「Low fantasy.」(9)
「キイロイオオカミの群れ」
海沿いを離れ、彼の山の方向へ進んでいく途中、
キイロイオオカミの群れと一緒に旅をしている。という人に出会った。
この辺境を旅する人は少なく、偶然に出会うことはとても珍しい。
これも何かの縁だと、彼らとは しばらく道を共にした。
5匹のキイロオオカミたちは、毛並み、背格好こそ似ていて
はじめのうちは見分けがつかなかったが、
数日も一緒にいれば それぞれの個性ですっかり様子が違って見えてきた。
「お互いにそれぞれの違いを知り、いたわり、尊重しあうこと。」
オオカミ達との旅を、その人はそう話してくれた。
それは言うほど簡単ではないだろう。長い旅を経て なお、道は続いているようだ。
(10)に続く
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