「聞いたことを書く」では足りない? ヒアリングメモの『正しい』書き方について
お世話になっております。
かずふくです。
最近、案件の関係でお偉い方のお話を聞くことが多くありました。普段は接点のない方の話を聞くので面白かったです。
話を聞いて終わり!ではなく、案件としてのヒアリングなのでメモとして残す必要があります。
この案件では20名以上のお話を聞きましたが、一部の方に対してはメモ係として聞き役に徹し、メモをイチから作ることもありました。
久しぶりにヒアリングメモを書き、そしてそれをチェックしてもらうことをたくさん行いました。
それを踏まえてヒアリングメモの正解とは何だろう?と考えてみたことを記したいと思います。
事実を書くだけじゃ情報は不足している
ヒアリングメモの目的は後で読み返して思い出したり、その場にいなかったプロジェクトメンバーに内容を共有することです。
ですが、このメモ作成って実は結構難しいと思います。というのも、発言をそのまま書き留めることが正解じゃないからです。
会話上における日本語の意味合いって、本当に自由自在に変化します。
発言をそのままメモしたものを後で読み返すと、「この人はどういう意味で答えてくれたんだっけ?」ってことになりがちです。
たとえば、
というような会話のラリーがあったとして、そのままメモに起こしたとします。もし、このメモを私が初見で読むと、
「この人は本当に緊張していたのか?質問者に合わせていないか?」
「いやいやと否定してから、楽しかったと言っているので緊張していなかったのでは?」
「"緊張"と"楽しかった"の感情の順番や大きさに違いがあるのでは?」
という疑問が湧くと思います。
本当の気持ちは発言した本人にしかわかりませんが、それでも発言した言葉を並べただけでは情報量が大きく減ることになります。
記憶が鮮明なタイミングでメモを作成していると、背景や前後の流れも踏まえて把握しているので問題なくすっと入ってきます。
しかし、初見の人や後で読み返してみると「どういう意図の発言だった」か汲み取れなくなるんです。
話を聞いた段階では、
「あまり緊張はしないタイプだが、あの発表の場面ではさすがに少し緊張した。しかしその緊張感すら楽しめた」
という趣旨だと理解したのであれば、実際にはそのような発言でなかったとしても、後で理解できるように修正して書き留めることが求められます。
ヒアリングメモには個性が出る
冒頭でお話した案件の話です。
大きいプロジェクトということもあって、マネージャーポジションの同期とチームになりました。「いい話も聞けたし、忘れないうちに早速メモを書いてやろう!」と取り掛かり、できたメモのチェックを同期にお願いしました。
が、チェックしてもらうと、修正履歴で私のメモは渋谷ギャルのネイルのようにカラフルになりました。
しかし、その指摘量に特に凹むこともなく、嬉しい気持ちになったことに少し驚きました。
サラリーマン生活も長くなり、これまでもたくさんのメモをチェックされてきました。最近ではそんなガッツリしたレビューを受ける機会も少なくなってきたので、ド派手なギャル化したメモが返ってくることが新鮮だったのかもしれません。
「あの発言をこう捉えたのか」
「確かにこの表現の方が、あの人がしゃべっている雰囲気になっているな」
といった気付きを得られました。同じ会話を聞いていたとしても、受け取る内容に微妙な差が発生します(もちろん、文意は変わらない範囲で、です)。
ヒアリングメモの目的は、話し手のメッセージの趣旨を確認するツールですが、しっかりと準備して臨んだヒアリングには、話し手の個性まで読み取れるんだということが身をもって理解できました。
人を惹きつけるメモとは
同期の指摘を踏まえて修正したメモは格段に良くなりました。
というよりも、その場を追体験できるような臨場感のあるメモになったという方が近いかもしれません。
先ほどの例でいえば、
「プロなので発表には慣れていたが、あの場面ではいささか緊張した。しかし、あの時は明るい未来のイメージが見えてワクワクした」
という風に修正されたイメージです。
メモのポイントは話し言葉を書き言葉に変えて趣旨を伝えることが必要ですが、さらに進化すると、その人の語る気持ちまでイメージさせることができるんだと思います。
レコーダーの音声を起こすだけではわからない情報を示すことが、ヒアリングメモ作成の見せ所です。どんな仕草をしていたか、目線はどこを向いていたか、どんな表情で発言していたか、どんな服装だったか、そんなことを思い返しながら書くことで、より臨場感のある魅力的なメモになるんだと思います。
そんな魅力的なヒアリングメモを書くには準備が必要です。ヒアリングの事前準備として、その人のことをしっかり理解しておく必要があります。
年齢、出身地、学歴、経歴、キャリアのターニングポイント、家族構成、趣味……できる範囲でリサーチしておかないと、リアリティのあるメモは完成しません。
同期はかなり準備してヒアリングに臨んだことに違いありませんでした。
まとめ
インタビューする際の準備はもちろん必要ですが、ヒアリングメモを書くにしても事前準備が大切だと感じます。
せっかく貴重なお時間をいただいてお話をしてくれる相手には、最大限の敬意を払って臨むべきです。
と、言うのは簡単ですが、これが実践するとなるとかなりハードルが高いです。
さまざまな業務がある中で、メモ作成というタスクに時間をかけなきゃいけないのはなかなか大変ですが、頑張ってやっていきたいです。
このnoteは私自身への戒めにしたいと思います。
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