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『ADHD、本当に大変なの?』エッセイ-04

発達障害メイド喫茶スターブロッサム、代表”花屋乃かや”です。
はじめましての皆様。いつもお顔を合わせたりTwitterでフォローいただいている皆様。今日はちょっと長くはなりますが、最後まで読んでくださり、私の事を知っていただくと嬉しいです。

わたしはADHDと診断されています。
子どもになってから診断される人もいれば、大人になってから診断を受ける人もいるし、要素があっても診断されることがなく困り感を持ったままの人がいます。ADHDの特徴は主に下記に当てはまる事とされています。

●不注意に関連する事象
年齢に相応しくない以下のような事象が少なくとも半年以上にわたって続き、日常生活に悪影響を及ぼすことがあります。
・忘れ物やなくし物が多い
・話しかけても聞いていない
・約束などを忘れてしまう
・すぐに気が散ってしまう細かいことを見過ごしてしまう(ケアレスミスが多い)
・課題や遊びなどを途中でやめてしまう物事をやり遂げることができない
・順序立てることや整理整頓ができない
・コツコツやること(勉強など)を避けたり、いやいや行う

"武田薬品工業株式会社-ADHDについて向き合う"

●多動性・衝動性に関連する事象
年齢に相応しくない以下のような事象が少なくとも半年以上にわたって続き、日常生活に悪影響を及ぼすことがあります。手足をそわそわ動かしている
・授業中に席を離れてしまう
・じっとしていられない
・静かにできない
・急に走り出す
・おしゃべりが過ぎる
・質問が終わる前に答えてしまう
・順番を抜かしてしまう
・友だちのしていることをさえぎる

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どうでしょうか?診断を受けていなくても”当てはまる項目”は誰しもあるのではないのでしょうか。
例えば、傘を忘れたり、うっかりしゃべりすぎたり、遅刻してしまったり。
これらのことは健常者(今回は診断されていない人のことを指します)でもよくある事のように思えるので、ついうっかり悪気なく「私もそうだよ」と声をかけられることがあります。

今回は、私個人がADHDが診断されるまで困っていたこと、診断されてからの生きづらさについても書いていきたいと思います。
子ども時代は落ち着きはないものの『元気でやんちゃな子』という扱いでした。
幼稚園の頃のリレーでは、皆がスタートから走っているのに、私はゴールまで逆走してぶっちぎりの1位でした。
(勿論これはルール違反で失格ですよ!)
けれど子どもであるということから”面白い子”で済まされてしまいます。
小さな気づきも、子どもだからよくあることでまとめられてしまうのです。小学生の頃は絵が上手なのが幸いし、周りからも必要とされることも多く、特に浮くこともなかったのですが、通知表のコメントには『ボーっとしている』と書かれています。

そのまま中学に上がり、悲劇が起きました・・・・。
中学生というのは多感な時期で、特に女子と男子という明らかなグループとして分かれる現象があります。(現在はどうかわかりません。)
私は他校の女子グループと仲良くなりました。
そしてグループのAちゃんについて話が上がりました。

B「ねぇ、Aちゃんって天然だよね~?かやちゃんもそう思うでしょ?」
私「ううん、別にそんなことないよ。」

まさかの、その次の日から空気が読めない子として無視されます。
そして悪魔のような内容の手紙が回ってきたり、いじめに発展して酷いストレスで脱毛症になります。
現在はいじめの経験で受けたダメージが発達障害の二次障害である精神症状として出ており、今もしんどい思いをしています。

●二次障害とは
ADHDとともに日常生活を送ることによって心理的な傷つきや精神的不調を抱え、それが日常生活の支障となることもあります。これらを「二次障害」といいます。
● 体の不調……頭痛、食欲不振、不眠 など
● 精神面の不調……過剰な不安や緊張、抑うつ気分、社交不安(対人恐怖)、不登校、引きこもり など
● 行動面の問題……強い反抗、暴言・暴力 など

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もし、発達障害だと早めに診断を受けることができていたら、自分自身の障害について認識することで人間関係のトラブルを減らすことができたかもしれません。
自分がどうしても”不得意”なことではなく、もっと”得意なこと”を活かした人生を送れたかもしれません。
また私の半生については別で書きますが、いじめがきっかけにジェンガのように人生の”当たり前なこと”が失われていきました。

発達障害は、直るものではなく、付き合っていくしかないもので、
その深さやしんどさは人によって異なります。
私もよく言われますし、嫌な思いはしていないのですが
「発達障害に見えないね!」とか「すごいね!」と褒めていただくことがあります。
発達障害は出来る事、苦手な事の凹凸が顕著なことから生きづらさを感じることがあります。

あまりにも生きづらいし、他の人が此処まで思い悩んでいるのか考えたり調べたりした結果、当てはまっていた”ADHD”を疑い、診察を受けることにしました。

私の場合もWISC検査を受けた結果、検査官の判断で常識的であるという記載がありました。しかし、ある項目では障害域の数値のものもありました。
生きづらさはそういった”一見、普通の人に見えてしまう”ことにも生じていると考えています。

WISC検査は「言語理解」「知覚推理」「処理速度」「ワーキングメモリー」の4つの指標とIQ(知能指数)を数値化する検査で、その子の「得意な部分と苦手な部分」から「その人にとってより良い支援の手がかりを得る」ことを目的として行う検査です)

”わが子の育て辛さを感じたら「WISC(ウィスク)検査と発達障害”

私の場合、大人になって面接は容易に通りました。
その時の印象ですとか、やる気をアピールすること、短時間なら集中力が続くことから面接官に苦手なところを見抜かれるようなことは無かったからです。私自身も、発達障害(ADHD)と診断されるまでは、頑張ったらできるんだと思っていました。

しかし、職場で働き続けることで、私の精神がどんどん軋み始め、次第に日常生活にも支障を及ぼすようになりました。
しかし、二次障害として出ている虐めや対人不安などがある状態で、パワハラやセクハラを受けてしまいました。
ひとり親で子育てのための費用を工面するためにも、休職するわけにもいかず、失業期間もなく我武者羅に働いてきました。
ギリギリ働ける状態であるということから、自分の甘えであるとか、
他の人もやっているのだから、できるはずだとか、そういって続けてきました。転職しながらも無理やり続けてしまった為、今では到底回復が見込めず、会社に所属するという状態での仕事はほぼ不可能となりました。

それでも、何か出来る事がないかを探し、子どもの心理面について関心があったので保育士の国家資格取得のため学校に通いました。
ここでもまた、人間関係において複雑な経験をし、状態が悪化することとなります。保育士学校ではADHDや発達障害について授業で学ぶ機会もありますが、学生が全員理解があるわけでもなく、授業内で心のない言葉を聞くこともあり、精神的な負担を感じました。
そうやって、精神的なダメージを受けているのに、休む暇もなく動き続け、自分の不得意な事を続けてきたことで、もう錆びついて動かなくなってしまいました。
卒業して保育士として働いて、もうそれから二度と社員という形は無理なんだと自覚をします。

そんな中でも、人生にもう何も残っていないのか・・・・
絶望を感じながら考えていました。
正直、もう世界から消えてしまいたい気持ちでした。


私の得意なこと、メイド喫茶で働いていた時はとても楽しかった事を思い出しました。世間では可愛さとか年齢とか重要視されているように思えたけれど、それ以前に、私は女性がずっと働き続けることが難しい事を感じていました。
キラキラ楽しい時間は、もっと続いてもいいんじゃないかな。
年齢関係なく、メイド喫茶があってもいいんじゃないかな。
そして発達障害だって、キャラクターとして自分自身を愛せるようになれば
もっと生きやすくなるし、メイド喫茶を通じて障害の事を知ってもらえたら、それはとても嬉しいことだと考えました。

発達障害メイド喫茶スターブロッサムは、私が生きてきた”苦しさ”や”生きづらさ”を”楽しさ”に変換する魔法のような場所です。

私自身がしんどいとき、優しい誰かが微笑んでくれるだけで少し楽になることがありました。
心の中がしんどい時に私達の顔を思い出してほしいし、
居場所というのは偉そうかもしれませんので、立ち寄れる場所や休憩所でも構わないので、私のようにしんどさを感じる人達が楽しめる場所としても、継続していきたいと考えています。
働いているメイド達も、ご主人様やお嬢様がお越しになることで元気をもらえます。

そうやって楽しくメイド喫茶を運営している私ですが、やっぱり寝ても起きてもADHDであり、二次障害があることを自覚しています。

夜も上手に眠れませんし、電車ではパニックになりやすく、ストレスでも業務に支障が出る事もあります。また、コンサータというお薬の副作用が出やすく、食事を摂りづらいとか、吐き気を伴うこともあります。

本当に毎日が満身創痍ではありますが、私はそれでも夢を叶えること、
実現させることを諦めたくないと考えています。
しんどいから寝ておく、というのは正しいのですが
私は休み休みでもいいから、前に進んで、発達障害メイド喫茶スターブロッサムという居場所を確立させたいと思っています。

皆が、会いに来てくれて、チェキや遠隔サービスなども活用して、私達のことを本当に大切に思ってくださっていて、とても嬉しくて暖かい気持ちになります。しんどかったこととか、辛かったことも、そんな日があるからちゃんと今日を生きていけるんだと思います。

中には健常者の方もお越しになりますが、発達障害についての本もお店にありますし、リアルな声をきくことで障害理解が深まります。
また「これって聞いて大丈夫?」と気をつかいながらも質問して
知ろうとしてくださるときは、その知識がたとえ間違っていたとしても、丁寧に訂正をしてご本人を責めたりすることは絶対にしません。

もし発達障害かもしれない、と可能性を感じている方がいたら診察をおすすめしますし、就労移行支援事業所や障害年金についても紹介できるようになりました。

発達障害があっても楽しいこと。
嬉しいこと。
ちゃんと生きているんだってこと。
自分なりに証明して、お薬とは上手に付き合いながら、不器用でも前に進んでいこうと考えています。

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