見出し画像

遺伝と平等

遺伝子について考える・・・

今回読んだ本は
遺伝子と平等
人生の成り行きは変えられる
著 キャスリン・ペイジ・ハーデン
訳 青木 薫 
発売元 新潮社

426ページあるので、結構太めの本だと思います。
(私はKindle版でよんでいるのでリアルな本の厚さがわからないのですけれど・・・)
読みやすい文章で書かれていますが、書いてあることは難しいですし、内容が内容だけにすごく慎重に書かれている気がします。

運は遺伝する

少し前に 橘玲さんと安藤寿廉さんの対談形式の新書「運は遺伝する」をよみましたが、その対談の中でも度々でてきた本です。
ということで、こちらの「運は遺伝する」の内容の大きな論理的なベースになっている本です。

サブタイルは「人生の成り行きは変えられる」なのですが・・・

うーむ、この本を読む限り、人生の成り行きは変えられないような気がします・・・
そして、「行動遺伝学」と「ポリジェニックスコア」
これから先、聞くことになる言葉だと思います。
先の「運は遺伝する」にも出てくる言葉です。
この本を読む前に「運は遺伝する」を読んでから読んだ方が、いろいろな専門用語について理解というかなんとなく頭に残っているだけでも、読むのが楽になると思います。
それに、先に書いたとおり、作者の方がかなり、言葉を選びながら慎重に文章を書いているので、もっとあっけらかんと書かれた「運は遺伝する」のほうが読みやすいです(というかこちらの本は、ダイレクトに語りすぎているような気もしますが、そのほうがわかりやすいですね)

メルトクラシー 

現在は、知識社会といわれています。学歴が高いほうが、所得が高いという社会。一時期、GoogleとかMicrosoftの入社試験がむっちゃ難しいっていうことが話題になったりしましたが、このような超ビッグなハイテク企業に入れる人ってすごーく優秀な人ですよね。こういう数学的な能力が高い人が高いお給料をもらえる社会が知識社会。簡単にいうと、高い能力の人が実力で上り詰めて富をGETする。それもかなりの量の富を手にいれる。彼らは、自分たちはとっても努力して、今の知識を得て、そして成功したんだ!といいます。そして雑に説明するとこういった知識社会で成功した人がメルトクラシーという階級の人達です。
その優秀さは努力もあってのことだと思いますが、そもそも、たくさん覚えることができること、数学的な思考ができること、論理的な思考ができること、集中できることなどの基本スペックがそもそも遺伝子的に備わっているとも言えるのですが、「君の成功は努力よりも遺伝子なんだよ」って言われたらたぶん、むっちゃ怒りますよね。
生まれた時の遺伝子ガチャによって今の知識社会の中ではかなりのアドバンテージをもって生まれてきたから成功したんだよなんていったら、何時間説教されるかわかんないです。

知識社会でなければ・・・

別に遺伝子の恩恵が受けられるのは学力だけではなくて、運動神経や大力的なものがあります。
けれど、知識社会においては学力のほうが、高い所得がゲットできるのです。今の社会が知識社会なので、学力アドバンテージがあるほうが有利に生きられる時代なのです。
その昔、狩で生きるには運動神経や体力や体が大きい、丈夫なほうにアドバンテージがある遺伝子のほうが有利であるでしょう。
このような時代であれば、学力にアドバンテージがある遺伝子がもっとも成功するってわけでないので、その時代時代で求められるものは異なる。
とはいえ、今の時代に生きているわけであって、狩の時代に生きているわけではないのですよね。

5つの原理が提案されていました

かなり散漫な文になってしまっているのでこのあたりでまとめにはいってみます
こちらの本では遺伝子の情報を利用することで自由、資源、福祉の配分に不不平等をなくそうという提案がされています。
1)時間、金、才能、道具を無駄にするのはやめよう。
2)人を分類するのではなく、機械を改善するために遺伝情報を使おう
3)排除のためではなく、平等のために遺伝情報をつかおう
4)運がいいことを立派なことだと勘違いしないようにしよう
5)自分が何者かを知らなかったら、どうするかを考えよう
とこの五つだけ書かれてもなんやねん!って感じだと思いますが、
こちらは最後の第十二章に詳細が書かれています。
気になったかたぜひ、一読してみてください。
読んだ後はスカッとする感じではく、どよーんっとした気分になるような気はしますが、この先、まだまだ長く生きるのであれば、知っておいたほうがよい内容ではないかと思います。
ということで、今回はこんなところで、では、また!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?