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No.3 11土Design / 携帯空間「ビル」

今回、紹介するのはこのバッグ
11土Designの携帯空間「ビル」です!

まず初めに
11土Design(∠11°Design)とは
大阪を拠点に活動されている
花園園恵さんと松村愛子さんの
お二人でやられているデザイン・ユニットです。

「11土design」は、
土という漢字を解体すると十と一になることから、
11土(ジュウイチド)と名付けたそうです。
いろんな土地のものを解体し、
別の新しい視点を見つけたいという意図から
名付けられたそうです。

お二人は何と一級建築士で
その建築的な感性と知識を活かし、
その場にある素材や状況から自然発生するような
強いローカリティ(場所性)に
価値を生み出すことを目指しているそうです。

▶︎HP:∠11°Design



※ちなみに、
このバッグとの出会いは大阪の堺市にある
SPinniNG MiLL(スピニングミル)という
明治後期に建てられた紡績工場を再利用した建物で
定期的に開催されているイベント
「スピニングマーケット」で出会いました。
いやぁ完全に一目惚れですね〜。

▶︎instagram:スピニングミル

さっそくなんですが
凄くないですか、この存在感……!
実は全て建築材料で作られたバッグなのです。


やはり何といっても、この金属感。
ぱっと目に入る強烈なインパクトなのに
無垢でさらっと艶やかで上品さも感じる
アルミ板が左右に2枚施されており
どこか異彩を放っております。
その名の通り「携帯する空間」というコンセプトで
1/200スケールのビルのサイズを
アルミ板に表現されておられます。

側面にはポーチのような形で覆われた
防振ゴムが使用されており、
実際の建築の地震対策に使われているそうです。
持ち手やジッパーの部分は
革のような風合いですが、
ここにも同じゴムを使用されておられます。


そしてアルミ材と防振ゴムを繋ぎ合わせる為に
アルミ板の上から打ち込まれたステンレスのビス。
バッグを建築的に捉え、アルミの板を
「壁として」ビス留めしているそうです。
なんとファスナー部分以外
ミシンが使われておりません。
ちなみにファスナーはYKKを使用されています。

※YKKはファスナーだけでなく
YKK APという建築分野で
国内だけでなく世界でも
活躍されている会社ですので
ファスナー×建築×ファッションの
夢のコラボなのです…!


よく見ると、ビスの中に
蝶ナットが一つ施されております。

実はこの「蝶」ナット、
「リボン」に見立てて付けられたそうです!
(こういう遊び心、本当にくすぐられる…)


全体的な素材はアルミ、ステンレス、ゴムですので
サビ等の劣化にも強いのです。
しかも一見重そうな見た目ですが
想像の1/10くらいの軽さです…!(本当に軽い)
機能的な建築の感性がこのバッグに
たっぷりと落とし込まれているのです。

まさに、携帯空間「ビル」は
持ち運べる建築物として
街に馴染み浸透する「モノ」なのです…。
(いざと言うときは鈍器にもなるそうです。笑)

本当に余計な装飾もなく、
機能美を兼ね備えたデザイン。
表のシルエットも裏の繋ぎ合わせ部分も
無駄なくとても綺麗です。
シンプルなのにファッショナブルなのは
一級建築士のおふたりだからこそ成せる技ですね。


ちなみにこちらはビルシリーズの
「アルミプロトタイプ」という名前です。

勿論、そのまま使用するのもアリですが
HERMESのようにカデナやクロシェットを付けて
金属味の増す装飾を付けるのも楽しそうです…!
ペイントやステッカーなど
素材だからこそできるアレンジもありそうですね。


アルミ板以外にも
アクリルや合板や土塗りといった
違う素材で「設計」することができるので

金属のインダストリアルさだけでなく
アクリルの透明感
合板のナチュラルさ
土塗りの野暮ったさといった
一人ひとりの好みに
合わせたオーダーができるのです。

アクリルタイプ
合板タイプ(ペイント塗装ver)
土塗りタイプ


しかも持ち手の素材もゴムや革に変えることもでき
大きさや形も自由に選択できるそうで
十人十色なカスタマイズ性もあるのです。
まさに夢の注文住宅ですね…!

なんと僕が3人目の購入者だそうです!
次のビルオーナーさんは
誰になるのでしょうか…!


デザインユニットの11土designは
『ツバメroof』さんという、
これまた大阪の堺市にある
築50年の古家をリフォームされた空間を
発想の拠点とされており
石井木綿子さん含む3人で営まれ
日々アイデアを出し合っているそうです。

▶︎HP:ツバメroof


ここにはカフェスペースもあり、
その日に焙煎して淹れた新鮮な珈琲を
須恵器の珈琲カップで頂くこともできます。
また、ケーキやランチもありますので
素敵な空間でまったりとした時間を
過ごすのはいかがでしょうか…?


ツバメroofさんでは
「面白いことを何でもやっていく」
「作りたいものを作り続ける」
というコンセプトから
カフェだけでなく、雑貨や洋服に始まり
空間・建築・ランドスケープまで、
幅広くデザインされておられます。

デザイン制作や建築の相談も
承っておられるなんて…
なんでも3人は「型にはまるのがキライ!」
だそうで、本当に型にはまらず
幅広く取り組んでおられます…!

素晴らしい世界観の発想は
日頃のガールズトークから
アイデアが湧き出るということですね!

▶︎instagram:ツバメroof


貸しスペースも設けており、
展示・教室・演奏会・ワークショップなども
受け付けておられ、都度色んなイベントも
されてますので要チェックですね。

今回は携帯空間「ビル」ならびに
11土Design、ツバメroofさんの
紹介をさせて頂きましたが

これ以外にもまだまだ
色んな雑貨や洋服を出されており
一点一点、素材やデザインが拘られているのです…
(全部ほしくなる…)

ナットピアス
竹のスケール「古墳」「七宝」「市松」
ベンガラ染め足袋草履

営業日は
水・金・ときどき土(祝休)だそうです。
この小さなパンフレットにも拘りが詰まっていて
折り紙のようになっており
折り目に合わせた文字の配置と言葉遣い…
思わず首を傾けて全部読んじゃいました。
(いちいちカッコいい…)


僕も地元が堺市なので
近くに素敵な場所があると思うと嬉しいですね。
皆様も市内に出てお買い物も良いですが
たまには地元巡りもいかがでしょうか。

この記事を通して
皆様にツバメroofさんの魅力が
少しでも伝われば幸いです。


ではでは。

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