和訳 by her/KID FRESINO

歌詞🫧


[茂千代]

あなたはメタファー 憧れのher

あなたと僕じゃ水と油

あなたはそれでもいてくれた

思い出 床抜けるほどのアルバム

あなたの喜ぶ顔が見たい
言葉にならない
One more time,One more chance

By your side 今度こそ一心同体

卒業できない山積みの課題

寸分狂わず汲み取りたい

あなたのソウル あなたのセンス

あなたの言葉にとらわれてく

キモいくらい For life All day All night

あなたが世界の中心

ライムを叫ぶ僕は途方に暮れる

New beginning  新しいルーティーン

[KID FRESINO]

※You're my girl Sorry about that thing

I always break your heart baby

I keep myself I keep myself

And you, and you, and you, and you


[KID FRESINO]

Play the music Hot lady No stress

Ship yourself JP to my address

俺のLipについたルージュを拭う手は

会うたび違うNail color

The secret eye contactで俺はやられた

Make you believe in me タトゥーを彫った

濡れたチークに触れ熱を覚えた

代わり映えねえってことは最高なことさ

Listen really girl

街の表情はまるで

真夏の終わりを知らすようなOne day

今夜君のFavorite verse hook

アカペラでSpitするから隣に置いといてくれ

もう乾いたConcreteに咲かせたFlowerは

Like a beginning 始めから

俺が生まれたとき君はまだ夢の中

俺が死ぬとき君は (What?)

君は...



[KID FRESINO]

I met the girl when I was 20

狭いClubで唐突 甘いHug Fallin in

人と違う目の色をしている君は

人とは違う世界が見えてるのか

なあ You like it? How about this?

You don't like it?

You go in? Where? Far from here?

It's all about her feelin

どこへだっていつだって行きてえように

My baby

和訳🫧

もともと日本語で書かれている歌詞は太字にしています。太字ではないところが拙訳。


[茂千代]
あなたはメタファー 憧れの
あなたと僕じゃ水と油

あなたはそれでもいてくれた

思い出 床抜けるほどのアルバム

あなたの喜ぶ顔が見たい

言葉にならない
もう一度、もう一回チャンスがほしい
あなたのそばで
今度こそ一心同体

卒業できない山積みの課題

寸分狂わず汲み取りたい

あなたのソウル あなたのセンス

あなたの言葉にとらわれてく

キモいくらい
一生、昼も夜もずっと

あなたが世界の中心

ライムを叫ぶ僕は途方に暮れる

新しい始まり  新しいルーティーン


[KID FRESINO]

※君が好きだよ、あのことはごめんね

俺はいつも君の心を傷つけてるね

俺は俺のままでいたい、俺を大切にしたい

君も君のままでいてほしい、君を大切にしてほしい

[KID FRESINO]

音楽をかけようか、魅力的な君、緊張もしなくていい

ジャマイカプレイン/日本での君の様子を教えて
俺のについたルージュを拭う手は会うたび違うネイルカラー

あの秘密のアイコンタクトで俺はやられた

君が俺を信じてくれるようにタトゥーを彫った
濡れたチークに触れ熱を覚えた
代わり映えねえってことは最高なことさ

君に本当に聴いてほしいことがあるんだ
街の表情はまるで

真夏の終わりを知らすような
今日
今夜君の好きなバースとフックを
アカペラでラップするから隣に置いといてくれ
もう乾いた
コンクリートに咲かせた

始まりのようだ 始めから

俺が生まれたとき君はまだ夢の中

俺が死ぬとき君は
(何?)

君は...




[KID FRESINO]

俺はその子に20歳の時に出会った

狭いクラブで唐突に甘く抱き寄せられて恋に落ちた
人と違う目の色をしている君は

人とは違う世界が見えてるのか
なあ
君はそれが好き?これはどう?それは好きじゃない?行く?どこ?ここから遠いの?

全部君の気持ち次第だよ
どこへだっていつだって行きてえように

マイベイビー


🫧🫧🫧 🫧🫧🫧

🔵どうぞお聴きください。


なんて優しい歌なんだ😭としか言いようがない。もうほんとうにそれしかないので、この曲がひとりでも多くの人に聴かれることを希望したい。恋人を泣かせてしまった人は、できればその涙をぬぐってあげて相手の熱を感じ、そしてこの曲を聴きましょう。涙をぬぐうこともできなかった人はそのことも含めて…この曲を聴いて…反省……。

2017年リリースの曲なので、すでに6年前、もうすぐ7年になるのですか…。この曲が好きな人も多いと思います。
フレシノさんのバースを聴いていると、若い恋を歌っていると思いますし、私は最後の「My baby」の少し舌足らずな発音が好きで何度も聴いてしまいます。
(「まあべいびぃ」って感じのネイティヴっぽい発音なんだけど、この曲の歌詞とよく合ってると思います。My babyっていう表記だけど、発音はMa babyですね)

拙訳をつけましたが、すでに訳してらっしゃる方も多いと思うので、ぜひいろいろ見てください。フレシノさんの歌詞の書き方も今とは違うし、わりと具体的でストレートな歌詞ですね。

🔵こちらの方は分かりやすい語注をつけてくださっています。敬意を持ってご紹介します。ぜひお読みください。

この方もご指摘のように、茂千代さんの熱烈なバースには意味があります。私はこの茂千代さんのバースを聴いて、最初はとてもびっくりしました。こんな感情を持つってどういうことだろうと思いました。ある種、飛び抜けてしまっています(ご自分で「キモいくらい」と歌ってしまっているぐらいに)。
インタビューでフレシノさんが解説してくれていました。
ちょっと長いけれど引用します。
インタビュアーは、高木“JET”晋一郎さんです。

――「by her feat. 茂千代」は、テーマについて話し合った?
 「茂千代さんが、家族や奥さんについてラップしてる曲が何曲かあるんですよね。自分も毎回、彼女について歌ってる曲を入れてて。そう決めてるんですけど、その部分が摺り合わせられるかなと思って」
――茂千代さんのヴァースは先日亡くなった、茂千代さんの師匠とも言えるDJ KENSAWさんのことかなと感じて。
 「そうだと聞いています。COMMONの〈I USED TO LOVE H.E.R.〉の“HER”ってダブルミーニングになってるじゃないですか。ああいう感じでパ-トナーを表現してるけど、茂千代さんはそのパートナーの中に、KENSAWさんを織り込んで歌ってくれたようです」
――悪い意味ではなくて、「by her」みたいなここまで分かりやすくエモいトラックはFRESINOくんの中では珍しかったし、そのアプローチも興味深かった。

この曲はラブソングですけれど、茂千代さんのバースは喪失が最初にあって、one more time,one more chanceが叶わないところが出発点。そこから「New beginning 新しいルーティン」が生まれるまでが歌われていて、誠実な歌詞と歌い方に魂がこもっています。

フレシノさんのバースは、あんまり自信なさそうな「俺」と、セクシーな魅力あふれる積極的な「the girl」との恋。JPって…JAPANなのかアメリカのジャマイカプレインのことなのか分かりませんけど、この「the girl」はどこにいても自由に過ごしてそうだし、「俺」もこの子の感性に夢中なので、俺を好きに連れてってほしいと思っているような印象を受けました。

🟣インタビューの中でフレシノさんが言っているCommonの「I used to love h.e.r.」は、博識だったけど子どもの頃からあまり素行はよろしくなさそうな「her」が魅力的な肉体へと成長し、人気が出てメディアにも取り上げられ、黒人の地位向上のための運動に参加したかと思えば、それは時代遅れになったんだと言ってまた新しいものを求めていく、俺も少しは相手してもらったけど、いろんな男に抱かれて、それでも俺は「her」を追い求め続けてるのにっていう歌詞なのですが、曲の最後に、

Cause who I'm talkin bout y'all is hip-hop

「だって、俺が喋ってきたことは全部ヒップホップのことなんだ」と言っていて、「h.e.r.」はヒップホップのメタファーだったことを明かしています。「her」は、彼女のことではなく、「Hip-Hop in its Essence is Real」(ヒップホップの本質は真実)の頭文字だったんですね。
こんな曲があるので、茂千代さんのバースの「あなた」「憧れのher」は「僕」に全てを教えてくれたDJ KENSAWさん、憧れのヒップホップ(の象徴のような人)と解釈することが可能です。

🔵Common I Used to Love H.E.R.


🔵MVあります。どうぞ。1994年

🔵ちなみに、2019年に「HER Love」をリリース。これはどう見ても、続編です。時を経て、愛、深まりました。お聴きください。


🟣フレシノさんのバースの、「乾いたConcreteに咲かせたFlower」は、先にご紹介した記事を書いてらっしゃる方の仰るように、2pacの「THe Rose That grew From Concrete」(邦訳:ゲットーに咲くバラ)のことだと思います。この詩は、2pac自身が自分のことをこのように表現しているので、フレシノさんがここでこのフレーズを使うということは、フレシノさんのバースにもやはりヒップホップへの愛が込められていることになるのではないかなと思いました。
続く「Like a beginning 始めから 俺が生まれたとき君はまだ夢の中 俺が死ぬとき君は (What?) 君は...」は、死ぬときも一緒にいてほしいと言いたいけど、「なあに?」と言われて口ごもっている様子が想像されますが、何らかの変化がこの時にフレシノさんにあって、こんな歌詞を書いてらっしゃるのかもしれません。

2パックを銃撃、殺害した首謀者の男が逮捕されたというニュースを昨日見ました(2023.9.30のYahoo!ニュースで)。とうとう、事件の一端が分かるのですかね。


🔵引用しました記事を貼っておきます。
ヒップホップ感よりも、分かりやすい“音楽”を届ける KID FRESINO『Salve』
2017.1.27

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?