ないと考えている世の中の独身男女にとってメリットがあるはずなのです。つまり、私がつぎにやることは、「仕事探しと恋人探しが両方できる相談所」なのです。仕事を探しに来た人に、なぜか恋人候補を紹介してしまうというパターンです。本当は恋人がほしいのに、そうは言い出せないひとも、仕事を探しに来たという体ならば、恥ずかしがらずに、相談ができるのです。

世の中の人を、「結婚相手としては人気があるかどうか」と「出会いのリテラシー(人見知りとか、外に出ないとか)があるかどうか」の2軸で分けてみます。

出会わせるべき対象は、結婚相手としては世間的にとても需要がある人なのに、人見知りだったりとか、奥手だったりとかで、「出会いのリテラシー」がない人同士なのです。つまりエンジニアですね!!エンジニアは今後も職業として需要がありますが、みんなシャイな人が多い。かつ、いい人だったら、カヤックで採用すればいいのです。なんということでしょう。

それらを応用して、採用キャンペーンとしてこれは氏原さんと考えたのですが、「お見合い面接」というものです。まず、カヤックで働きたい、もしくは鎌倉で働きたい独身男女のみが応募できる採用キャンペーンを行います。そこで書類選考を行い、会社説明会で男女5名ずつ、10名で開催します。つまりこれは合コンです。合コンにいったことはないが、たぶんそうだ。そして、選考に進む場合も、面接官1名に、男女1名ずつでやります。そして、面接官は「後は若い者同士で」と去って行くのです。面接は適当でいいじゃないか。本当にこれがやりたいのかと言われるとわからないのですが、でも人事はあきたので、人事の能力を活かして何か別のことをやっていきたいと考えています。

マッサー人事という、マッサージ師と人事を書け交わせた名前だけはああるのですが、これはあんまマッサージ師の国家資格をとるのに3年かかるので、日和っています。マッサージ師のひとと2名でお笑いコンビのようにユニットを組む案も考えているのですが、いまいちです。

以上です。本当にありがとうございました。

最後に

人事部主催で毎月、変な勉強会をやってるので興味あったらご参加ください!


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ありがとうございます!次の記事はまた全然違うのをかきます!
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柴田が書いたのnote

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コメント1件

すごい。 関わる初日から、自社を、ある意味で「腰掛けWelcome」として受け入れてる…という社風が、懐の深さを感じて感動しました。 また、これは、何故働くのか、ここで何をしたいのか、辞めるときにはどういう自分でいたいのか、の《宣言書》でもあるわけですね。 ブラボー!
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