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育てながら勝つ難しさみたいな話

既存事業の足元の数字や方針に関しては、私の手から離れて自走できる体制になってきているように感じている。
ただ、まだ、中長期的な戦略の実行、平たく言うと『重要だけど緊急じゃない』こと、数字に直結しないことに関しては私の満足するレベルには至っていない。
この点に関しては、時に荒唐無稽と思われても、中長期的な事業成長や事業リスク低減に向けて、私のほうから積極的に発信、指示して、現場を動かしていかないといけないのかなと思っている。

もちろん、しっかり現場メンバーが腹落ちしてそのあたりもできるようなるに越したことはない。
しかし、とはいってもどうしても現場メンバーは目先の数字に目が行き、そちらを優先してしまうので、それでもなすべきことが出来る仕組みを考えないといけない。
例えば、個々人の目標に入れる。
しかし、それだけだと弱い。
なので、うざいと思われるのを覚悟しつつも、都度進捗を確認することも必要かもしれない。
このあたりは、放っておいても目先のところは自走できる組織になったからこそできること。
数字は放っておいてもできる前提で、私からは数字以外のところをチクチク指示を出して、チクチク進捗を確認するようにする。
このあたり、ベンチャー社長を「滅茶苦茶」にしている真犯人 に近い話だと思っている。

また、予算を作るタイミングもそういった話をするには良いタイミングかなと思っている。
来期の1年を考えるにあたって、中長期戦略と言うには少し時間軸が短いかもしれないが、それでも中長期的な戦略について話をして、一緒に考えて、それを予算に落とし込むで、その戦略に対する現場メンバーのコミットメントは上がることだろう。

本音を言うと…現場のほうからしっかり中長期的な目線の意見も上がってきて、私のほうからの俯瞰的な目線、業界的な目線、過去の経験からの意見とディスカッションしながら、戦略を練っていくのが理想ではある。
中長期のことばかり考えている事業部長(私)と現場とでは、戦略を考えている時間に大きな差があるので、戦略の水準に関しても差はあるとは思うが、それでもさまざまな意見をディスカッションできるに越したことはない。

しかし、現場からなかなか意見が上がってこないからと上がってくるのを待っていたら、事業スピードが落ちてしまう。
過度に現場に期待するのも考え物だ。

一方で、ただただ自分の考えを戦略として押し付けるとせっかくの現場の成長機会を奪ってしまうかもしれない。
また、戦略のオペレーション自体は、自分で手を動かすわけではないので、現場のコミットメント、腹落ちを得られないままで事業が進むことになるので、達成確度が落ちてしまうかもしれない。
このあたりのバランスに非常に悩んでいる。

ただ、結局、会社として、事業としてやる以上は、私の立場で、もっとも優先すべきは『事業の成功』なので、自分自身としてはそこを最優先にジャッジをしていかないといけないとは思っている。
育てながら勝つのは非常に難しいだろう。
 
しかし、2016年の金本阪神は若手をどんどん抜擢したが、散々たる結果だった。
やはり育てて勝つのは無理だなと思った。
だが、2017年、そこで育った若手が活躍して、目下首位を独走。
育てることと勝つことをどのバランスで両立させるか…そこがマネジメントの見せ所なのか。

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