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【箱から出てくる "おじぃさん"】

どうしても作っておきたいカテゴリーがあります。
それは「本当にあった不思議なお話」。
57年生きてまいりますと、様々な体験をするものです。
少しずつ、お話をファイリングしてゆきます。

さて、これは、夫の会社であったお話。
19年も前の話になりますが、伝え続けたいお話です。

以下、過去の自分のブログからの転載です。
尚、聞き取ったそのままを書いているので、広島弁で話は進んでおります。

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2005年10月27日09:44 記述
【箱から出てくる "おじぃさん"】

このタイトルだけを見て、何を想像するでしょうか??

わたしはこの話を昨夜、夫から聞き、
大笑いした後、怖くなってしまいました・・・。

夫の職場は、家具工場です。
それぞれの持ち場で、材料を切ったり
組み立てたりという仕事が、流れ作業的に行われます。

そして昨日。
夫の部下のO君が、作業中に
ダッシュで走ってきて、
夫の腕にしがみついて来たそうな・・。

夫「ど、どしたんな!」
O「な、な、なにか、居ます!」
夫「何が!(仕事中は鬼の夫。イライラしつつ聞く)」
O「・・お、おじぃさんが!箱から出てくるんです!!」
夫「はぁ?!出てくるわけないじゃろうが!」

・・しかし、O君のおびえ方は尋常ではなく顔面は蒼白。
しがみついてきた体は、小刻みに震えていて、
かなり動揺している様子・・
こんなO君を見るのは初めて。
しかも、そんな冗談を言う子ではない。

霊感がある夫は 「ひょっとして」 と思って、
そのO君の持ち場に一緒に行ってみたそうな。

O「こ、この箱から、おじぃさんが、顔を出して覗くんですよ!僕、3回見たんですから!」
夫「・・箱って、この箱から・・?」

その箱とは、長細い1m足らずの浅いダンボールの箱。
しかも、その箱は、夫が入社したときから、
ずっとずっとある箱らしい。

今まで、そんな話を聞いたこともなかったし
どうやっても、そんな箱へ、人が隠れるなんて、できない。
霊感のある夫も「そんなアホな」と一瞬思ったらしい。

夫「気のせいじゃろう。そんなワケないじゃん」
O「でも、本当なんです!」

と、O君の目は相変わらず恐怖で見開かれたままであった。

本当なんです、信じてください!と懇願するO君。

「こんな、おじぃさんなんです!」 と、
紙におじぃさんの絵を書いて説明までしたそうな。

1度目 は、両手をかけた、おでこの辺りまでの姿を
チラリと目の端で見たとのこと。
でも、箱に目をやると、その姿は消えていたので、
「気のせいか」 と思って、仕事へ戻った。

しかし、 2度目 は。。
箱にかけた両手にチカラを入れて、おじぃさんが
「よいしょっ!」 って感じで、
胸の辺りまで姿を見せたらしい。
今度は、直視をしても、その姿は消えない。
しかも、はっきりと見えるらしい!
(ちなみに、O君は霊感はない人)

おじぃさんは、どうやら、その箱から出たいらしい・・。
箱がカタカタと動いて、今にも出てきそう。

恐ろしくなったO君は、隣で仕事をしているパートさんに
助けを求めて呼んできて
「あ、あそこに・・!おじぃさんがっ」
と指差したのだけれど、そこには、もう、おじぃさんは居なかった・・・。
「何を言いよん、あんた、疲れとんよ」
と、言われ、釈然としないまま、再び、仕事に戻ったO君。

しかし、彼は 3度目 を見る!
おじぃさんは、両手をかけ、胸までヨイショッと体を
持ち上げた次に、今度は左足を、箱の縁にかけたのだ!!
「出る!このままだと、おじぃさんが、出てくる!!」
とパニックを起こして、
夫のところへダッシュしてきたとのこと。

で、O君が 「こんな、おじぃさんなんです!」 と書いた絵は
身長が30センチほどで、むしろのような服を着た、
アタマに毛のない、髭が長い、おじぃさん・・・。

わたしは想像した。。
その箱から一生懸命に出ようとしている、小さな、おじぃさんを!

しかも、O君が書いた絵を見ると
スターウォーズのヨーダ に似ていたらしい・・・。

夫もわたしもスターウォーズは見たことないんだけどね。。

申し訳ないのだけど、聞いている最中、
わたしはおかしくておかしくて、笑い転げながら、聞いていた。

O「もう、あの場所には戻りたくありません・・涙」
夫「何を言いよんな!お前が、あの持ち場に戻らんと
誰がするんな!戻って、仕事をせぇ」
O「嫌です!おじぃさんが出てきます!」
夫「。。分かった、あの箱じゃない箱を、持ってきて置け。
あの箱からしか出てこんのんじゃろう?」

ということで、 おじぃさんの箱 を違う箱に交換して
仕事を続行。
しかし、O君の恐怖は消えなかったらしい・・。

さて、昨日の夜、残業をしていた夫は、
ふと、そのO君の話を思い出して
「あの箱、どうなっただろう」
と思い、目をやったところ・・。

確かに、よけて他の箱と一緒に積み上げていたのに。
その箱が倒れていた・・。

「あれ?」
と思い、また、元のように直して仕事へ戻ったのだけれど
ふと、また目をやると・・
その箱だけ、倒れている・・・。

そこで初めて、夫は、恐ろしくなったらしい。

確かに、たった一人、夜の暗い作業場で・・
箱から出てくる、おじぃさんを見た日には
テレビから出てくるサダコを見るほどに怖いと思う!!!!!
そういうわけで、作業を中断して帰宅したとのことでした。(^^;

・・・で、結局。。その、おじぃさんは・・

幽霊なんだろうか。
妖怪なんだろうか。
工場の妖精なんだろうか・・。
気になるじゃんか・・・。

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という不思議なお話だったのですが。。

実は、この話には後日談があるのです。
この続きは、また、明日💐

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