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令和も平和に過ごしたい

いつもと変わらず朝日が昇って、日常が過ぎていくだけなのに、クリスマス、年の瀬、お正月と行事が続くと、街は行事ごとに様相を変えて、つい人の気持ちも乗せられていく。今週は久しぶりに静かな日常に戻った。
今日は朝から曇りで雨が降るのか降らないのかと言ったどっちつかずのお天気だ。でも、今朝の朝日は思わず炬燵から立ち上がるほど綺麗だった。厚い雲に遮られてすぐに朝日は消えてしまったが、薄っぺらいわずかな隙間から差し込むオレンジとピンクの光が下から厚い雲を照らして広がっていた。


家のベランダにオリーブの木がある。小さな苗で持ち帰ったが、結構茂って花を咲かせ、実をつけるようになった。初めは緑色だが段々真っ黒になっていく。そろそろあの子たちが来るはずだ。そう思って、ベランダの外側へ迫り出すように置き換えた。もう来たかもしれない。
詳しくはないが、たぶんヒヨドリだ。
初めて実をつけた時、ふと気づいた時には一つも実が残っていなくて驚いた。
窓際でパソコンをいじっていると、ガラス一枚挟んだすぐ側の手摺にとまる。「ビー」と鳴いてゆらゆらと様子を伺い、一旦オリーブの木に移ったかと思いきや、すぐさま上手にくちばしで実をもぎ取り、銜えてバタバタっと飛んでいく。いつも同じ子なのか、それとも聞きつけた別の子なのか。
なんでここにオリーブの実があることを知っているのか、なんでちょうど熟して食べごろにやってくるのか。人間様より脳は発達していないだろうに実に賢い。最小限、生き抜くためのスペックだけを持ているからかな。
もっとシンプルに人も生きれればいいのに、いろんなスペックが邪魔しているように思える。
でも、あの子達より色々盛りだくさんのスペックを持っているなら、うまく使えた方がいいに決まってる。
シンプルに考えて、巧みに行動する…それを目指していきたいと思った。
…とまた、こうやって難しく考えている自分が甚だ可笑しくて仕方がない。

お正月休み、三が日が済んだら歩きに行く。決めているわけではないけど、思い起こせば歩いてる。すぐそばの森林公園、少し頑張って裏山へ小登山。今年は、車を走らせて三十分ほどの所にある湖へ行くことにした。湖畔の周りがハイキングコースであり、サイクリングコースになっている。あんまり知られていないのか、いつも人は疎らで人混み嫌いの私達夫婦には打って付けな場所なのだ。ピクニックだバーベキューだとなるといつもここへ来る。
でも、一周8キロある湖畔を歩くのは久しぶりだ。でも、とても気持ちが良かった。二人で来てはいるが、歩いている最中はじっくり自分と対話ができる。グルグル考えて、年の始めだし…と、とても前向きな心持で大きく深呼吸した。
そしたら、静かに!と小声で言って立ち止まる夫の先に、何やらモソモソする影が見えた。

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ビーバーかと思ったけど、どうやらビショビショに体を濡らしたヌートリアなようだ。今、とても繁殖していてあちこちで困っているらしいこの子。
しかし、何とも情けない姿。すごく寒そう。
「あんた!まあまあ大きいけどねずみなんでしょ!今年はね、あんたの年なのよ!知らないと思うけど。全くもって関係ないと思うけど。」
私達夫婦の目の前を全く気にせず、ノソノソと通り過ぎていくその姿が可笑しかった。

ねずみ年の新年早々、大きなねずみに出くわすなんて…。
まだ半分くらいオリーブの実も残ってるからヒヨドリも来るし…。
平和だ。なんて平和なんだ。
こんなまったりした感じで今年を過ごしていきたいです。

今年もボチボチ書いていこうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

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