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中耳炎の悲しみ

悲しかったことを、ただそのまま書いています。

文章として吐き出し世に公開することで、この悲しい気持ちを供養できないかなぁと思って。実際、緩和された気がします。

🍬🍬🍬

私は趣味で歌を歌っていて、その日は通っている教室の発表会がありました。この発表会に向けて、何か月も練習してきました。

しかし、発表会の数日前からなんだか喉と鼻の調子がおかしく、鼻腔がつまって、うまく開かなくて、いつも通りに歌えなくなりました。

焦って、練習しました。うがいもしました。鼻うがいもしました。蜂蜜もなめたし、のども温めました。

鼻腔のつまりは解消しませんでした。

そして発表会の日の朝、シャワーを浴びていると、耳に水が入りました。ケンケンしたり、ネットで調べたあらゆる方法を試しましたが、水は取れません。

1時間経っても、2時間経っても、ずーっとつまっていました。むしろひどくなり、鼻、のど、耳、顔じゅう全部が閉塞感でいっぱいです。

そうこうしているうちに発表会が始まり、あっという間に私の出番が来てしまいました。ステージに立つも、音がよく聞こえません。

音が鳴っているのはわかります。でも、自分が歌っている音と、伴奏の音の高低がうまく噛み合わない。音程が全くわからない。自分が何の音を出しているのか、それは伴奏と合っているのか、全くわからない。

ふだん、音程だけは自信があったので、とても焦りました。こんなに音が分からないことがあるのかと。

勇気を出して録音を聞いてみると、やはり音程が大きくズレています。焦りからくる緊張で、声もブルブル震えていて、聞くのもつらい演奏でした。

ひどくショックを受けました。

あまりにもショックが大きすぎて、帰りの電車で半分泣きながら家に帰り、エンエン泣きながらふて寝しました。

あんなに練習したのに。

先生もすごく期待してくれていたのに。

とても悔しい。悲しい。こわくて音楽が聞けない。歌も一生歌えない。むしろ、もう歌いたくない。

期待してくれていた先生が渋滞に巻き込まれ、私の演奏に間に合わなかったのだけ、不幸中の幸いでした。先生が悲しんでいたので不幸ではあるのだけれど。不幸中の不幸とも言えるだけど、この場合は救いでした。あんな演奏聴かせたら、もっと大きいショックを与えたと思うし。

後日、耳の様子が治らないので病院に行きました。風邪をこじらせた鼻炎と中耳炎でした。聴力も悪くなっていました。

耳に水が入って抜けないのは気のせい、というか中耳炎のせい。

ホッとしました。この歌えなさは一時的なもので、治ればまた歌えるんだ。

今もまだ、中耳炎の閉塞感を抱えています。

メンタルの方は、ちょっと鼻歌が出るくらいに回復しましたが、何かのきっかけで急に悲しみが「コンニチハ!!!」と顔を出してきます。悲しみは、いつも元気に人を苦しめてくる。

私の元気が悲しみの元気に勝つには、まだ少し時間がかかりそうです。


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