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日常に潜む盲点を見つけ出すと人生の流れが変化する


1.はじめに


私たちは五感を通じて目の前の世界を脳で認識し、状況を把握することができます。
五感の中でも特に視覚からの情報は重要であり、思考や感情に大きな影響を与える感覚です。人間の脳は他の生物と比べると、とても優秀です。
そのために、無意識の世界では視覚からの情報を自動的に精査し、必要な情報だけを脳に届けます。
これは脳内にある「RAS」という機能であり、脳幹の部分で情報のフィルタリングをする役割をしています。

この機能があるからこそ、脳はパニックを起こさず機能し、私たちの生活も安全に過ごすことができています。
RASはとても便利な脳機能ですが、残念ながらデメリットもあるのです。
それは、スコトーマと呼ばれる心理的な盲点が、必ず同時に生まれてしまうからです。

このスコトーマを外すことによって、見えていなかった世界が、見えるようになってきます。
それは、あらゆる悩みごとや問題解決の糸口になり、願望を達成できる近道にもなります。
スコトーマとは、そして、スコトーマを外すとはどのようなことを指すのでしょうか。
今回は、見えているのに見えない、スコトーマの原理についてご紹介します。

2.スコトーマとは


スコトーマとは「盲点」を意味する言葉で、もともとは眼科の用語として使用されていました。

人間の目の構造で網膜がありますが、一点だけ光を感じることができない暗点があります。この部分を盲点といいます。

心理学の分野でも、実際には視界に映り込み、見えているのですが、脳の働きで記憶に残す必要がないものと自動的に判断され、見えなくしてしまう現象を心理的盲点といい、これをスコトーマと呼んでいます。

見えているのに見えない…。
なぜこのような現象が起きてしまうのでしょうか?

脳はその人自身が興味を示しているものや重要だと思うこと、そして、身の危険を感じたものを優先的に顕在意識にあげて認識させます。
五感で受け取った情報を自動的に仕分けをしてくれる、フィルターのような役割を脳科学の分野では「RAS」と呼んでいます。

もしも五感で感じている情報を、全てそのまま脳に伝えてしまいますと、脳は大量のエネルギーを消費すると同時に、情報の処理や保存といった限界値をすぐに超えてしまい、生命の維持すらできない状態に陥ってしまいます。

そのためにRASの機能は、生命を維持するための安全装置であり必要不可欠なものといえます。
自動的に膨大な情報を仕分けてくれる便利な機能ですが、同時にデメリットも生まれてしまいます。
それは、自動的に「不要」と判断された情報の部分、スコトーマです。

スコトーマの情報は無意識に「不要」と判断されたものですが、この中にはチャンスや成功に結び付く情報も多く含まれているのです。
日常で何か問題が起きた時、また、悩みごとを抱えている時など解決の糸口が目の前にあったとしても、スコトーマによって「見えているのに見えない」という現象が起きるのです。

3.スコトーマの例


見えているのに見えない…。(視界に入っているのに認識しない)
実際にこのようなことが本当に起きるのでしょうか。

例えば、よく知っているビルの1階に3つの店舗が入っているとします。

右側はコンビニ、左側はラーメン屋さん、真ん中は…。

よく知っている場所であるはずなのに、何度も通りかかって見ているはずなのに、全く記憶がありません。
もしかすると、そこに店舗があったことさえ記憶にない。
また、3店舗ではなく4店舗あった…なんてことも考えられます。

ここでいう真ん中の店舗は、その人にとってそれほど重要性のないものだったために、スコトーマによって「不要」と判断され、脳に情報があげられなかったということになります。

不要とされた情報は、決して「悪」ではなく、脳への負担を軽くするために無意識で不要とされただけなのですが、本来はスコトーマの中には有益な情報がたくさん含まれています。
ビルの1階にある真ん中の店舗は一つの例え話ではありますが、日常の中にはこのような心理的な盲点が多く隠されているのです。
現状に問題を抱えている場合、スコトーマを外していくことで、解決の糸口として何らかのヒントを得ることに繋がる可能性があります。

では、スコトーマを外すには、どのようなことに注目すればよいのでしょうか。

4.スコトーマを外す

人は問題を抱えている時、先が見えないことで何度も同じ思考を繰り返してしまいます。

そうすることで脳にも無駄なエネルギーを消耗させて疲れ果ててしまいます。
このような事態を招かないためには、「スコトーマを外す」という作業が必要になってきます。
スコトーマを外すには、思い込みを手放す必要があります。
問題が起きた時や、現状を変化させたい時は、いつもと同じ考え方では何も変化を起こせません。

また思い込みによって、強い執着や依存に繋がってしまうことも考えられます。

執着や依存は苦しいと知っていても、掴んでいるものを手放すことがなかなかできません。
まずは現状の思考が、思い込みかもしれないと気づくことが重要です。
その考え方を手放していくことで新しい思考が生まれ、今までとは違ったことに興味を示すことにも繋がります。
この新しい興味こそが、今までとは違う情報を収集しようとRASの機能が働き、見えていなかった盲点が見えてくるようになります。

そうすることで執着や依存も薄れ、悩みが解決したり、願望が叶いやすくなるのです。

その人が持つ独自の信念や固定観念から築きあげたものによって、スコトーマになる部分は変化します。

これら(信念・固定観念)は長年に渡って得た経験や情報によって、潜在的に定着した考え方です。
「いつもと同じ」この考え方は安定・安心を得られる考え方ともいえますが、問題を抱えている時や夢を叶えたい時や目標を達成したい時など、いつもと同じ思考をしていては、スコトーマによって見えているものを見落としてしまう可能性が大きくなります。

ちょっとした意識の向け方で人生は大きく変化をすることがあります。
スコトーマの中には、そのきっかけがたくさんあることを知るだけでも、何らかの変化が起きるかもしれません。

5.まとめ


いかがでしたか?スコトーマを外すには自己啓発の高額なセミナーに通うことや、頑張って何かを努力する必要はありません。
ほんの少しでも自分の内側に向き合い、日常で何を感じているのか自分自身と対話し、いつもとは違った部分に意識を向けることで、見えなかった世界が見えてくるようになるのです。

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