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フェーズ毎に適したプロダクトマネジメントについて考えてみた

はじめに

このnoteはモバイルアプリマーケティングアドベントカレンダー2021の22日目の投稿と
delyアドベンドカレンダー 23日目の投稿です。

初めましてdelyのkoba(@kazkobay)と申します。


delyでクラシルアプリのプロダクトマネージャー兼デザイナーとして、3年ほど経験させて頂いた後、現在TRILLという女性向け記事アプリの新規リニューアルにおけるプロダクトマネージャーとして働いています。


今回は、今年の7月にクラシル→TRILLに異動してから現在に至るまでの数ヶ月の変化から感じた、C向けプロダクトの成長と組織人数の変化によるフェーズ毎の最適なプロダクトマネジメントのやり方という事について書いてみます。

この記事を読んでくださった誰かの参考になれば幸いです。

今回の記事で伝えたい事

  1. プロダクトの成長と、チームの人数変化に合わせて、最適なプロダクトマネジメントの手法は変わってくる。

  2. プロダクトを作るチームは生物で、常に流動的なのでどんな体制をとっていくべきか、設計を作っていくかが、プロダクトの成果にも大きな影響をもたらす。

  3. 構成するチームの人員やバックグランド、チーム感のバランスによっても大きく異なるので、プロダクトと同じく組織も常にリファクタリングと改善が必要

プロダクト立ち上げフェーズ

この段階のプロダクトマネジメントで大事な事は、スモールチームで熱量高く機動力持って、価値検証を届ける事であり、多少荒くても良いのでとにかく認識を揃えて、物事を前に進めることが大事です。
むしろこの熱量の高さと機動力の高さ、風通しの良さをいかに保ち続けるかが、プロダクトマネジメントの重要な役割と言えると思います。

特にこの初期フェーズの段階で有効だと思うことは以下です。

ビジョンを描いて、指針をわかりやすく示す

プロダクトにおける指針を示すための抽象化の図
プロジェクトの全体像を簡易的に図式化したもの

僕が今年の7月にTRILLに異動してきたのは、まさにこの立ち上げフェーズでしたが、目指すべき方向性の図式化などを行いました。

私たちが何を作るべきか、何をしていけばいいのか、決まっているという状況は仕事においてほとんどありません。むしろ不確実性が高い物事の解像度をあげ、成功の角度を1%でもあげること、それ自体が僕らの仕事と言えると思います。

初期段階ではプロダクトに対しての捉え方は本当に様々です。
簡単なもので良いので、図に落とし込むだけでも言葉だけでは伝わらない抽象的な概念や共通認識もグッと伝わりやすくなると思います。

むしろ初期スタートアップや新規プロジェクトなどは、人数も少なく、お互いの認識を話しながら揃えていきやすいので、こういった図と合わせて合わせて話し合いをしていくことで、お互いの共通認識を作っていくことが非常に重要なフェーズとも言えます。


プロダクトグロースフェーズ

リリース後この段階になると、チームメンバーが各職種2~3人程度まで膨らみ、チームメンバー全員と話しながら細かい施策まで認識を揃えていくことが1人のプロダクトマネージャーでは困難になってきます。

この段階ではできる限りKPIを分解し、それぞれが自主性を持って向かいやすい仕組みを整えることが重要になってきます。

この点は弊社CXOの坪田さんのnoteがとてもわかりやすくまとまっているので引用します。

担当領域を決めて、各チームで課題に対して深ぼれる体制づくり
抽象度が高い数値を噛み砕き、現場KPIに分解する

こういった形を取ったほうが、各個人がモチベーションを保ちながら、組織として全体の生産性が高く担保されるため、早い段階で権限委譲をしていくことが大事になります。(ここが意外とやってみると難しいポイントなのですが)

現段階でTRILLは小チームに分けた体制を取れていないのですが、できるだけ早く近いうちにこういった体制づくりをしていきたいと思っています。

またこの段階では開発できるラインも増えるため、ロードマップの整備やバックログの整備、開発を動かすための簡易的なスクラムの形などもある程度整備していく必要が出てきます。

個人的にここをガチガチにスクラムとして固めてしまうと逆に流動性がなくなるので、簡易的な形からまずやってみる塩梅を探る体制を取っています。

現状運用しているRoadMap
現状運用している機能やKPI毎に整理したバックログ

またこの段階では施策の内容などまで、全てを意思決定していくのは非常に困難になるので、TRILLでは現状施策毎のProject Lead枠を設けて、推進者を明確にする体制を取っています

施策毎にProject Lead枠を設ける図

これは基本的には小チームで何を作るのか、意思決定できる体制を簡易的に作っていく意図があり、以下の考え方に基づいています。

プロダクトの持ち主はあくまでチームであるので、意思決定もチームが行っていく


どのフェーズでも大事なこと

全員が一歩でもゴールに近づける意識を持つこと

これも弊社CXOの坪田さんからの引用になるのですが、開発者やプロジェクトに関わる全員が意思決定を持ち続けるのは非常に重要になります。

全員が当事者意識を持ち続ける努力

これはdelyの開発部オンボーディング資料としても載っているのですが、職種にこだわらずに、全員が関わったものの結果を自分ごとしていこうという文化を大事にしています。よく当事者意識という言葉なども使われますが、僕はこの言葉を"影響と責任を持つことを諦めていない範囲” という意味合いで捉えています。

意思決定のプロセスをできる限りオープンにする

自分の仕事を可視化して、意思決定の納得度やメンバーの認識を都度揃えていくという事もどのフェーズでも大事になります。
オープンにする事で新しいアイディアが生まれたり、逆に余計なものを作りすぎない防止策としての効果も働くので、積極的にシェアしていくことを推奨しています。

こういったことは日々の積み重ねではあるのですが、チームメンバーが増えると時間の経過と共に情報格差が大きくなっていくので、定期的にしていくのがおすすめです。

意思決定シェアの様子


この辺りは以前まとめたプロダクトマネジメントの記事でもまとめてあるので、ぜひご覧ください。


こんな感じで日々プロダクト開発をしています

今回はフェーズ毎に適したプロダクトマネジメントについて書いてみました。日々試行錯誤しながら、新しい事に挑戦しているので、より詳細に聞きたい!こういった環境でプロダクト開発に携わってみたい方はお気軽にご連絡ください!
delyではエンジニア・デザイナー・PdMを積極的に採用しています。




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