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採用に必要なのは「抽象性」

こんにちは、カザバヤシです。
本日は春を控えた今だからこそ採用に焦点を当てていった方が数字が取れそうだなぁという邪な気持ちを先行させて、それに沿った話をしていきます。

専門家じゃない身ながらも、過去にアルバイトを約20名ほど採用やら管理してきたこともあったり、逆に転職を繰り返したりとしたこともあったことから、一定の解像度は担保できるかと思います。よろしくおねがいします。


この記事のターゲットとしては、
「今転職に悩んでいる」方や「これから新卒入社を控えている」方などだけでなく、欲張りに欲張って「人事などで採用担当をしている」方にも届けたいなぁという目線で進行していきます。

まず、結論から言ってしまうと
採用において「熱量」と「唯一の理由」を求める企業はやめた方がいい
ってことですね。


・「志望動機に熱がないんだよなぁ」
・「そんな企業いっぱいあるよね、ウチじゃなきゃいけない理由ってのが見えないんだよなぁ」

って奴らは切っていいよってことですね。
さっそく、一刀両断しちゃうんですが、今回はこれを科学的な根拠と共に掘り下げていきます。


社会心理学者のジョナサン・ハイトって人がいるんですが、彼の主要な理論の一つとして「直感的な判断の先に、理由付けが後続する」って話なんですね。

要するに、やってみた結果見えてくるのが理由であり、
理由を前に理由を持ってこさせることは、嘘をつかせてくるようなものだと。

これに関しては僕の著書「創造3.0-クリエイターの新しい生き方-」でももっと深く触れているので、よろしければご覧ください。



また、以下の論文では

「天職: より深い意味のある仕事に対する探求」
(Calling: The Search for Meaningful Work)

William A. Kahn.Oxford University Press, 2010年
  • 研究者たちは、天職を見つけた人々に対してインタビューを行い、天職を見つけるまでの経験を語ってもらいました。

  • インタビューの結果、天職を見つけるまでの過程には「偶然」が重要な役割を果たしていることがわかりました。

  • たとえば、ある参加者は、見知らぬ人に助けを求めたことがきっかけで天職に出会いました。また、別の参加者は、偶然に開いたドアから入った部屋で天職を見つけたそうです。

この研究は、天職を見つけることが必ずしも綿密な計画や長期的な努力の結果ではなく、偶然の出会いによって起こり得ることを示唆しています。


熱心に特定の会社を追求すると、期待外れにつながる可能性があるよねってことを雄弁に語ってくれていました。それでも「熱量」と「唯一の理由」を求めて来る会社は、枚挙にいとまがないんですよ。

自社のお世辞を言われたい=志望動機って感じで。

お世辞を言ってくれる人を雇いたいという、なんともオナニーな会社であることが面接時点で露呈でされるのだから、極めて馬鹿丸出しだなと思っちゃいますね。


お客さんによる会社の評価に貢献できる能力を持った人を求めるのが
採用というプロセスなのに、会社のお世辞を言ってもらうことが目的になっていて、べた褒めすれば気持ちよくなって「君採用」って…

どの基準をもってして採用されたのかわからなくなっちゃいますよね。


また、熱量を持ってその会社に全身全霊を投じた人はバーンアウトが起きやすかったり、入りたい理由が先行しすぎて、実際に稼働した時、入りたくない理由(嫌な部分)が入りたい理由を上回ってしまうギャップに圧倒され辞めていくことも往々にして見られます。

コレは期待不適合理論って言って人々は、
新しい状況に対して特定の期待を持っているんです。
なので、これらの期待が満たされないと、不満や失望につながる可能性があり、結局退職が助長されちゃうんですよ。


また、「唯一の理由」を求めて来ることに関しては
候補者はずっと思っているが、採用側が決定的に見落としているあるいは、目を瞑って言いにくい空気を創り上げていることがあって

何かというと…
「職業決定は複数の要因に基づいている。」

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